« 天使の復讐 | トップページ | ブラッド »

デス・プルーフinグラインドハウス

ハリウッド映画界のオタクタッグであるクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが60年代から70年代のB級映画専門劇場「グラインドハウス」の世界を現代に復活させた。それは、各々が一本のB級テイストの作品を撮り、ニセ予告編を混ぜて二本立て形式で公開するという企画だ。日本ではこのアメリカ公開版を一週間限定で上映し、その後はディレクターズカット版として分けて上映するという形式を取った。

『デス・プルーフ』はクエンティン・タランティーノ監督作品でカート・ラッセル主演。全体的には若い女性キャラクターが多く登場するガールズムービーであり、シドニー・タミア・ポワチエ(名優シドニー・ポワチエの実娘)、ヴァネッサ・フェルリト、ジョーダン・ラッドらが活躍するスプラッター系ホラーの前半とその14ヶ月後の出来事を描いたトレイシー・トムズ、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン、メアリー・エリザベス・ウィンステッドらが出演するカーアクションの後半という感じで前後でジャンルも異なれば女性の登場人物も異なるという二部構成と言っても良い設定は、まさに一本で二本分観たというお得な感覚すら感じてしまう。

夜のバーに集まる女性客を不気味なシボレーに乗ったサイコ風スタントマンのマイク(カート・ラッセル)がこの車を武器に襲い掛かる。このシンプルなストーリーこそ単純明快な娯楽映画に必要な要素だ。

女性キャストによるガールズトークをはじめ退屈さを感じさせるシーンが多く、これが展開をダラダラとさせる。だが、魅せる部分はしっかりと魅せており、刺激的で血生臭いスプラッター描写に激しいカーチェイスと豪快なカークラッシュという具合にツボはしっかりと押さえている。B級娯楽作品らしい描き方を忠実に踏襲しているのだ。

劇中に登場するバーのセット(タランティーノの私物であるジュークボックスも注目点)や照明、出演者の衣装に劇用車もかなりお洒落であり、スタイリッシュな映像に仕上げるためのエッセンスとなっている。映像にはグラインドハウス上映作品によく観られがちだったキズやノイズをあえてつけてみたりときめ細かく再現されている。

登場人物の口から出る数々のカーアクション作品のタイトルというように本作でもオタクぶりを発揮させたタランティーノ節が炸裂する。それと同時に足フェチという新たな一面も魅せつけた。タランティーノはかつての作品でも監督意外に出演や脚本を担当してきたが、本作では撮影も担当した。長身かつ美脚の美女を舐め回すかのようなカメラワークが足フェチらしさを存分に発揮させている。

ついつい吹き出してしまう可笑しなエンドクレジットまでB級テイストを最大限に発揮させていた本作。タランティーノの前作『キルビル』二部作もグラインドハウスで上映されたジャンル映画にオマージュを捧げた作品だったが、今思えば本作の予兆を感じさせる作品だった。

デス・プルーフ プレミアム・エディション DVD デス・プルーフ プレミアム・エディション

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008/02/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

デス・プルーフ in グラインドハウス Music デス・プルーフ in グラインドハウス

アーティスト:コースターズ,ドジー・ビーキー,ミック&ティック デイヴ・ディー,ピノ・ドナッジオ,ウィリー・デヴィル,トレイシー・トムズ,エディ・ベラン,エイプリル・マーチ,ジャック・ニッチェ,スミス,エンニオ・モリコーネ,エリ・ロス
販売元:WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M)
発売日:2007/08/29
Amazon.co.jpで詳細を確認する

Death Proof Music Death Proof

アーティスト:Original Soundtrack
販売元:Warner Bros.
発売日:2007/04/03
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 天使の復讐 | トップページ | ブラッド »

外国映画 た行」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。TBありがとうございます。
タランティーノのカメラワーク、さすが足フェチらしい絵作りで。
カーアクション&スタントも見応えありましたねぇ。

投稿: もじゃ | 2007年11月 4日 (日) 20時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/64198/8604633

この記事へのトラックバック一覧です: デス・プルーフinグラインドハウス:

