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世界最強の格闘技 殺人空手

東映の空手アクション映画で悪役として活躍したプロ空手家・大塚剛が1973年に九州を拠点に設立した“プロ空手”。大塚と彼の元に集まった強者たちの姿を追ったドキュメンタリー作品。

本作の見所と言えば、何と言って珍妙なシーンの数々だ。漫画やアニメのキャラクターのような風変わりな名前の選手たちが魅せつけるクレイジーな行動が笑いを誘い、面白い。

まずは、大塚による猪豚殺しだ。襲って来る訳でもない猪豚に大塚が拳と手刀を叩きつけ、とどめにサイで一突きと如何にも動物虐待を堂々と披露する。次は、バッファロー・弁慶というスキンヘッド男が修行のついでに魅せつけるマムシ殺しだ。マムシを発見した弁慶が手にとって地面にバチバチと数回に渡って叩きつけ、その生き血を吸い尽くす。これがインパクト大の強烈シーンなのである。弁慶の顔からはクレイジーな形相がとことん伺え、一度観たら忘れられないほど印象深い。

他にも日頃は生肉店勤務の紅幸司が売り物である肉を素手で掴み、握力強化トレーニングに励むというツッコミ所と呼ぶに相応しいシーンや博多の飲み屋で金を支払った選手が突然数名の地元愚連隊に喧嘩を売られて店外で大乱闘を繰り広げたりといった珍プレーと呼ぶに相応しいシーンが試合シーンと同時に魅せつけられる。前半だけでもこのようなレアな面白さを満喫することができる。

その後は、試合シーンや過酷な修行シーン(木に吊るされた選手が数名の選手に棒で叩かれまくったりというリンチまがいのトンデモナイ修行内容が観られる。)が紹介される。

後半の内容は、大塚が自信の強さを証明するべく香港、マレーシア、ネパールの三国武者修行の模様を追う。この後半でも珍妙でインパクト大の強烈なシーンが観られるが、中でも最後のネパール篇では問題視されるような究極にトンデモナイようなシーンを魅せつけてくれる。それは、クライマックスの大塚と仮面男の一戦であり、仮面男は大塚の一撃によって命を落とすというものである。挙句の果てには火葬されるところまで魅せつけてくれるのである。とにかく本作はかなりぶっ飛んでいる。

最後の最後までプロ空手の狂った恐ろしさと強さをアピールしたことによって大塚剛の空手は世界最強の格闘技であることを証明したのである。

本作はドキュメンタリーであるが、ツッコミ所の多い珍プレーの数々や小林恭治の「鍛錬を怠った選手は廃人となってしまう」といったリアリティーを欠いたナレーション等から考えてみるとどう観てもフェイクドキュメンタリーだと思える。最初からドキュメンタリーとしてではなく、大塚主演の空手アクションドラマとして製作していた方が良かったのではとないか思える。本作をドキュメンタリーにしたのは、同年に製作された大山倍達の極真空手を記録した『地上最強のカラテ』の影響だと考えられる。同時にイタリア製モンド映画の影響も少なからずあるようでもある。

【65点】

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