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エグザイル/絆

舞台は中国返還が迫るマカオ。香港マフィアのウー(ニック・チョン)は、ボスのフェイ(サイモン・ヤム)を裏切って逃走し、今では妻と赤ん坊と暮らしている。ウーの家の前に四人の男が現れる。フェイにウーの殺害を命じられたブレイズ(アンソニー・ウォン)とタイ(フランシス・ン)、ウーを守ろうとするキャット(ロイ・チョン)とファット(ラム・シュ)。ウーと四人の男たちは、少年時代から仲が良く、共に過ごしてきた仲間であった。五人が揃ったときに凄まじい銃撃戦が繰り広げられるが……。

監督はジョニー・トー。同監督の『ザ・ミッション/非情の掟』(99)の主要キャストを再結集させ、監督は正式的な続編ではないものの続編を意識して製作したと言う。本作の驚くべきポイントは、脚本がまったくないということだ。その上に撮影スケジュールも決まっておらず九ヶ月の歳月を掛けて完成させたのである。

ストーリーは二転三転するが、これは恐らく脚本なしの監督の気ままな思いつきによるものだと捉えることができる。

アクション映画としての見せ場は、やはり随所に散りばめられた銃撃戦だ。特に中盤あたりで観られる多数のマフィアたちが発砲し、スローモーションで描いた華麗なる銃撃戦絵図は、スタイリッシュな映像がさらに洗練されてカッコよさをグンとアップさせた上に、芸術的な銃撃戦とも思えるような出来栄えとなっている。銃撃戦の数々はとにかく観る者を圧倒させ、存分に楽しませてくれること間違いなしだ。

男たちの絆と運命といった主たるテーマの描き方にも面白さが感じられる。特にウーが死んでからブレイズ、タイ、キャット、ファットが漂流するが、ここで観られる軽いワルふざけは学生時代のバカ騒ぎを思わせ、ユーモアな描き方が微笑ませてくれる。彼らが本当に昔から仲が良かったことや、今でも少年時代の心を持ち合わせていることを証明しているようだ。また、このシーンは風景と見事にマッチしていてノスタルジックな雰囲気がとても味わい深い。

かつてのマカロニウエスタンやバイオレンス・アクション仕立ての西部劇の名作『ワイルドバンチ』(69)を意識した作風は、本作が描く男の絆というテーマに相応しい。これぞ男の美学、男気映画の傑作と言い切れる作品だ

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