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2007年12月

リトルトウキョー殺人課 (日本未公開)

ドラッグのルートを拡大させるべくロサンゼルスの日系人街リトルトウキョーにヨシダ(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)率いる日本の暴力団“鉄の爪”が進攻。市警のアジア特捜隊に所属する刑事ケナー(ドルフ・ラングレン)とジョニー(ブランドン・リー)はタッグを組んでヨシダを追う。

とにかく見せ場となるアクション描写が満載で存分に楽しめる。銃撃戦、ドルフ・ラングレンとブルース・リーの実子ブランドン・リーという肉体派B級アクションスターによる格闘シーン、カーチェイス、大爆破は迫力満点で観る者を飽きさせないように工夫が施されている。B級アクションを得意とするマーク・L・レスター監督はやはり見せ場作りに長けており、これぞ職人芸という感じだ。アクションだけでなく、女性の裸体がチラホラと観受けらたりとセクシーサービスもしっかりと取り入れられていることや単純明快なストーリーという部分を加えると本作はまさに娯楽映画の王道であることも頷ける。

アクション以外の大きな見所となるのがやはり“間違いすぎた日本の描写”である。まずは、リトルトウキョーの娯楽レジャー施設“盆栽クラブ”。聞いただけでも思わず鼻で笑ってみたり吹き出したりするほどのおバカで可笑しい名称は、忘れることができないほどの強いインパクトがある。そして、そこで行われているのはキックボクシング賭博、女相撲、刺身女体盛り。これらを観ていると実にツッコミを入れたい気持ちにさせてくれる。他にも逮捕された鉄の爪組員は、取調べの際に自ら首を骨折させて自害し、ティア・カレル扮するミナコは切腹しようとする前に妙な儀式を行っていたりととにかくクレイジーであり、コメディー作品を観ているような気にさせられる。間違っていない描き方は、エンコ(指)詰めのみである。

ドルフ・ラングレン扮するケナーは、日本育ちということで日本語を話しまくり、間違ってはいないもののこれがまた笑いを誘い出す。だが、鉄の爪組員の日本語は聞き取りにくいものが多く、ツッコミを入れたくなる。中でもケナーが黒い袴と陣羽織に“闘魂”の文字が刺繍された日の丸鉢巻を巻いて刀片手にヨシダと闘うラストは、クレイジーのレベルをより一層ヒートアップさせた。とにかく何から何まで強烈なインパクトを与えるトンデモナイB級娯楽アクション作品だ。

上映時間は70分強。それにこのような内容だからアクション映画ファンだけでなく暇すぎる方々やヘンな映画がお好きな方々にも最適だ。本作が劇場公開されなかった原因は、間違いすぎた日本の描き方という見解が多い。

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ピンクフラミンゴ

凶悪かつ変態で悪名高い肥満体系の殺人女ディヴァイン(ディヴァイン)は、容姿を変え、名前もバブス・ジョンソンに改名して母、友人、息子とともにトレーラーを家代わりに暮らしていた。ディヴァインが変態として有名なことにジェラシーを感じていたマーブル夫妻が我こそが変態世界一と勝負を挑んだことからディヴァイン一家とマーブル夫妻の変態世界一決定戦が繰り広げられる。

カルト系悪趣味映画の帝王であるジョン・ウォーターズ監督作品の中でもカルト中のカルト作品としてかなり有名だ。そんな本作は数あるおバカ映画及び変態映画の中でも王道と呼ぶに相応しい。

劇中ではありとあらゆる変態行為が繰り広げられ、これが見所となる。その内容は実に過激すぎでかなりやりすぎている。特に卵料理に対してアホの一つ覚えばりに拘りすぎているちょいと頭が痛いというキャラクターのディヴァインの母エディとそんな彼女のために卵を運搬するエッグマンの挙式パーティーのシーンで観られる肛門ダンスや本作を語る上では絶対に外すことのできない代名詞的なシーンであるラストのディヴァインの犬糞マジ喰いはまさに強烈であり、観る者に凄まじい衝撃を与え、これにノックアウトさせられる者も恐らくいらっしゃることだろう。とにかく全編がおバカ、ド変態、不道徳、ゲテモノ、最低のオンパレードだ。

コアな映画好き、悪趣味映画やおバカ映画が好きな方にはオススメするが、一般の映画好きには厳しすぎるかも知れない。スカトロ愛好家(これこそ変態、悪趣味の王道)は『ソドムの市』(75)とセットで観るべきだ!!

