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2006年12月

ラスト・ドラゴン

リーロイ(タイマック)は、ブルース・リーに相当憧れているカンフー青年。そんな彼がミュージック・ビデオ業界を牛耳ろうとする悪徳組織を相手に激闘を繰り広げる。

主演のタイマックは本作でデビューを果たしたのである。見るからにしてピュアな好青年という感じであり、純粋かつ実直なキャラクターとして巧く描き出している。また、ブルース・リーに対するマニア的執着心をしっかりと描いている点も面白い。悪徳組織に拉致されるミュージックビデオ専門チャンネルの人気タレント、ローラ(ヴァニティ)との恋も描かれ、青春ドラマを得意とするマイケル・シュルツ監督が腕前を振るっている。

モータウン・レコードが製作に携わっており、スティーヴィー・ワンダーやウィリー・ハッチら所属アーティストたちのナンバーが22曲も使用されている。映像はMTVを意識した仕上がりとなっており、プロモーション・ビデオそのものという感じである。

本作は『黒帯ドラゴン』(74)等のようなカンフー・アクションの要素を取り入れた70年代ブラックスプロイテーション映画に当時流行していたアメリカ製忍者映画や漫画チックな特撮をほんのりと取り入れた内容である。結果的に言えば、十数年遅れて製作されたブラック・カンフー・アクションである。

ノリの良いダンス系ソウル・ミュージックと胸のすくような醍醐味を感じさせるアクションシーンが面白いゴキゲンな娯楽映画である。

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グラマー・エンジェル 危機一発

ハワイを無法化させるマリファナ密輸組織とダイヤモンド密輸組織を壊滅させるべく活動しているセクシーな女性捜査官ドナ(ドナ・スピアー)とその仲間たちの活躍をエロスとアクションを交えて描く。

主演は米プレイボーイ誌の人気プレイメイトであるドナ・スピアー、ホープ・マリー・カールトン、そしてTV番組を中心に活躍しているロン・モス。プレイメイトたちのセクシーなボディーやソフトタッチな性交シーンといったエロティック要素が見所となる。見せ場となるアクション・シーンは、銃撃戦やバズーカー砲による爆破シーンを取り入れてはいるものの肩透かしな出来栄えで物足りない。本作において特筆すべきポイントは毒ヘビ退治であり、最大の見せ場となる。毒ヘビが下水溝に入り込み、トイレの便器を破壊して現れるシーンは肝心のアクション・シーンに比べると遥かにインパクトが強く、強烈な印象を残す。

ドナの家には、本作の監督であるアンディ・シダリスが以前に製作した『マリブ・エクスプレス』(84、日本未公開)のポスターが貼られており、ドナとターリン(ホープ・マリー・カールトン)が登場人物について語り合ったり、『007』トークで盛り上がったりといったシーンも面白さの一つでもある。

エロス、アクション、毒ヘビ退治による立派なB級娯楽作品である。

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販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
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7セカンズ

「スナイプスの大運動会」最終プログラムとなる本作でスナイプスは、クライム・アクションに挑戦。

強盗団のボスであるタリバー(ウェズリー・スナイプス)は、仲間を率いてカジノの現金輸送車を襲撃。巧妙な手口で成功したが、奪ったトランクケースの中には現金ではなくゴッホの絵画だった。それは、ロシアン・マフィアと関連のある危険な絵画であった。その後、ロシアン・マフィアたちはタリバーの恋人を拉致し、仲間たちも全員殺害する。タリバーはロシアン・マフィアに挑み、激闘を繰り広げる。

序盤の現金輸送車襲撃から強奪成功までの描写をスピーディーかつテンポよく見せつける。見せ場のアクション・シーンも迫力を追求した見応えのある出来ばえとなっているが、やはり定石通りである。また、クライム作品ならではのバイオレンス描写がしっかりと取り入れられている点も注目に値する。アクション、バイオレンス、ストーリーのどれをとってもありきたりのものであるが、それでも理屈抜きで楽しめるから良いだろう。

「スナイプスの大運動会」三部作はB級娯楽アクション映画としては面白かったが、とにかくスナイプスがメジャー作品で活躍されることに期待している。『ニュー・ジャック・シティ』(91)や『ブレイド』シリーズの頃のようなかつての栄光をもう一度取り戻していただきたい。ガンバレ、スナイプス!!

