ゲシュタポ卍<ナチ>収容所
鬼畜系変質者のユダヤ人収容所々長と元女囚が収容所の廃墟で再会する。この二人の姿とかつて収容所で行われていた残虐非道な女性虐待の模様を交互に描く。
ナチ収容所での女性虐待を描いた悪趣味系残酷エロス作品『イルザ』シリーズの第一弾『ナチ女収容所 悪魔の生体実験』(76)の影響を受けており、それと同時に『愛の嵐』(73)と『ソドムの市』(75)のテイストを盛り込んだ作品。亜流モノを得意とするイタリア娯楽映画は、エロス作品においても亜流モノを作り出したのである。
残虐性を追求した描写の連発に関しては、残酷描写がお得意のイタリア製娯楽映画らしい出来栄えだ。それにしても見所となるエロスとクレイジーかつサディスティック丸出しのハードコアバイオレンス描写は、強く印象に残るほどドギツく描かれたシーンが二、三あるが、演出が凡庸でまだるっこいため、巧く活かすことができていない。『イルザ』シリーズに比べるとはるかに劣っているのだ。時折、芸術かぶれしたシーンも観られるが、変なシーンが多いためか正直悪いとは思えない。このシーンを観ていると、チェザーレ・カネヴァリ監督は悪趣味エロス作品を撮らずに少しでも努力してマトモな作品を撮った方が良かったのではないかと思えたほどだ。後半になるにつれて面白さが大幅にパワーダウンしてしまい、これが実に痛すぎるのである。
女囚映画を極めたい方にオススメしたい作品だ。
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