« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »

2006年10月

デス・レース2000年

独裁国家となった2001年のアメリカを舞台に、年に一度だけ開催される国民的イベント“デス・レース”を描いたカー・アクション映画。

“デス・レース”のルールそのものがとにかく乱暴すぎる。それは、単なる大陸横断のカー・レースではあるが、街を歩く人々を轢き殺すとポイントが加算されるといった狂気に満ちたシステムが導入されている。まさに殺人レースである。

そんな狂気なレースに参加するのは、黒いマントと黒いライディングスーツに身を包んだ覆面レーサー、フランケンシュタイン(デヴィッド・キャラダイン)ら五名のレーサーである。その中には、フランケンシュタインに対し敵対心を剥き出すマシンガン・ジョーという男がいる。演じているのはシルベスター・スタローンである。当時のスタローンは無名であり、『ロッキー』(76)で頭角を現す数ヶ月前である。初々しい姿が印象に残る。

各レーサーが乗り回すスポーツカーも強烈なインパクトを与える。奇抜の度が過ぎたデザインは、不気味な雰囲気を醸成させる。そんな車が次々と人を轢き殺し、モンスター・カーらしさを最大に発揮している。そういったシーンをコメディータッチでコミカルに描いており、その点に関しては気分を悪くする人も少なくはないだろう。また、隙が多いためにチープな映像となっているが、爆破シーン等の迫力を感じさせる描写を盛り込むことによってカバーされている。

狂気に満ち溢れた漫画チックな作品である本作は、3年後に続編『DEATH SPORT』が製作された。しかし、日本では劇場公開されず、ビデオ販売やTV放映さえされていない。

デス・レース2000 DVD デス・レース2000

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2001/03/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)

地獄の変異

地質学者ニコライ博士(パイパー・ぺラーボ)がルーマニアのカルパチア山脈の奥に長年封印されている巨大洞窟を発見。その洞窟は、かつてテンプル騎士団を滅亡させた翼を持つ悪魔が住み着いているという伝説の洞窟である。ニコライ博士は、調査のためにジャック(コール・ハウザー)率いるケイブダイヴィングの精鋭チームを要請。彼らが洞窟に進入し、調査を開始するが、突然の爆発による落石で入口が塞がれてしまう。挙句の果てには謎のモンスターに襲われるハメとなる。

本作は、今夏に公開された『ディセント』(05)同様に洞窟内を舞台にしたホラー映画である。入口が塞がれて閉じ込められ、モンスターに襲撃されるという設定も類似している。『ディセント』は狭い空間による閉塞感というイメージが強いが、本作では洞窟内で広大な宮殿が見られたりするので閉塞感は殆ど感じ取れない。他の演出に関しても『ディセント』の方が上だと言える。

今後も洞窟内ホラーが製作されるのかどうかがやや気掛かりとなる。もし製作されるのならば、新しさを感じさせるモノを見せていただきたい。

地獄の変異 DVD 地獄の変異

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/02/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (6)

ランナウェイ (1977)

酒を密造し、売りさばいているハーリー(デヴィッド・キャラダイン)が密造所を荒らしまわるギャング一味を相手に奮闘する姿を描いたカー・アクション映画。

前半はテンポやリズムがもたついていることによって退屈させられるが、中盤以降は見せ場となるカー・アクションが楽しめる。カー・チェイスそのものはよくありがちなものである。面白さを倍増させるための要素となる爆破シーンやカー・クラッシュは撮り方に問題があるため、あまり盛り上がらない。後半は、追跡してくる後続車を火炎瓶で撃退するシーンが見所となるが迫力を追求できていないため、安っぽくて薄っぺらいという印象を与える。迫力のある映像にできるようなシーンでさえ巧く捉えていないため、面白さをかなり半減させている。

製作者のロジャー・コーマンと主演のデヴィッド・キャラダインが『デス・レース2000年』(75)に続いて挑戦したカー・アクション映画である本作は、平凡すぎるB級アクション映画という結果となった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

黒いジャガー/アフリカ作戦

70年代ブラックスプロイテーション映画の金字塔である『黒いジャガー』シリーズの第三弾。監督は前二作を手掛けたゴードン・パークスに代わり、後に『タワーリング・インフェルノ』(74)や『キングコング』(76)を大成させるジョン・ギラーミンが担当。

