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2006年7月

爆走トラック’76

空軍を退役したハマー(ジャン・マイケル・ヴィンセント)は友人の紹介でトラックドライバーとなる。だが、勤務先の運送業者は密輸品を取り扱っているため依頼を断る。その後、ハマーは度重なる嫌がらせを受け、愛する妻も巻き添えを食らうこととなる。ハマーは怒りを胸に悪徳業者に牙を向き、敢然と立ち向かう。

ジャン・マイケル・ヴィンセントが正義感の強い一匹狼のトラックドライバーを好演している。ヴィンセントの顔立ち、特に澄んだ目はいかにも好青年といった印象を与える。ライフル銃を片手に手荒な一面も見せるが、そこは一本気な性格を巧く捉えているのである。

トラックを使ったカーアクションが見せ場となるが、出来ばえそのものは完全な低予算作品といった感じである。派手なアクションシーンではないがその分、面白く見せるように努力していることが伝わる。見応えのあるダイナミックなアクションシーンは誠に秀逸である。

地方都市や田舎町が舞台となるアクション映画が70年代前半から半ばにかけて多く製作されたが、本作もその内の一本である。本作の2年前に製作された『ウォーキング・トール』(73)にも通じる点がいくつかある。それは一本気な正義感を描写していることである。正義感を貫いて戦う男の姿は実に清々しい。ちなみに様式化された和製の仁侠映画もこれらと同じ匂いを漂わせているのである。

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黒いジャガー/シャフト旋風

ブラックスプロイテーション映画の代表的名作である『黒いジャガー』(71)の続編である。

シャフト(リチャード・ラウンドトゥリー)は、恋人の兄が爆殺され、彼が隠し持っていた大金を巡って賭博がらみのギャング団抗争に巻き込まれてしまう。

前作に比べるとテンポやリズムがパワーダウンし、もたついているように感じられる。だが、サスペンスタッチの描写は音楽がスタイリッシュなムードを醸成し、ほんのりと危険な匂いを漂わせている。

アクションシーンはスケールアップし、手応えのあるパワフルな見せ場となっている。銃撃戦、ボートやヘリコプターを駆使したチェイスシーン、爆破シーンは手に汗を握るほどの興奮とスリルに満ち溢れていて、一気に形勢逆転といった感じである。

リチャード・ラウンドトゥリー扮するジョン・シャフトはやはりカッコイイ。黒いレザージャケットに身を包む彼はクールかつタフであり、歯切れの良いセリフ回しやスマートだがやや強引さを感じさせる動作は同性もつい憧れてしまうほどのヒーロー像である。改めてシャフトの魅力とスゴさを実感した。

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ストリート・オブ・ファイヤー

女性シンガーのエレン(ダイアン・レイン)はライブ中にアウトロー軍団“ボンバーズ”に拉致される。エレンの元彼で流れ者のトム(マイケル・パレ)は、報酬を目当てに数人の仲間を連れてエレンの救出に向う。

冒頭からライブで歌うシーンが映し出される。ノリの良いビートに酔いしれ、ゴキゲンな感じにさせられる。他にも数曲のロックナンバーが効果的に使用されているが、その映像はミュージックビデオさながらの仕上がりである。

アクションシーンも迫力的であり、見る者をスカッとさせるほどパワフルかつ勢い良く描かれている。終盤でトムとボンバーズのボスであるレイヴェン(ウイレム・デフォー)が殴り合う格闘シーンは男臭さを存分に醸成し、ウォルター・ヒル監督ならではの演出に納得ができる。

ロックとアクションの二大要素が巧く絡み合った大人のためのおとぎ話である。

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ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン

エミネムに認められ、今やヒップホップ界のカリスマ的存在となったラッパー、50セントの壮絶な半生を基にした作品である。50セント自身が主演し、本作で映画デビューを飾った。

父親を知らない少年マーカス(カーティス・“50セント”・ジャクソン)はドラッグディーラーである最愛の母と暮らす。だが、母がドラッグ関係のトラブルで殺害され、マーカスは祖父母の家に引き取られる。やがて母の稼業を継いだマーカスはある事件で逮捕され、獄中生活を送る。刑務所内で知り合ったバマ(テレンス・ハワード)の勧めでラッパーとして再起することを決意する。

50セント自身の半生を基に描いているだけにリアリティーを追求した骨太な出来ばえである。ギャングスターの世界も丹念に描き、バイオレンス描写は残酷かつ衝撃的なタッチである。50セントを語る上で欠かすことのできないエピソードでもある9発の銃弾を食らったシーンもしっかりと描かれている。

過激なバイオレンス描写の反面、恋愛や家庭といったエピソードも巧く取り入れており、作品に厚みを持たせる。愛息子と遊ぶシーンは、理想的な良き父親像といった感じであり、微笑ましくなる。

ラッパーとして再起を懸け、成功への道を歩みだそうとするマーカスの姿は清々しい。ドン底から華やかな世界へと昇りつめた文字通りの壮絶な半生を描いた本作は、ドラマとしても見応えのある完璧な出来ばえである。50セントが素晴らしいラッパーであり、凄すぎる人間であることを改めて実感した。

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ブラック・コブラ

ニューヨーク市警の腕利き刑事“ブラック・コブラ”ことマローン(フレッド・ウィリアムソン)は、女性カメラマンであるエリース(エヴァ・グリマルディ)の護衛を担当することとなる。その夜、エリースは強盗殺人事件を目撃し、犯人グループの一人を撮影する。それ以来、エリースは執拗に狙われ続けるハメとなる。マローンは犯人グループを追い詰め、激闘を繰り広げる。

70年代ブラックスプロイテーション映画風のタイトルであり、そのジャンルのスターであるフレッド・ウィリアムソンが主演である。だが、ソウルフルやファンキーといった雰囲気は微塵もないイタリア製アクション映画である。

内容はシルヴェスター・スタローンの『コブラ』(86)を意識したものであるが、『コブラ』を下回る出来ばえである。見せ場となるアクションシーンは地味なタッチで描かれているがその分、ウィリアムソンのクールでタフな格好良さを十分に感じさせる。アクション、サスペンス、音楽といった部分はまるで80年代後半の和製刑事ドラマを彷彿させるようなものであり、いかにもB級アクション映画といった仕上がりである。

後に3本の続編が製作されたが、3本目と最終作である4本目は日本未公開のビデオスルーのみであった。

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