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電撃脱走 地獄のターゲット

殺人罪で服役中のハリー(オリヴァー・リード)は、面会に来た妻パット(ジル・セント・ジョン)から他の男ができた上に妊娠したことを知らされる。これにマジギレしたハリーは、妻に対する復讐を誓い、相棒のバーディ(イアン・マクシェーン)やマクニール(フレディ・ジョーンズ)とともに脱獄する。

CM界出身のダグラス・ヒコックス監督の独特の映像が冴え渡る。冒頭で独房の天井に備え付けられている鉄の棒でハリーが筋トレをしているシーンの凝ったアングル、パットが面会に来た際に仕切りガラスに二人の顔が重なる映像という具合に映像作りのこだわりが抜群だ。

アクション映画としてはアクションシーンはかなりあっさりとした描き方だ。脱獄のシーンは緊張感を滲ませたサスペンス・タッチで描かれ、観る者に興味を抱かせハラハラさせる。洗濯物が大量に干されている建物の屋上で白バイに乗った二名の警官がハリーを追うシーンでは、ハリーが武器として愛用しているモーゼル銃をぶっ放して白バイを炎上させ、警官が火達磨になる。これが一番強烈な見せ場だ。バーディに裏切られ、元々パットと共謀していたという意外なドンデン返しに驚かされ、その直後に当時のアクション映画の流行であったカーチェイスも観られ、結構楽しませてくれる。全体的に言えば、派手さを抑えたB級アクションという感じである。

悪人顔のオリヴァーにハリー役が実にマッチしているかということも観ればわかるし、これがまた強烈なインパクトを与える。この際、映画史に残る名作『第三の男』(49)のキャロル・リード監督の甥ということは、本当にどうでもいいことだ。

ラストは悪すぎた男の人生の哀愁と悲愴感をたっぷりと漂わせ、観る者に悲しさと虚しさを残す。

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プラネット・テラーinグラインドハウス

クエンティン・タランティーノとのタッグで60年代から70年代のアメリカに存在したB級映画二本及び三本立て専門劇場“グラインドハウス”の雰囲気を現代に甦らせた企画でタランティーノ監督作『デス・プルーフ』に続くロバート・ロドリゲス監督作『プラネット・テラー』。

テキサスの米軍基地で生物化学兵器の取引が行われていた。だが、あることがきっかけでこれが破壊され、有毒ガスが漏れてしまう。街の人々はこの有毒ガスによって“シッコ”と呼ばれるゾンビと化して次から次へと人々を襲撃し、ゾンビの数を急速に増やすこととなり、街中は大パニックへと陥る。

冒頭からローズ・マッゴーワン扮する主人公チェリーのセクシーなダンスが披露され、開巻から観る者を圧倒させる。その後はゾンビまみれの大パニックが描かれ、ゾンビ系ホラーの面白さを満喫できる。ゾンビに片足を喰われたチェリーが義足代わりにマシンガンを装着し、数名の仲間たちと協力してゾンビ退治を決行するシーンは、激しいガンアクションや爆破シーンのオンパレードで描き、アクション映画の迫力を存分に発揮させていてかなり見応えがある。ハイテンションでぶっ飛んでいるという感じが強く、何でもありの面白さが本作の魅力だ。

本作も『デス・プルーフ』同様にグラインドハウス上映作品の雰囲気を醸成させるために敢えてフィルムに傷やノイズが加えられている。他にも数々のゾンビ映画へのオマージュを捧げたシーン、軍事施設内のTVモニターに映し出されるパム・グリア主演作『女体拷問鬼看守パム』(71、日本未公開)の予告編といったB級映画ファンにはたまらないマニアックな演出も興味深い。特にチェリーと元彼のレイ(フレディ・ロドリゲス=ロドリゲス監督とは無関係)との性交シーンの途中でフィルム紛失のお詫びテロップを出して次のシーンに切り替わるという演出は風変わりで驚かせてくれると同時に笑わせてくれる。遊び心がいっぱいのアイデアが随所に散りばめらていてそれが面白さを倍増させる。