私立探偵ジョン・シャフト(リチャード・ラウンドトゥリー)は、低賃金にも関わらずハードな肉体労働をやらせるための黒人奴隷をアフリカからフランスへと送り込んでいる謎の組織を暴くため、奴隷になりすましてアフリカへと赴く。

前二作はニューヨークのハーレム街が主な舞台であったが、今回はアフリカがメインとなる。黒人にとっては理想のヒーローであるシャフトが黒人奴隷という汚点に挑戦している。黒人たちにとっては、先祖が奴隷として不当な扱いを受けていたことは最大の屈辱であり、最大の傷を抱いていることである。そんな傷を抱いた黒人たちの代表として、かつての奴隷制度を否定するかのように戦うシャフトの姿は、まさに黒人たちのヒーローだと思える。

民族衣装に身を包んだシャフトが棒術を駆使しての格闘に挑戦している。前二作とはまったく違ったシャフトが描かれているのも見所である。黒人奴隷として周囲に溶け込んでいるように見えるが、タフでクールなカッコ良さは変わらない。

舞台がアフリカからフランスに移ってからは銃撃戦や爆破シーンといった見せ場が展開される。だが、迫力を追求できていないために盛り上がらないのが残念である。スパイ映画風のサスペンス演出は良くできていて面白い。

やはりジョン・シャフトは、ニューヨークのハーレム街と黒いレザージャケットが一番のお似合いである。

黒いジャガー / アフリカ作戦 DVD 黒いジャガー / アフリカ作戦

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2005/04/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ザ・マークスマン

ウェズリー・スナイプスが『ブレイド3』(04)の直後、ルーマニアにて連続撮影に挑んで完成されたアクション系Vシネマ三作品を「スナイプスの大運動会」という企画で日本で公開。プログラム第一弾は、ミリタリー・アクションの『ザ・マークスマン』である。

チェチェンのテロ集団がロシアの原子力発電所を占拠し、ミサイルを仕掛け、アメリカ人科学者を拉致する。政府側は発電所爆破を考えたが、核拡散を恐れたため、ペインター(ウェズリー・スナイプス)率いる五人の精鋭部隊を現地に派遣。ペインターたちは、人質救出とミサイル爆破を阻止するためにテロ集団と激闘を繰り広げる。

ストーリーは単純明快であるが、敵陣による罠や組織の陰謀といった要素を巧く絡めている。定石通りの設定だと思えるが、ドラマとしては十分な出来ばえである。スナイプス扮するペインターは過去の過ちを引きずり、上司である女性とも何らかの関係を築いていたらしい。人物設定がしっかりとされてはいるものの、ストーリーを単純化させるためか深く描かれていないのである。

銃撃戦や爆破シーンといった見せ場をふんだんに取り入れており、アクション映画ファンが喜ぶようなパワフルで派手な仕上がりである。ウェズリー・スナイプスと言えばマーシャル・アーツ仕込みのファイト・シーンというイメージがあるが、本作では専らマシンガンを撃ちまくっているだけであり、残念ながらご自慢のファイト・シーンを見ることはできない。それでもアクションシーンは実に面白く出来ている。

本作は、単なる安っぽいVシネマ作品ではない。だが、作品の雰囲気は完全なるB級アクション映画である。とりあえず気楽に楽しめる娯楽作品であることに間違いはない。

ザ・マークスマン DVD ザ・マークスマン

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2006/12/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (1) | トラックバック (5)

フェア・ゲーム

敏腕女性弁護士のケイト(シンディ・クロフォード)は、発砲事件に巻き込まれる。その後、マックス刑事(ウィリアム・ボールドウィン)に出会い、彼にガードされるが再び狙われる。ハイテク機器を駆使する武装テロ集団に追い詰められながらもマックスはケイトを守るためにテロ集団と激闘する。

中盤以降は見せ場のアクションシーンが満載で面白い。カー・チェイスはかなりスリリングに描かれ、危険さをヒートアップさせる。ウィリアム・ボールドウィンがオープン・カーを運転しながら真横で走行している列車の中に飛び入るシーンやラストの船の大爆破は最大の見所である。ジョエル・シルバーが製作しているだけにアクション・シーンは迫力満点であり、見せ場作りの巧さも納得できる。