» 「デス・プルーフ in グラインドハウス」 [てんびんthe LIFE]
「デス・プルーフ in グラインドハウス」TOHOシネマズ六本木ヒルズSC2で鑑賞 面白いかつまらないか、賛否両論のタラちゃん作品。実際自分の目でみてこないと解らないと思ったので映画の日の初回鑑賞です。だいたいタラ作品ってストーリーを追うものじゃないから、そのセンスとか飛び交う血しぶきとか初めからマニア向けというかヲタク向けに作られている訳で今回もなんだかわけのわからない女の子たちのシモネタみたいなことが延々と続いていたので多少飽きている感が感じられた頃、来た来た!タラワールド。タラちゃん自身... [続きを読む]

受信: 2007年10月25日 (木) 17時39分

» ★「デス・プルーフ in グラインドハウス」 [ひらりん的映画ブログ]
B級映画2本立て劇場(グラインドハウス)で上映してるような作品作りをして・・・ クエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督が1本ずつ作ったうちの1本。 [続きを読む]

受信: 2007年10月25日 (木) 22時27分

» 映画レビュー「デス・プルーフinグラインドハウス」 [映画通信シネマッシモ☆プロの映画ライターが贈る映画評]
◆プチレビュー◆タランティーノ印のB級ガールズ・ムービー。前半と後半の激しい転調に思わずクラクラする。【65点】 テキサスの田舎町。女の子たちがバーに繰り出した。そこで、スタントマン・マイクという遊び人風の中年男と知り合うが、実はマイクは耐死仕様(デス・....... [続きを読む]

受信: 2007年10月25日 (木) 22時41分

» #122.グラインドハウス その2『デス・プルーフ』 [レザボアCATs]
『グラインドハウス その1『プラネット・テラー』』に引き続き、USAバージョンのレビューです。上の『プラネット・テラー』との合間に予告編を挟んで、いよいよ、タランティーノ監督の方が始まったのでした〜。... [続きを読む]

受信: 2007年10月25日 (木) 23時33分

» デス・プルーフ in グラインドハウス−(映画:2007年106本目)− [デコ親父はいつも減量中]
監督・製作・脚本・撮影:クエンティン・タランティーノ 出演:カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン、ヴァネッサ・フェルリト、シドニー・タミーア・ポワチエ 評価:80点 公式サイト The Endが画面に出たときには大笑いしてしまった。 そんな...... [続きを読む]

受信: 2007年10月27日 (土) 00時03分

» スタントマンVSスタント・ガールズ [CINECHANの映画感想]
220「デス・プルーフinグラインドハウス」(アメリカ)  テキサスの田舎町。人気女性DJ、ジャングル・ジュリアは親友の金髪のシャナ、久しぶりに町に戻ってきた〝バタフライ〟ことアイリーンと一緒に町へ繰り出し、一夜の気晴らしをすることに。お気に入りのバー、グエロスからテキサス・チリ・パーラーへとはしごするそんな彼女たちを密かに尾けている男がいた。〝デス・プルーフ(耐死仕様)〟を施し、ドクロマークの付いた不気味なシボレーを乗り回し、顔に傷のある男、スタントマン・マイク。彼はジャングル・ジュリ...... [続きを読む]

受信: 2007年10月27日 (土) 11時18分

» デス・プルーフinグラインドハウス(ジャパンプレミア) [カリスマ映画論]
【映画的カリスマ指数】★★★☆☆ デス・プルーフな女たち [続きを読む]

受信: 2007年10月28日 (日) 21時49分

» 【 デス・プルーフ in グラインドハウス 】 [もじゃ映画メモメモ]
『グラインドハウス U.S.A.バージョン』から独立した作品として再編集されたディレクターズ・カット完全版。 喪失した部分を確認するために単品も観に行ってきました。リール1本分というより、あちこちちょこちょこと付け足しされてましたよ。まぁストーリーは単純なの...... [続きを読む]

受信: 2007年11月 4日 (日) 20時45分

» デス・プルーフ in グラインドハウス (Death Proof) [Subterranean サブタレイニアン]
監督 クエンティン・タランティーノ 主演 カート・ラッセル 2007年 アメリカ映画 113分 アクション 採点★★★★ 『溶解人間』とか『ジャイアント・スパイダー大襲来』とか大好きです。もちろん顔がドロドロと溶ける様や、台車に乗っかったでっかいハリボテから人々が笑いな..... [続きを読む]

受信: 2008年3月31日 (月) 00時28分

« 天使の復讐 | トップページ | ブラッド »