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天使の復讐

縫製工場に勤務する聾唖の若い女性ターナ(ゾー・タマリス)が帰宅途中に不気味なマスクを装着した男に銃で脅され強姦される。ショックを受けながらも自宅へたどり着くが、不法侵入した強盗犯にも銃で脅され強姦される。その際、文鎮で犯人の頭部を殴りつけ、とどめにアイロンで撲殺。拳銃を入手したターナは、トラウマによる極度の被害妄想と男性に対する不信感に心神を衰弱されながらも街中の悪そうな男を射殺するという独自の復讐をはじめる。

強姦されたターナが恐怖と不安を抱き、被害妄想に囚われる姿をサスペンスタッチで描いており、これが実に巧い。暗い性格を作品全体に漂わせてダークな世界観を見事に形成している。

ターナがアイロンで殴り殺した男を浴槽に移して小型ノコギリで切断するシーンは、猟奇的でおとなしい女性の心に潜む憎悪が存分に感じ取られ、これが恐怖を倍増させる。また、街中のダニ男たちを次々と拳銃をぶっ放して射殺していく姿が見所となるが、これはまさにチャールズ・ブロンソン主演の“デス・ウィッシュ”シリーズ第一弾『狼よさらば』(74)の女性版とも言える。この設定だけでなく、殺人を犯したことによるショックからトイレで嘔吐するシーンは、『狼よさらば』と全く同じである。だから、本作を観て『狼よさらば』を思い出す方々も結構いるのではないだろうか。

ラストのパーティー会場での壮絶なシーンはスローモーションが効果的に活用され、これがバイオレンスのレベルを高め、大殺戮絵巻と呼ぶに相応しい描き方で観る者に強烈なインパクトを与える。クライマックスで十分に見応えのあるシーンを魅せつけているという点を高く評価したい。

悲しみに始まり悲しみで終わる地味なB級バイオレンスアクションの佳作である。一時間二十分弱の上映時間だから暇つぶしには持って来いだ。

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