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デス・レース

無名時代のシルヴェスター・スタローンが出演していたことでも知られるカルト的なB級カーアクション映画『デス・レース2000年』(75)を、ポール・W・S・アンダーソンが新たなる世界観を形成させてリメイクした。

最悪な経済状況によって失業者と犯罪者が増加し続ける2012年のアメリカ。刑務所は民間企業によって運営される仕組みとなる。孤島のターミナル・アイランドという名の刑務所は凶悪犯ばかりが収容されており、そこではデス・レースなるものが開催され、ネットの有料中継番組によって多くのファンを寄せ集めて儲けていた。ある日、妻殺害の濡れ衣を着せられた元レーサーのエイムズ(ジェイソン・ステイサム)がこの刑務所に投獄され、覆面男フランケンシュタインとしてこのレースに挑戦することとなる。

オリジナル版で描かれたような不謹慎な感覚やブラックユーモアは皆無であるが、アクション描写だけは本格的でド派手な感じに仕上がっているので、それだけでも存分に面白さを味わえる。

三段階に分けられたレースで囚人たちが運転する車は、マシンガンを搭載させた装甲仕様である。近年のこの手の作品は、カッコいいデザインでチューンアップされたスポーツカーが主流だ。オリジナル版は奇抜なデザインのモンスターっぽい感じのスポーツカーだった。本作ではそれらと違って地味な感じであるがクールでカッコいいと思える銃器搭載で装甲仕様の車で統一されており、これがまた趣向を凝らしているように思えると同時に珍しいとも思える。

とにかく随所に散りばめられたカーアクション、車に搭載されたマシンガンの乱射による銃撃戦、爆破シーンがダイナミックに描かれていて見応えは十分だ。第二ステージの途中から『激突!』(71)のタンクローリーをパワーアップしたような、『バトルトラック』(82)や『西部警察PART- Ⅲ』(83~84)第48話「撃追!!地を走る三億ドル‐大阪・神戸篇-」に登場するモンスタートラックを、遥かに超越するような装甲仕様でマシンガン搭載の大型トレーラーの登場は観る者を圧倒させ、さらにアクションの面白さを倍増させる。時折観られる残酷バイオレンス描写もインパクトが強いため印象深い。このような見せ場作りは、本当に巧いと頷ける。

主演のジェイソン・ステイサムはB級アクションスターとしてのイメージがやや強いが、B級ムード丸出しの本作に出演したことによってさらにステイサムはやはりB級アクションスターであることに納得できる。劇中では筋肉美をチラホラと魅せつけ、これが男臭い風貌と見事にマッチしていて実にカッコいい。彼がここまで良いガタイを披露したのは、恐らく本作が初めてだろう。また、彼ならではの体を張ったアクションはごくわずがしかないが用意されている。ファンからしてみればこの部分をもっと描いて欲しかったのではないだろうか。

映像は彩度を落としているためやや暗めである。本作で描かれている世界は、まさにアウトローな世界であり、この暗めの映像がアウトローな世界が持つダークな雰囲気をほんのりと醸成していて、ワルの魅力を一段と引き立てているとも捉えられる。

ラストでエイムズとライバルのマシンガン・ジョー(タイリース・ギブソン)の男同士の友情が観られ、これが良い気分にさせてくれる。

本作は、とにかくアクション映画ファンの男性にはウケが良いだろう。迫力満点のアクションと男臭くてカッコいいステイサムを存分に堪能すべきだと言いたい。

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