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任侠秘録 人間狩り

サブカル界の大御所として知られる杉作J太郎が創設した映画製作会社「男の墓場プロダクション」の記念すべき第一弾作品。

新宿に女を拉致して男に斡旋する犯罪組織が存在する。ある日、飯島(飯島洋一)という謎の男が客としてこの組織のサービスを利用。飯島は関係者と共に女の居所である熱海まで車で移動。その後、いろいろなことがあってやっと熱海に到着するが、飯島は謎の男たちに襲撃されそうになるが、持ち前の腕力で彼らを蹴散らす。この犯罪組織の正体が解明されると飯島はすぐさま彼らの心意気を買って仲間にし、彼らが怨みを抱く新宿の暴力団の挺身会を壊滅させようと動くが、挺身会は関西の巨大暴力団との話し合いが持たれていた。

各業界から異色のキャストが集結しているが、その殆どが杉作監督の人脈であり、低予算ということもあってノーギャラで出演している。主演の飯島洋一は、70年代に本格的な自主製作アクション映画を製作、主演した日本インディペンデント映画界の強者役者。他にもロマンポルシェ(掟ポルシェ、ロマン優光)、ラッパーの宇多丸(ライムスター)、プロ書評家、プロインタビュアーとして多数の雑誌で連載を担当する吉田豪、プロレスラーの新宿鮫、「絶滅危惧ビデオ大全」の著書であるライター兼デザイナーの植地毅(“餓血毅”名義で出演)らに加えてTVでもお馴染みの岡元あつこや蛭子能収までもが登場。この顔ぶれを観ているだけでも不思議な面白さが感じられる。それにしてもいかにもサブカルチャー色が濃すぎでかなりマニアックだ。

映像はTVの深夜枠のドラマという感じでいかにも自主映画らしい出来栄えではあるが、魅せるところはしっかりと魅せており、血生臭いバイオレンスアクション、コメディー要素が満ち溢れた少しおバカなトーク、男の美学を感じさせるラストシーンという具合にツボが押さえられていて素直に面白く思えるのが実に良い。中でもロマン優光が殆ど全裸状態で飯島に股間を踏みつけられるシーンは観る者の目に焼き付くこと間違いなしの名シーンであり、これはロマンが川谷拓三のようなヤラレ役を演じてみたいということで実現したシーンで杉作監督お気に入りの深作欣二監督作品『県警対組織暴力』(75)にオマージュを込めていることもわかる。終盤の殴り込みで飯島がショットガンで親分衆を撃ち殺すシーンの70年代バイオレンスアクションさながらの血生臭さとパンチの利いた豪快さ、さらにはこの凄まじすぎる様子に思わず嘔吐するギンティ小林(本業は映画ライター)というグロテスク描写を盛り上げるシーンという具合にとにかく強烈な面白さで仕上がった見せ場となっており、日本映画にはこのような面白さがもっと必要だということを改めて実感させられた。

上映時間は73分。サラっと楽しむことができるかなりお得な娯楽作品である。

【65点】

任侠秘録 人間狩り DVD 任侠秘録 人間狩り

販売元:キングレコード
発売日:2006/11/08
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