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2006年8月

魔人ドラキュラ

トランシルヴァニアの古城で暮らしていたドラキュラ伯爵(ヴェラ・ルゴシ)は500年前に死んだはずだったが、吸血鬼として甦り、生き血を求めて若い女性に牙を向ける。伯爵が吸血鬼であることを知ったヴァン・ヘルシング教授(エドワード・ヴァン・スローン)は、彼を徹底的に追い詰めていく。

夜会服にマント姿のヴェラ・ルゴシがドラキュラのイメージを決定打にした。貴族風でエレガントな雰囲気が漂う一方、薄気味悪さも感じさせる。公開当時は、ルゴシ目当ての女性客が劇場に長蛇の列を作り、ルゴシ自身も多くの女性からのファンレターが殺到したというエピソードもかなり有名である。

女性の首元を噛み付くシーンは恐怖やショッキングを追及せず、あっさりとしたタッチで描いている。恐怖や残酷さを描いていれば、衝撃的なホラー映画に仕上がっていただろう。

吸血鬼を描いた作品はサイレント時代から存在していたが、トーキー初の吸血鬼作品としては本作が第一号となる。カラー作品が普及された頃には英国のハマーフィルムがクリストファー・リーを主役に『吸血鬼ドラキュラ』(58)を製作し、カラー作品初の吸血鬼作品となった。ヴェラ・ルゴシがドラキュラ役者として成功したように、クリストファー・リーもルゴシを受け継ぐかのようにドラキュラ役者として大成したのであった。その後も吸血鬼、ドラキュラを扱った作品は大量に製作された。

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白昼の暴行魔

アルド(レイモンド・ラブロック)ら三人組の男が白昼に銀行強盗をやらかし逃走する。逃走中に海岸付近の別荘に侵入する。別荘では尼僧兼教師のクリスチナ(フロリンダ・ボルカン)と五名の女学生がゼミ合宿のために滞在していた。三人組の犯行グループが女性たちを人質とし、恐怖の目にさらす。

犯行グループのリーダー格であるアルドを演じるレイモンド・ラブロックはなかなかの二枚目スターといった風貌である。凶悪犯役ではあるものの、女性に対するほのかな優しさを見せる面もあり、一瞬でもイイ男というイメージを与えさせる。他の二人は至って非人道的な鬼畜系キャラであり、女性たちに過激な暴行を働きかけるケダモノぶりは強烈である。

タイトルは過激さを強調したポルノ映画やAVを彷彿させるが、作品そのものはサスペンスをベースとしており、過激さを抑えた性的暴行シーンを随所に散りばめている。性的暴行シーンをもう少しハードなタッチで描いていれば、タイトルによくマッチした危険な香りを漂わせる内容に仕上がっていただろう。

サスペンスにバイオレンス要素とエロティック要素を取り入れた“ジャーロ映画”は、70年代イタリア映画界を彩ったジャンルの一つでもあり、本作はジャンルの中でもカルト的な位置に値する。

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ビッグ・マグナム77

実妹を毒殺した犯人を徹底的に追い詰めるトニ刑事(スチュアート・ホイットマン)の活躍を描いたイタリアン・ポリスアクション映画の傑作。

冒頭からカーチェイス、銀行強盗犯との銃撃戦が展開される。この調子でバリバリのアクション映画として展開していくのかと思いきや、サスペンス要素を強調した内容がメインとなる。サスペンス描写が続く中、中盤を過ぎたあたりから再びカーチェイスが展開され、最大の見せ場となる。よくありがちなカーチェイスではあるが、スリリングで迫力を感じさせ、見応えのあるパワフルな出来ばえであり、単純に面白い。カーチェイスだけでなく、オカマ三人組との格闘シーンも一見風変わりに思えるが、作品が持っている面白さの一つといえるだろう。

全体的に言えば、『ダーティハリー』(71)と『ブリット』(68)を足して二で割ったような作品である。日本のTV刑事ドラマで例えると、アクション描写は『大都会』(76~79)や『西部警察』(79~84)であり、まとまりのあるサスペンス描写は『特捜最前線』(77~87)といった感じである。

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レイヤー・ケーキ

ドラッグディーラーとして暗黒街で順調に活躍していたXXXX(ダニエル・クレイグ)は、自身が平穏なうちに稼業から足を洗うことを決意する。そんな矢先、ボスから二つの依頼を要請される。最後の任務と思い仕事を進めていく中、ある人物から命を狙われていることに気づく。

主演のダニエル・クレイグは、『007』シリーズの六代目ジェームズ・ボンド役に抜粋されたイギリス人俳優である。本作では名もなきドラッグディーラー、XXXXをクールかつ冷静な渋いイメージで淡々と演じている。暗黒街のヒーローといった感じではないが、今後はお馴染みのスパイヒーローをクールなイメージで演じることとなるだろう。

スタイリッシュかつクールな仕上がりであり、バイオレンス描写も斬新な映像に仕立てられている。バイオレンス描写に関しては、残酷すぎず、これぐらいが丁度良いだろうといった感じで描かれている。ド派手な演出を売り物とせず、あくまでもやや複雑な人間関係や英国式暗黒街の模様にスポットを当てた群像劇である。

