« マーキュリーマン | トップページ | レッドライン »

バニシング (ダーティ・デカ まかりとおる)

ローマを舞台に警察特捜部に所属するトニー(レイモンド・ラブロック)とアルフレッド(マルク・ポレル)の若手刑事二人が暗黒街のボスであるバスクイニを非情な捜査で追い詰める。

冒頭で女性のバッグをひったくりした犯人をトニーとアルフレッドがバイクで追跡するバイクチェイスが観られる。車と車の間を猛スピードですり抜けたり人を巻き込みそうになったりするような暴走ぶりは、危険な香りを漂わせた上にスピーディーに描いているため、かなり面白く仕上がっていて観る者にスリルと興奮を堪能させてくれる。当時のこの手の作品ではカーチェイスが主流だったが、本作では乗用車ではなくバイクという点が一見変わっている。でも、今となってはバイクチェイスを描いたアクション作品は多く存在するので特に珍しいことはない。

何といってもトニーとアルフレッドの度が過ぎたアウトロー刑事ぶりが魅力的だ。犯罪者には手錠を掛けることはなく、絶対に射殺してしまう。そして、事件に関係のある女の家に無理矢理侵入し、すぐさま性行為という具合にとにかくやり過ぎている。そんな彼らのハチャメチャな活躍は、痛快さが満点で実に面白い。主人公二人の描き方がこのような感じなので登場する敵キャラたちも凶悪犯丸出しで描かれている。冒頭のひったくり犯も立てこもり犯三人組もバスクイニとその手下たちもみんな極悪バイオレンスを魅せつけている。とにかくバイオレンス描写は徹底された描き方となっているため、さすがはイタリア製娯楽映画だと納得できる。それにしてもテンポはかなりゆったりとしていることが多くてマイペースな感じだと思えてしまうことがマイナスポイントとなるが、荒唐無稽ならではの面白さを思う存分に味わえるのでそれだけでも十分に良いと思う。

監督はルッジェロ・デオダートで後に『カニバル/世界最後の人喰い族』(76)や『食人族』(81)といったカニバル系ホラーを世に放つが、本作でもその予兆を感じさせるような悪趣味なシーンがごくわずかではあるが観られる。

|

« マーキュリーマン | トップページ | レッドライン »

外国映画 は行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/64198/22209374

この記事へのトラックバック一覧です: バニシング (ダーティ・デカ まかりとおる):

« マーキュリーマン | トップページ | レッドライン »