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阿修羅/ミラクル・カンフー

実際に両腕と両足が無いというサリドマイド児(アザラシ肢症とも言う)の二人の男が力を合わせて悪のボスと闘う姿を描いたトンデモナイ台湾製B級カルト・カンフーアクション。

カンフーの達人リー(シェン・サン・ツェン)は、悪党リン(リー・チュアン・ケン、この男がこれまた目の下がケロイド状で脊椎が港湾状態になっている!)の手によって両腕を切断されてしまう。一方、チャン(カン・チャオ・ミン)はリンの子分であったが、ある事をきっかけに彼の怒りを買ってしまい、両足に毒薬をかけられ、萎えさせられてしまう。ある日、リーとチャンは偶然に出会うが、元々二人は敵対関係ということでいがみ合うが、体が柔軟すぎる老人に説得され、二人はこの老人の下で拳法修業に精を出し、リンに復讐を挑む。

序盤では明らかに身体障害者差別と言ってもいいような酷いシーンが観られる。特にリーが定食屋で食事をする際、店員が鶏モモ焼きを食べさせようとするがおちょくってなかなか食べさせず、それを見ている客たちも馬鹿にしているかのように爆笑し、挙句の果てには店の用心棒にボコボコにさせられてしまう。このシーンは、リーと同じような人から観れば、かなりお気の毒であり、健常者から観ても良心が痛むことだろう。そして、空腹に堪えかねたリーは、犬餌である飯粒を食うが、犬に激しく吠えられたことで諦め、ついに豚小屋に侵入して豚餌を食う。実に過激な描写だ。また、リーとチャンの修業シーンも興味深いが、これも人によっては身体障害者虐待とも思えるだろう。

酷いシーンばかりが取り沙汰される作品ではあるが、リーとチャンが協力して驚くほどの凄いカンフーで敵をビシバシと蹴散らすシーンは、胸のすくような面白さを感じさせられる。特にリーが屈辱的な目にさらされた定食屋の店員と用心棒を二人でボコボコにするシーンは、実に気持ちが良く、爽快感すら覚えてしまう。ラストでリーとチャンがリンと壮絶な激闘を繰り広げるが、このシーンで観られる二人の合体技が最大の見所となり、これがまた面白いのである。

本作は、81年に松田優作主演作『ヨコハマBJブルース』の併映として公開された。88年には、にっかつ(現・日活)よりビデオがリリースされた。だが、このビデオは既に廃盤であり、なおかつ入手困難でもある。国内のネットオークションではかなりの高値で取引されるかなりレアな商品である。そして、本作は今となっては伝説的な珍作として多くの人々に語り継がれている。本国では二本の続編とTVドラマ版も製作され、DVDに関しても全三作がしっかりとリリースされている。日本でのDVD化は今のところかなり厳しそうだ。どうしてもDVDで観たいという方は、輸入版を取り寄せるしかないだろう。

日本公開時のキャッチコピー「やればできる!」は確かに言えているが、そんなことよりも作品の問題性や話題性ばかりに注目したくなる。

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