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2008年2月

荒野のドラゴン

カウボーイに憧れてテキサスの街にやってきた上海ジョー(チェン・リー)は、極悪な農場主スペンサー(ロバート・ハンダー)と対決したことから次々と彼の一味に狙われ、戦いを続けながらも放浪する。

ブームが衰退したマカロニウエスタンに新たに世界中でブームが沸き起こった香港カンフーアクションを融合させた超異色のイタリア製B級娯楽アクション作品。

主人公の上海ジョーが様々な敵を蹴散らしていくという単純化された筋書きは、何も考えずに楽しめるということでこれがまず最初に挙げる良いポイントだ。あとの良いポイントと言えば、見所の多さぐらいだろう。荒唐無稽丸出しの漫画チックなケレン味を前面に押し出した描き方は実にぶっ飛んでいるという感じであり、これがB級娯楽作品らしさを遺憾なく発揮しているためその面白さを存分に堪能できる。それだけに登場する個性的な敵キャラたちもかなり印象的である。特にラストでジョーとバトルを繰り広げる赤い着物を着たチョンマゲ姿の忍者風の武士ミクリヤ(ミクリヤ・カツトシ)は、そのルックスのインパクトが強烈すぎるため観る者の目に焼き付くことは間違いないと言ってもいいほどだ。また、マカロニウエスタンならではのバイオレンス描写はドギツく描かれ、特に目玉抉りぬきに手首切断、剥がされた頭皮といったシーンは凄惨を極めた上に血生臭さを存分に感じさせ、まさに衝撃的な映像という具合だ。映像に隙が観られることも多々あり、それが原因で安っぽさを感じさせてしまったりカンフーと言いながらもやっていることは空手といったマイナスポイントやツッコミ所も多いため、アクションやバイオレンスだけでなくこのような部分を楽しんでみても良いだろう。

上海ジョーを演じるチェン・リーは、実は早川明心という名の純粋な日本人である。彼は元々はイギリスやイタリアで空手の指導員として活躍していたのである。ひょんなことがきっかけで本作の主演に抜粋されたとのことである。本作の二年後には志穂美悦子主演の東映空手格闘アクション『女必殺拳』シリーズの第三弾『帰ってきた女必殺拳』(75)に端役で出演し、志穂美や倉田保昭との共演を果たした。その後は再び渡英し、緩衝材の製造会社SANSETSUを設立し、経営していたが、05年に帰らぬ人となった。

とにかく何もかもが凄すぎるトンデモナイ珍作だ。

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C・C・ライダー

バイク整備士のC・C・(ジョー・ネイマス)は暴走族“ザ・ヘッド”に加入。だが、メンバーがファッションライターのアン(アン・マーグレット)をレイプしようとしたところをC・C・が助け出し、これが原因でグループのボスであるムーン(ウィリアム・スミス)との仲は険悪となる。やがてC・C・.はモトクロス選手として出世し、賞金を稼ぐまで成長した。ムーンはC・C・に賞金の分け前を要求するが拒否されてしまい、ついに二人はレースで勝負するをするのだが・・・・・・。

60年代半ばから量産された実在の暴走族“ヘルズ・エンジェルス”をモデルにしたバイカー・ムービー。本作はその最後を飾ろうかという雰囲気が感じられる作品だ。

主人公C・C・と彼に助けられたアンとの恋愛、青春映画ならではの描写がメインとなる。モトクロスのシーンやラストのC・C・とムーンのレース対決が見せ場となるが、スピード感を楽しむことができるものの魅せ方が平凡な感じであまり面白味が感じ取れない。それでも悪いとまでは言えない出来栄えだ。

これまでのバイカー・ムービーで主演として活躍したウィリアム・スミスは、本作では脇に回って悪役を担当。観るからに悪そうな感じで印象深く、悪役を見事に演じ切った。また、70年代のB級娯楽映画で活躍したタランティーノ監督お気に入りのシド・ヘイグも端役で出演している。