7セカンズ DVD 7セカンズ

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/03/02
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スーパークロス

屋内で繰り広げられるバイクレース“スーパークロス”に挑戦する若い兄弟の活躍を描く。

KC(スティーブ・ハウィー)と弟のトリップ(マイク・ボーゲル)は、プール清掃のアルバイトで食いつなぎながら亡き父が実現させることのできなかった夢であるスーパークロスのチャンピオンを目指す。

本作の見所は何と言っても究極のバイクアクションである。バイクが宙を舞い、猛スピードで疾走するといったアクロバット風の華麗なバイクテクニックは迫力、スピード感、スリルを存分に堪能できる。これらのバイクアクションには、本物のライダーが起用されており、実に本格的である。レースの興奮と熱狂をしっかりと描き出している点も抜群に良い。スプリット・スクリーン(画面分割)を駆使して様々なアングルからレースシーンを捉えたりと見せ方にも工夫が施され、趣向を凝らした映像に仕上がっている。スティーブ・ボーヤム監督が元モトクロス選手だけにレースの面白さや厳しさといった経験者だからこそわかる部分もしっかりと描き出している。

アクションだけでなく、ドラマとしての描写も良い。レースに対する兄弟の葛藤、兄弟愛、レースを通じての成長と成功、恋愛からわかる若者らしき青春といった要素がしっかりと取り込まれていることによってストーリーに厚みを持たせている。

ボーヤム監督は、モトクロスの凄さと醍醐味を多くの人々にも分かち合えたらいいなという思いから本作を作り上げたのだろう。

スーパークロス DVD スーパークロス

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マックQ

シアトル警察の腕利き刑事、ロン・マックQ(ジョン・ウェイン)は相棒を殺害されたため、麻薬王のサンティエゴ(アル・レッティエリ)を徹底的に追い詰める。だが、警察上層部から捜査を禁じられることとなる。マックQは辞職し、私立探偵となって独自の捜査を開始する。

ジョン・ウェインが当時流行していたポリス・アクション映画に挑戦した作品であり、西部劇をメインに活躍していたウェインにとっては初の現代劇への挑戦でもある。以前に『ダーティハリー』(71)の主演オファーを蹴って後悔していたこともあっての試みであった。

60代半ばのウェインにハードなアクションを要求することは厳しいということで華麗なアクションシーンは披露していないが、敵にパンチを数発食らわすシーンは力強さを感じさせ、年齢に見合ったアクション演技をこなせることを証明したのである。銃撃戦ではイングラム9ミリという見た目のインパクトが強い小型マシンガンを使用しており、小道具に関してもこだわりを追求している点が良い。本作ではウェインがカー・アクションにも挑戦しており、終盤で見られる海岸沿いでのカー・チェイスは迫力を感じさせ、圧巻である。

本作がヒットしたことをきっかけに二年後には同趣向の『ブラニガン』(75)が製作された。

ジョン・ウェイン マックQ DVD ジョン・ウェイン マックQ

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2006/11/03
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悪魔の追跡

仲のよいロジャー(ピーター・フォンダ)とフランク(ウォーレン・オーツ)はバイク工場を経営しており、休日にお互いの妻を連れ添い、設備が完璧なキャンピング・カーに乗って旅に出かける。その日の夜、ロジャーとフランクが外で飲んでいるとき、カルト教団による不気味な儀式を目撃。だが、信者たちに気づかれたため逃げ出すが、執拗に追われてしまう。その後も度重なる恐怖が四人を追い込む。

基本はオカルト系サスペンス・ホラーではあるが、アクション要素もしっかりと盛り込まれている。ショッキングなシーンは猟奇的であり、気味悪さや緊迫感をうまく保って描いている。見せ場作りも巧みであり、特にキャンピング・カー内に仕掛けられた二匹のヘビを悪戦苦闘しながら退治するシーンや中盤以降で見られる激しいカー・アクションはインパクトが大きく、見応えがある。カー・アクションに関しては、当時流行していたジャンルであり、流行に便乗して取り入れたものだと思える。

ホラー、アクションと二つのテイストを味わえることが嬉しい娯楽作品である。グリコキャラメルのキャッチフレーズである「一粒で二度美味しい」と同じような感じである。

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『吸血鬼ブラキュラ』予告編

『吸血鬼ブラキュラ』(72)の予告編。日本では1973年に公開されたのである。

ユニバーサルの『魔人ドラキュラ』(31)、ハマー・フィルムの『吸血鬼ドラキュラ』(58)といった吸血鬼を扱ったホラー映画は多いが、こちらは70年代のブラックスプロイテーションブームの勢いに乗って製作された黒人版ドラキュラ作品である。黒人のドラキュラという設定がユニークである。

翌年には続編『吸血鬼ブラキュラの復活』が製作され、ブラックスプロイテーションの女帝であるパム・グリアが脇役で出演している。だが、日本では劇場公開されず、ビデオスルーだった。続編はビデオがリリースされたにも関わらず第一作目はビデオすら存在していないという点が不思議である。是非ともDVD化していただきたい。

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