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侠客道

関西のある街で任侠道を全うする昔気質の暴力団石田組と悪辣な暴力団寺光組が対立していた。寺光組は大組織の城西会をバックにつけ、石田組を吸収して更なる勢力の拡大を狙うが、組長の石田(石丸健二郎)と若頭の伊吹(安藤昇)はこれに大反対。抗争は更にヒートアップする。そんな折、かつて石田の世話になった検察官の中上(天知茂)が東京から来阪するのだが・・・・・・。

本作は、スーツ姿で拳銃を主な武器とする現代ヤクザの抗争劇をアクション色を押し出して描いているが、基本となっているフォーマットは従来の任侠ヤクザ映画のテイストである。

元ヤクザの映画スターとして有名な安藤昇。ヤクザ時代の安藤は従来の任侠ヤクザの堅苦しく思えるしきたりに捉われず、粋なファッションセンスに拘る一面があったりといった時代の最先端を行く異色のヤクザとしてカリスマ的な存在であった。そんな安藤が本作では任侠ヤクザならではの掟に忠実で義理人情に厚い侠客を好演。衣装は、安藤のイメージを崩すことのないようにシンプルな黒スーツをしっかりと着させた上で侠客らしくするために着物を着させている。イメージ通りとは違った安藤の姿が興味深く、これが魅力の一つとなっている。

脇を固める役者たちのキャラクター設定及び描写が強く印象に残り、これがまた面白い。まずは一番の重要人物である天知茂扮する検察官の中上は、かつて石田に大学卒業の面倒まで見てくれたにも関わらず、娘の織江(小畠絹子)に求婚した際に組員の手によって小指を切断された一件でヤクザを腹の底から嫌って再会した伊吹や石田を煙たがり、暴力団壊滅だけを目標に突っ走る。次の重要人物は、小池朝雄扮する石田組組員の北見だ。ある事がきっかけで石田組から敵対する北見組に寝返り、石田をドスで刺殺し、その後は寺光組の傘下団体として自身の組織を創設しようとする。この二人の男がストーリーを面白くさせていると言っても良いだろう。

鈴木則文監督の演出が結構気が利いているので観ていて普通に面白く思える。寺光組々員が車に乗って銃を乱射しながら石田組事務所を襲撃し、その際に伊吹がガソリンを撒いて車を炎上させるシーンにはじまり、街での両組織の大バトルシーン、北見組発会式に乗り込んだ伊吹が寺光(渡辺文雄)と北見の命を取るクライマックスといった見せ場作りは巧く、アクションとバイオレンスの面白さを存分に満喫できる。特にクライマックスで伊吹が北見らを追い詰めるシーンのカメラが伊吹の目線で捉えているというような工夫を施した映像作りも評価すべきポイントだ。鈴木監督ならではのナンセンスなコメディーテイストやセクシーサービスは味わえないが、これらをふと思わせるようなシーンは多少は観られる。

安藤昇の異色的な魅力がとことん発揮されている本作。劇中では安藤歌唱の同名タイトルの主題歌が聴けるが、これがまた男の中の男らしさを感じさせてくれる。CD化されていないため、本編で存分に味わうことをオススメしたい。

【75点】

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