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スーパーフライ (1972)

麻薬組織の大物、プリースト(ロン・オニール)の活躍を描いた70年代ブラックスプロイテーション映画の代表作。本作と同ジャンルの名作『黒いジャガー』(71)で知られるゴードン・パークス監督の実子、ゴードン・パークスJr.の監督デビュー作でもある。

ロン・オニール扮するプリーストはクールな衣装に身を包んだ麻薬の売人、すなわち“プッシャー”であり、ドラッグ、金、女に不自由のない豊かな生活を送っている。だが、彼の本来の理想は不安と絶望的危機感を抱え込んだハーレムの貧民街を抜け出し、本当の自由を手に入れることである。ハーレムで生きる黒人たちの心情と夢を代弁していると捉えられる。また、セリフの中には黒人は白人の奴隷として酷い目に晒されていたことを強調しているようなものもある。劇中に登場する白人警官を悪党として描き、対抗するプリーストたちの姿は、かつての黒人奴隷による人種問題を真っ向から批判しているかのように思える。

本作を語る上で重要となるのはやはり音楽と言える。ソウルミュージックの旗手、カーティス・メイフィールドが手掛けたスコア及び歌唱曲がスタイリッシュかつクールな映像をファンキーなムードに仕立て上げている。カーティス自身がナイトクラブで歌う「プッシャーマン」、プリーストと恋人のジョージア(シーラ・フレイジャー)がベッド代わりのバブルバスで見せる大胆なラブシーンで流れる「ギブ・ミー・ユア・ラブ」等が印象的である。当時は作品同様にサントラ盤も大ヒットしたのである。

翌年にロン・オニール自身がメガホンをとった続編『SUPERFLY T.N.T.』が製作されたが、日本では劇場、ビデオ、DVD、TV共未公開である。再びブラックスプロイテーションブームが訪れた90年には、製作を務めたシグ・ショアがメガホンをとってリメイクされた。こちらは今となっては大スターであるサミュエル・L・ジャクソンが脇役で出演している。

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コメント

これはサントラを買ってしまいました。
ホントにいい曲ばっかりでした!

投稿: albrecht | 2007年3月27日 (火) 01時11分

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カッコいいファッションとカッコいい音楽のイカした映画だろうなんて軽く考えてたけど [続きを読む]

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