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2007年9月

殺しの分け前 ポイント・ブランク

リチャード・スターク(ドナルド・E・ウェストレイクの別名)の人気小説「悪党パーカー 人狩り」が原作のハードボイルド風サスペンス・アクションの傑作。

悪党ウォーカー(リー・マーヴィン)は友人マルと密売金強盗をやらかし、成功したと同時にマルはウォーカーを撃ち、彼の妻であるリンを連れて逃亡。ウォーカーは、協力者の情報を得て、マルへの復讐に乗り出す。

リー・マーヴィンが冷酷非情な悪党を渋いイメージで演じた。このイメージがクールな雰囲気をより一層に倍増させた。マーヴィンは、完璧な悪党キャラを確立させたと同時に観る者に強烈なインパクトを与えることに成功させた。

リンの妹でありマルの新しい情婦でもあるクリス役をセクシー系B級女優のアンジー・ディッキンソンが演じる。アンジーは本作でも持ち前の色気を振りまいているが、作風が硬派なハードボイルド仕立てということでセクシーな雰囲気はほぼ抑えられている。それでもリンのキャラクターをしっかりと描けているのでその点は素直に良いと認めることができる。

本作はアクション映画ではあるが、派手なアクション演出は観られない。だが、ウォーカーが銃をぶっ放すシーンや敵にパンチを食らわすシーンは、パンチの利いた見応えのあるアクションシーンに仕上がっており、硬派な作風なだけに硬めのパワーを感じさせる。音楽がサスペンスらしいムードを存分に醸し出し、その使い方も巧いので好印象である。また、全体的にドライなタッチが男らしさを感じさせ、ハードボイルドの世界を巧く引き立てている。

ジョン・ブアマン監督の代表作となった本作は、32年後にメル・ギブソン主演の『ペイバック』(99)としてリメイクされた。また、同じく悪党パーカーをモデルにした作品にはロバート・デュバル主演の『組織』(73)もある。

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アドレナリン

マフィアに雇われているフリーのスナイパーであるチェリオス(ジェイソン・ステイサム)は、朝目覚めると敵対しているリッキー(ホセ・パブロ・カンティージョ)によって眠っている間に新種の毒薬を注射され、一時間後には副作用で死ぬことをビデオレターで知る。チェリオスは友人の医師からアドレナリンを出し続けると薬の副作用が抑えられると教えられ、走って暴れてと常に興奮状態を保ってアドレナリンを放ち続ける。チェリオスは解毒剤の入手とリッキーへの復讐のために奔走する。

冒頭から凝った映像が観られ、この時点で作品自体からアドレナリンが放たれている。スプリット・スクリーン(画面分割)も使用され、キレ味の鋭いカット割りやカメラワークがスピーディーかつテンポの良い描写を一段と盛り上げ、作品自体が放っているアドレナリンも更に倍増する。カー・アクション、銃撃戦、痛々しいバイオレンスが盛り込まれており、見せ場作りも良いので娯楽アクション映画としてはかなり面白く仕上がっている。ド派手な爆破シーンがあればもっと良かったと思える。

ストーリーは単純明快だが、その設定が実にバカバカしい。それが原因でおバカコメディー作品の要素も取り入れられている。チェリオスの性器が勃起し、半尻姿、挙句の果てには道端で大勢の人々に見られながらも恋人と性交したりと少しやり過ぎたおバカ描写でアクション映画を意識して観ている方々にとっては、やや興ざめてしまうだろうが、これこそ本当の娯楽映画だと思う方々もいるだろうし、この点は賛否両論だと言える。暴れたり走ったりするステイサムは従来通りのアクションスターとしての姿であるが、ナンセンスな下ネタに挑んだステイサムの姿は強烈なインパクトを与えると同時に意外な一面を発揮させたことにも驚愕させられた。これは、B級アクションスターのイメージが強いステイサムを本格的なB級スターとして定着させるような感じだ。

アクションとおバカコメディーの融合がB級娯楽映画としてのレベルをさらにパワーアップさせ、両ジャンルの面白さを一気に楽しめることが何よりも良い。

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