劇中に登場する数多くのハーレーダビッドソンは実にカッコよく、バイク好きには嬉しいこと間違いなしだ。

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戦場のガンマン

ホフマン少尉(ジョン・ガルコ)率いる五人の米軍兵士はドイツ軍司令部から“K作戦”に関する機密書類を盗み出すよう命を受け、イタリア北部のビラベルデ・ドイツ南軍指令部へ赴くのだが・・・・・・。

戦争アクション映画にスパイ映画の要素を取り入れたイタリア製娯楽戦争映画すなわちマカロニ・コンバットの傑作である。

冒頭から爆破シーンが続き、兵士たちの華麗なるバク転が印象的な訓練風景が映し出される。その後も見せ場となるアクションが続いて面白い。だが、中盤のスパイ映画らしい描写は演出が凡庸なためまだるっこくて少々退屈させられる。時折描かれる敵のドイツ軍将校ハンス(クラウス・キンスキー)をドイツ軍司令部秘書ではあるが実はスパイであるヘルガ(マーガレット・リー)が色仕掛けで誘い出すシーンは、マーガレット・リーのセクシーさを巧く描き出しており、二人が魅せるベッドシーンではマーガレットの全裸を直接映し出してはいないが、それでもエロティックな雰囲気を十分に醸成させており、この点は実に良い。終盤で観られる壮絶なガンファイトが最大の見所であり、ハイテンションでテンポも良くて見応えも十分だ。アクション映画としての面白さが存分に発揮されたシーンである。

他にもバスコ・マンクーゾのマカロニ・ウエスタン風の軽快で陽気な雰囲気の音楽やクラウス・キンスキーの悪役ぶりも印象的だ。

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オスロ国際空港 ダブル・ハイジャック

シェパード(ジョン・クエンティン)率いるテロリストたちによってイギリス大使館が占拠され、パーマー大使(ロバート・ハリス)たちが人質となる。その後、ロンドン刑務所から釈放されたシェパードの同志を乗せた飛行機がハイジャックされる。オスロ保安庁のタルビック大佐(ショーン・コネリー)とテロリストたちの攻防が繰り広げられる。

イングマール・ベルイマン監督作品で活躍したカメラマンのスヴェン・ニクヴィストによるニュース映像を彷彿とさせるドキュメンタリータッチでリアリティーを追求した映像が魅力的だ。

ショーン・コネリーが地味ながらも渋いイメージでテロ対策の大佐を好演。政府のお偉い方との相克を描いたシーンも注目するべきだ。政府がテロに対して無力であることに対し、タルビックは弱みを魅せず真っ向から立ち向かおうとする。タルビックとテロリストの攻防は連絡手段を中心に描いており、これが緊迫感を張り詰めさせた描き方で観る者をハラハラさせる。他のシーンでも同じような雰囲気を感じることができる。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽が効果的に使用され、サスペンスのムードを盛り上げると同時に緊迫感をより一層高める。

コネリーの名演、キャスパー・リードの演出、ニクヴェストのカメラ、ゴールドスミスの音楽によって渋味が引き立てられた硬派な仕上がりとなった上出来のサスペンスだ。

Photo

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コックファイター

闘鶏で負けたフランク(ウォーレン・オーツ)は、勝ってメダルを手にするまでは一切声を出さないことを決め、伝説の鶏“白い稲妻”を手に入れて猛特訓に明け暮れる。

ウォーレン・オーツが闘鶏に拘る男を殆どセリフ無しで表情と身振り手振りを中心に好演。闘鶏に熱中しすぎて妻に愛想を尽かされて逃げられてしまうというフランクの闘鶏マニアぶりは面白可笑しいが、セリフが少なすぎる分、男臭さと渋さが漂う寡黙な男というイメージが確立されて好印象だ。オーツはこの風変わりな役柄をかなり喜んだという。

見所はやはり闘鶏のシーンだ。風変わりな題材は地味でマニアックではあるが、興味深い。鶏同士のバトルは時には血生臭く、やや残酷な感じだ。この残酷さがアメリカでは問題となった。実際、闘鶏はアメリカの殆どの州で禁止されていたのである。

製作はB級娯楽映画のヒットメーカーであるロジャー・コーマン。監督はモンテ・ヘルマン。本作はコーマンの失敗作の一つでもあり、ヘルマンにとっても『断絶』(71)に続く失敗作となった。

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