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ローリング・サンダー

ベトナム戦争で8年間の捕虜生活から帰還した空軍少佐レーン(ウィリアム・ディベイン)は、自身に贈られた銀貨を狙ったメキシコ人窃盗団に右手首を粉砕された上に妻子を殺害される。堪忍袋の尾が切れたジョニーは、かつての戦友ジョニー(トミー・リー・ジョーンズ)とともに復讐するべく敵地に乗り込む。

本作は、脚本のポール・シュレイダーが『タクシー・ドライバー』(76)同様のベトナム戦争後遺症をネタにしながらも自身のお気に入りである日本の任侠ヤクザ映画のテイストを踏襲したバイオレンスアクション作品。

ウィリアム・ディベインが度胸の据わった寡黙な男を好演。作品そのものがドライで静寂なタッチで描かれていることが多いが、時にはレーンの激しいアクションが観られたりという具合に静と動を巧く描き分けている。耐えに耐えたレーンが怒りを爆発させて敵に立ち向かうという展開は、まさに鶴田浩二、高倉健、若山富三郎らが活躍した東映の任侠ヤクザ映画そのものだ。グラインダーで砥ぎすまされた義手の爪と銃身を切り詰めたショットガンを武器に戦友ジョニーとタッグを組んでエルパソの売春宿に潜伏している窃盗団を蹴散らしに向かうクライマックスでバイオレンスアクションとしての面白さが一気に大爆発する。手応えのある強烈なバイオレンス描写はまさに上出来であり、観る者の気分をスカッとさせる。

クエンティン・タランティーノ監督にとっては、何度も繰り返して観たというほどの大のお気に入りの作品であり、彼が創立した配給レーベルの社名は本作からそのまま頂いたものであると同時に作品そのものも本国でリバイヴァル上映させた。

ちなみに監督のジョン・フリンが二年後に製作したジャン=マイケル・ヴィンセント主演作『摩天楼ブルース』(79)も本作と同趣向のテイストの作品である。

アメリカの寡黙な男もやはりかっこよく、男性の男心をしっかりと揺さ振らせてくれる。本作のウィリアム・ディベインは、鶴田浩二、高倉健、菅原文太、渡哲也らとかなり良い勝負をしている。個人的には、アメリカン男気系アクション映画スターのチャールズ・ブロンソンと競演して寡黙演技合戦をやって欲しかった。

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