キャラクター設定もしっかりとなされており、個性的なキャラクターも印象に残る。片足マシンガンのチェリーをはじめ、チェリーの元彼レイは次々と襲いかかるゾンビと闘う際になぜか華麗なる格闘アクションを魅せつけ、麻酔科医ダコタ(マーリー・シェルトン)は注射器を武器に大活躍、そんなダコタの浮気を疑う夫で医師のブロック(ジョシュ・ブローリン)はゾンビと化しても凶悪なDV夫、ダコタの息子のベビーシッター担当で凶悪な双子姉妹(エレクトラ・アヴェインとエリーズ・アヴェイン=ロドリゲス監督の姪)、ヘイグ保安官(マイケル・ビーン)とその兄でバーベキュー専門店オーナーのJT(ジェフ・フェイヒー)は大ピンチ状態の中でもバーベキューソースについて拘っていたりとクセのあるキャラクターが面白い。なかでもクエンティン・タランティーノ扮するド変態丸出しの米軍兵士は最大のインパクトを与える。他にもブルース・ウィリスや人気ヒップホップユニット、ブラック・アイド・ピースのボーカルでソロとしても大活躍しているファーギーことステイシー・ファーガソンも顔を出し、作品に華を添えている。

本編の上映前にフェイク予告編『マチェーテ』が観られる。こちらもロドリゲス監督作で主演はダニー・トレホ(ロドリゲス監督の従兄弟)。チャールズ・ブロンソンの『狼よさらば』(74)に代表される『デス・ウィッシュ』シリーズ等がネタにされており、本作同様にド派手なアクションが満載の娯楽作品でこれがまた面白そうだ。是非とも完成させて公開していただきたいものだ。

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荒野の1ドル銀貨

南北戦争後、南軍の捕虜だったゲイリー(モンゴメリー・ウッド=ジュリアーノ・ジェンマ)とフィル(ジュゼッペ・アドバッディ)のオハラ兄弟は、銃身を短くカットされた拳銃を返され、釈放された。西部へと向かった弟の後を追ったゲイリーは、街の顔役マッコリー(ピーター・クロス)から用心棒として雇われ、悪辣な農民グループの味方であるブラッキーを倒すことを依頼された。ゲイリーはブラッキーに挑むが、その正体が弟のフィルであることに気づいた瞬間に胸部を撃たれ、フィルもゲイリーだと気づいたときにはマッコリーたちに撃たれて死亡。ゲイリーは、胸ポケットにしまっていた1ドル銀貨のおかげで助かった。マッコリーたちの罠にハメられたことに気づいたゲイリーは、復讐すべく立ち上がる。

1ドル銀貨、銃身の短い拳銃といった小道具の使い方が巧妙でこれが観る者に印象を残す。ストーリー展開を観てわかることがやはり脚本の素晴らしさであり、まさにドラマらしい作り方となっている。モンゴメリー・ウッド名義で出演したジュリアーノ・ジェンマが魅せつけるガン裁きも見モノであり、元体操選手だった彼の抜群の運動神経を活かせた格闘アクションも披露し、これがアクション映画としての見せ場となっている。ゲイリーが敵からリンチ制裁を加えられるシーンは、マカロニウエスタンならではのバイオレンス描写ではあるが、残酷さをあまり感じさせないソフトな描き方だ。音楽も印象的であり、フレッグ・ボングストが歌った主題歌も当時は大ヒットを記録した。何もかもが印象に残る傑作だ。

ジュリアーノ・ジェンマは、本作でマカロニウエスタンのスターとして人気を呼び、不動の地位を築いた。ちなみに『続・荒野の1ドル銀貨』(65)は、『夕陽の用心棒』(65、日本未公開)の続編にあたり、本作とは一切関係のない別物だ。

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