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スウィッチブレイド・シスターズ

クエンティン・タランティーノが最も敬愛するパム・グリアを主演に迎えて70年代ブラックス・プロイテーション作品にオマージュを捧げた犯罪映画『ジャッキー・ブラウン』(97)が米国で公開された直後、日本ではパム主演、ジャック・ヒル監督のブラックス・プロイテーションの傑作『コフィー』(73)が初公開された。同時期にタランティーノは自社レーベル“ローリング・サンダー”からジャック監督のズベ公アクション『スウィッチブレイド・シスターズ』をリバイバル公開し、日本でも『コフィー』公開直後に初公開された。ちなみに80年代のビデオ・ブームの頃には、『デッド・エンジェル』名義でビデオがリリースされていた。

ズベ公グループの抗争がエスカレートし、そこに政治思想グループも加担する。挙句の果てには一般市民をも巻き込む壮大な市街戦へと発展する。

鑑別所に入獄した主人公とその仲間たちがサディスティックな女看守と激しいバトルを繰り広げるといった女囚映画ならではのエロティックな要素を取り入れたシーン、ライフル銃をぶっ放すヤンキー集団が現れるスケート場での大乱闘、最大の見所となる市街戦、仲間割れした二人の主人公が子分たちの前で小型ナイフ片手に繰り広げるタイマン勝負といった見せ場が巧く散りばめられており、アクション映画としての面白さを存分に満喫できる。特に市街戦で登場する装甲車は、低予算であることがまるわかりの質素な出来栄えではあるが、観る者に最大のインパクトを与えると同時にアクション映画としての面白さを倍増させる。タランティーノがB級娯楽アクションの巨匠と称するジャックの職人芸とも言える腕前が最大限に発揮されている。

登場人物のファッションも注目するべきポイントであり、これがまた観る者に強いインパクトを与える。ホットパンツ、革ジャン、ブーツ、アイパッチといったポップな雰囲気で漫画チックな印象を与える衣装は、80年代のアクション映画に登場するファッションセンスをかなり先取りしているかのようにも思える。また、各々のキャラクターの個性もしっかりと描かれている点も素晴らしい。

本作は75年にアメリカで製作、公開されたが、日本でも70年代初頭を中心にこの手のズベ公作品が大量生産されていた。東映からは池玲子、杉本美樹の『女番長』シリーズや『恐怖女子高校』シリーズ、大信田礼子の『ずべ公番長』シリーズ、日活からは梶芽衣子や和田アキ子が主演を務めた『野良猫ロック』シリーズ、夏純子の『女子学園』シリーズや『不良少女魔子』、大映からは八並映子の『高校生番長』という具合に各社で製作された。現在でもこれらの作品はコアなファンを中心に語り継がれており、DVD化を望むファンも多い。

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