« 謹賀新年。 | トップページ | カタストロフ/世界の大惨事 »

花と嵐とギャング

“キング・オブ・カルト”と称される石井輝男監督が新東宝倒産後、初めて東映(厳密に言えばニュー東映)で撮った本格的和製ギャング・アクション映画で後に「ギャングシリーズ」として九本の続編が製作された。

凄腕の女傑として知られる安宿のオーナーであるまさ(清川虹子)と長男の香港ジョー(鶴田浩二)、次男の正夫(小川守)、長女の佐和(小宮光江)とその亭主であるスマイリー健(高倉健)で構成される悪党一家が存在した。スマイリーは、仲間のツンパ(沖竜次)から彼を蹴落とすべく計画している銀行強盗の指揮を任される。スマイリーは嫌がる正夫をはじめ、分け前倍増目的でお互いが犬猿の仲である楽隊(江原真二郎)とウィスパー(曽根晴美)らを仲間に加えて入念に計画を練る。その後、計画通りに銀行を襲撃し、成功したかのように見えたが・・・・・・。

本作の見せ場は、銀行強盗シーンとラストの銃撃戦である。前者はサスペンスタッチで緊迫感を漂わせていて観る者をハラハラさせ、その後の展開を気掛かりとさせる。しっかりと意外な展開を用意して面白さに工夫を施して磨きを掛けていることも今となっては珍しくないが面白いことに違いはない。後者は、高原での大銃撃戦であり、これが一番の面白さである。高原を舞台にしたことによってギャングアクションから西部劇アクションへと雰囲気が変わってしまうが、これはこれでアクション映画としての面白さを巧く引き出していると捉えることができるので良いと言える。このシーンを観る限り、当時の日活アクション映画の売り物の一つであった“無国籍アクション”に対抗するためにこのような描写を追求したと思える。高倉健、鶴田浩二らが魅せるガン裁きは本当にカッコよく、日活アクション映画の小林旭、宍戸錠、二谷英明らと良い勝負をしている。

他にもモノクロ映像、登場人物のファッション、小道具の拳銃、バーのセット、BGMのジャズ音源等がお洒落なムードをほんのりと醸成させており、今観るとレトロな味わいが魅力的でこれを存分に堪能できることが良い。古いからと言って侮れないポイントの大きな一つだ。

主演の高倉健と石井監督は本作で初めて顔を合わせたのである。この出会いから四年後、石井監督が新東宝時代から企画していた『網走番外地』(65)を健さん主演で完成させ、健さんはトップスターの座をモノにした。

【55点】

花と嵐とギャング [DVD] DVD 花と嵐とギャング [DVD]

販売元:TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
発売日:2009/01/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 謹賀新年。 | トップページ | カタストロフ/世界の大惨事 »

日本映画 は行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/64198/26944875

この記事へのトラックバック一覧です: 花と嵐とギャング:

« 謹賀新年。 | トップページ | カタストロフ/世界の大惨事 »