ちなみに、タイトルの“レイヤー・ケーキ”は、暗黒街の階層をケーキに例えた言葉である。一見、甘くて美味しそうなケーキを連想させるが、決して甘くも美味しくもないヤクザな渡世なのである。

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三人の狙撃者

サドンリーという平穏な田舎町を舞台に、大統領暗殺を企てるジョン(フランク・シナトラ)率いる三人の狙撃者と保安官のトッド(スターリング・ヘイドン)、人質たちのやりとりを見せるサスペンスドラマ。

フランク・シナトラ演じる殺し屋、ジョンは戦中に勲章を受けているが退役させられた過去を持ち、銃を手にすると病的な殺人狂に変貌するというキャラクターである。その反面、弱い部分もしっかりと描いている。シナトラはこのキャラクターを好演し、存在感が光っている。

中盤以降は家屋内で展開され、緊張感を張り巡らせる構成である。登場人物たちの朝鮮戦争にまつわる会話も興味深く、面白さを引き立てている。銃撃シーンもあるが、アクション映画の見せ場といった感覚ではない。だが、力強さを感じさせるシーンでもあり、やや強めのインパクトを与える。

本作は低予算で製作されているが、良いアイデアとシナトラの演技が厚みを持たせた魅力的な作品に仕上げているのである。

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ディセント

冒険好きな女性、サラ(シャウナ・マクドナルド)は交通事故に遭遇し、夫と娘を亡くす。1年後、悲しみから立ち直ろうとしている中、仲間である女性5人とアパラチア山脈の奥地に存在する地下洞窟の探険へと出向く。最初は探険を楽しんでいたが、突然の岩盤崩壊によって出口が塞がれ、閉じ込められた状態になる。そして次から次へと最悪な事態に出くわすハメとなる。

大半が洞窟内でストーリーが展開され、緊迫感と閉塞感とが同時に味わえる構成である。また、テーマパークのお化け屋敷に通じるものすら感じられる。

ショッキングな映像、突然脅かされるようなシーン、効果的に使用される薄気味悪い音楽、スリリングな描写といった恐怖感を煽り立てる演出は工夫が施されており、素直に良いと思う。ストーリーが進展するにつれハードな描写はヒートアップし、テンポもレベルアップする。

様々なホラー映画の要素が取り込まれている。サスペンスタッチ、スプラッター描写、モンスターパニック、そして『バイオハザード』(00)のようなアクション色といった感じでそれらの面白さを巧く凝縮させている。無類のホラー映画好きにとってはたまらないプレゼントになるだろう。

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ジュース

スパイク・リー監督作品で撮影監督を担当していたアーネスト・R・ディッカーソンの監督デビュー作であり、90年代に再び訪れたブラックスプロイテーション映画ブームを代表するでもある。

舞台はニューヨークのハーレム街。高校生であるQことクインシー(オマー・エップス)、ビショップ(トゥパック・シャクール)、ラヒーム(カリル・ケイン)、スティール(ジャーメイン・ホプキンス)は学校をサボりがちであり、ラダメス(ヴィンセント・ラレスカ)率いるラテン系不良グループと対立したり、欲しい物を万引きしたりと気ままにブラブラと過す。クインシーはこのような生活から足を洗うべくクラブのDJを目指す。だが、彼らはふとしたことがきっかけで拳銃を入手し、遊び半分の強盗事件を画策する。その強盗事件が4人の友情を引き裂くこととなる。

ビショップ役のトゥパック・シャクールの存在が大きい。欲望とプライドの高いお調子者のキャラクターを好演し、主役のオマー・エップスを食い尽くすほどの勢いを感じさせる。

全編にノリの良いヒップホップが効果的に使用されているのも本作の特徴である。若者の転落、破滅、絶望やバイオレンス描写をスタイリッシュに仕上げた映像により一層クールな雰囲気を醸成させる。

ヒップホップ好き、DJやクラブに関心を示す若者たちにとっては最適の作品である。

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ジャッカス・ザ・ムービー 日本特別版

米国MTVにて放映されるや若者を中心に絶大な人気を誇る過激かつお馬鹿なバラエティー番組『jackass』が劇場用映画となった。

内容はとにかく度が過ぎたお馬鹿っぷりを最大限までに発揮している。危険すぎるスタント、下品極まりないパフォーマンスは笑わずにはいられないが、あまりにも過激すぎるネタに関しては思わず引いてしまうこともある。いい歳した大人たちが子供の悪ふざけのような感覚でやっているにだから相当面白すぎる。

お馬鹿、下品、教育に悪い、といった三拍子が揃った他に言う事のない作品である。しかし面白すぎる・・・・・・

ジャッカス・ザ・ムービー 日本特別版 スペシャル・コレクターズ・エディション DVD ジャッカス・ザ・ムービー 日本特別版 スペシャル・コレクターズ・エディション

販売元:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
発売日:2006/04/21
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