もう一つの見せ場は、シンディ・クロフォードとウィリアム・ボールドウィンによる列車内での性交シーンである。「危険なシチュエーションでこんなことするなんて」と厳しくツッコミたい。シンディが胸を見せたりと色気を振りまいており、スーパーモデルからセクシー女優に脱皮したかのように思える。

スーパーモデル、シンディ・クロフォードの劇映画デビュー作である。シンディは、最低映画に与えられるラジー賞の二部門(ワースト新人賞、ワースト主演女優賞)にノミネートされた。その後、スクリーンでシンディを見かけることは無かった。監督のアンドリュー・サイプスも映画監督としての仕事は本作だけである。現在、二人はどうしているのだろうか……。

フェア・ゲーム DVD フェア・ゲーム

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2006/09/08
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)

モルタデロとフィレモン

スペインで大人気のコミックを映像化したお馬鹿なスパイコメディー作品である。

スペインの諜報機関、TIAが人間のやる気を失わせてしまう最新兵器DDT(ダウナー・電波・飛ばし機)を開発。ところが何者かによってDDTを奪われてしまう。TIA局長(マリアーノ・ベナンシオ)はDDTを取り戻すべく海外から敏腕諜報員のフレディ(ドミニク・ピノン)を雇う。だが、彼を煙たく思うTIAのスパイコンビ、モルタデロ(ぺニト・ポシノ)とフィレモン(ぺぺ・ピジュエラ)が身勝手な行動に出て大騒動を巻き起こす。

漫画チックな描写が最大のインパクトを与え、コメディーの要素としても十分に活かされている。個性のきついキャラクター、ユニークな小道具、ブラックユーモアが満載のセリフはどれをとってもかなり面白く、お馬鹿加減をヒートアップさせている。リズムやテンポもスピーディーであり、作品そのものに活気を感じさせる。

ケレン味のある演出、作品独特の世界観、ブラックユーモアが魅力的であり、面白い娯楽映画としては合格点に達していると言ってもいいだろう。誰もが楽しめるような作品に仕上がっているので気軽に楽しめばいいのである。

モルタデロとフィレモン(DVD) ◆20%OFF! モルタデロとフィレモン(DVD) ◆20%OFF!

販売元:ぐるぐる王国 楽天市場店
楽天市場で詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (1)

アルティメット

舞台は2010年のパリ。悪がはびこる無法地帯として隔離された地区、バンリュー13で街からドラッグ一掃を目的とするレイト(ダヴィッド・ベル)は、タハ(ラルビ・ナセリ)率いるギャング団に挑む。だが、レイトは警察に逮捕され、妹のローラ(ダニー・ヴェリッシモ)をタハ一味に拉致される。半年後、タハが時限爆弾を盗み、バンリュー13に送り込もうとしていることが発覚。政府側は腕利き刑事のダミアン(シリル・ラファエリ)に爆破防止を命令し、レイトを案内役としてタッグを組ませる。二人は爆破を阻止するべくタハ一味と激闘を繰り広げる。

開巻から斬新な映像を見せつける。ダヴィッド・ベルの飛び跳ねるアクション・シーンが見所である。スピーディーかつスリリングな描写はテンポも最高に良い。BGMがより一層アップテンポなリズムをヒートアップさせる。ファイト・シーンもキレ味が抜群であり、マーシャルアーツ風のシャープな動きを自由なアングルで捉えている。このようなアクション・シーンは昨今のアクション映画ではお馴染みではあるが、スタント、ワイヤー、CGといったテクニックを一切使用していない。ダヴィッド・ベルとシリル・ラファエリの体を張った限界ギリギリの演技は凄いの一言に尽きる。合成技術やスタントに頼りきったアクション映画を量産しているハリウッド映画は見習うべきである。

上映時間も86分と短めであり、ストーリーも平易である。気軽に楽しめるアクション・エンターテイメント作品である。少し前に公開された『トランスポーター2』(05)同様、面白いアクション映画の本来の姿だと言える。

アルティメット DTSスペシャル・エディション DVD アルティメット DTSスペシャル・エディション

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2006/12/08
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (1) | トラックバック (7)

« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »