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荒野のドラゴン

カウボーイに憧れてテキサスの街にやってきた上海ジョー(チェン・リー)は、極悪な農場主スペンサー(ロバート・ハンダー)と対決したことから次々と彼の一味に狙われ、戦いを続けながらも放浪する。

ブームが衰退したマカロニウエスタンに新たに世界中でブームが沸き起こった香港カンフーアクションを融合させた超異色のイタリア製B級娯楽アクション作品。

主人公の上海ジョーが様々な敵を蹴散らしていくという単純化された筋書きは、何も考えずに楽しめるということでこれがまず最初に挙げる良いポイントだ。あとの良いポイントと言えば、見所の多さぐらいだろう。荒唐無稽丸出しの漫画チックなケレン味を前面に押し出した描き方は実にぶっ飛んでいるという感じであり、これがB級娯楽作品らしさを遺憾なく発揮しているためその面白さを存分に堪能できる。それだけに登場する個性的な敵キャラたちもかなり印象的である。特にラストでジョーとバトルを繰り広げる赤い着物を着たチョンマゲ姿の忍者風の武士ミクリヤ(ミクリヤ・カツトシ)は、そのルックスのインパクトが強烈すぎるため観る者の目に焼き付くことは間違いないと言ってもいいほどだ。また、マカロニウエスタンならではのバイオレンス描写はドギツく描かれ、特に目玉抉りぬきに手首切断、剥がされた頭皮といったシーンは凄惨を極めた上に血生臭さを存分に感じさせ、まさに衝撃的な映像という具合だ。映像に隙が観られることも多々あり、それが原因で安っぽさを感じさせてしまったりカンフーと言いながらもやっていることは空手といったマイナスポイントやツッコミ所も多いため、アクションやバイオレンスだけでなくこのような部分を楽しんでみても良いだろう。

上海ジョーを演じるチェン・リーは、実は早川明心という名の純粋な日本人である。彼は元々はイギリスやイタリアで空手の指導員として活躍していたのである。ひょんなことがきっかけで本作の主演に抜粋されたとのことである。本作の二年後には志穂美悦子主演の東映空手格闘アクション『女必殺拳』シリーズの第三弾『帰ってきた女必殺拳』(75)に端役で出演し、志穂美や倉田保昭との共演を果たした。その後は再び渡英し、緩衝材の製造会社SANSETSUを設立し、経営していたが、05年に帰らぬ人となった。

とにかく何もかもが凄すぎるトンデモナイ珍作だ。

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