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地獄の天使 紅い爆音

70年代に量産された東映の女ヤンキー映画及び暴走族系アクション映画の末期に該当する作品。

“カミソリのヨーコ”と呼ばれる女ヤンキーの耀子(入鹿裕子)は、朝子(内藤やす子)がヴォーカルを担当するバンドのギタープレイヤーとして凄腕のロックビートを鳴らす貢(小野進也)と愛し合う仲だった。ある日、耀子と敵対する女ヤンキー四人組が争っている際に貢も巻き添いを喰らい、ゴールドフィンガーと呼ばれた彼の左小指が切断されるハメになる。これにマジギレした耀子は相手の一人をカミソリで殺害し、栃木刑務所に三年間入獄する。出所した耀子は、朝子から貢が横須賀で暴れているという噂を聞いてすぐさま横須賀へ赴く。その後、左小指が無い男を見つけて後を追うが、その男は貢ではなく、指名手配されている暴力団組員の寒河江(舘ひろし)だった。

今となっては異色と言えるキャスティングが面白い。主演の入鹿裕子は、当時ユニークな個性で売り出されていた新人女優でクレジットにも新人と表記されている。短髪で独特の表情(特に目元)が印象的であり、美女とは言い難いが胸を露出したり性交シーンを体当たりで演じたりという具合に新人さながらの演技力の乏しさをこれでカバーしているという感じだ。また、セリフ廻しがクールな印象を与え、見た目と相まっていてなかなか良い感じだ。朝子役の内藤やす子は本作が映画初出演であり、セールスポイントであるパンチの利いた独特の低音ボイスで主題歌と挿入歌も担当している。寒河江役の舘ひろしは、レイバンのサングラスに片手にライフル銃を持っていたりと後のTVドラマ『西部警察』で演じる巽刑事を思わせる風貌でファンは必見だ。他にも初々しさが印象的な森下愛子(本作で女優デビュー)、終盤で再登場して観る者を驚愕させてくれる小野進也、極悪ぶり全開の成瀬正(現・成瀬正孝)と言うように各キャラクターが実に魅力的であり、とにかく彼らの演技の上手い下手に関してはどうでも良いように思えてくる。

内容は、タイトルから連想すればアクション映画だと思えるが、アクションシーンはかなり控えめであり、どちらかと言えば青春、恋愛の比重が大きい。だから、アクション映画として観るよりも青春映画、恋愛映画として観る方がストーリーも面白く感じられるのである。適度なバイオレンス描写、性描写、77分の上映時間とB級娯楽映画らしさがしっかりと三拍子揃ったお得な一本である。

「あの人は今」番組で入鹿裕子の現在を探っていただきた。

【70点】

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