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北国の帝王

アメリカ全土が大不況の真っ只中の1933年。失業者は浮浪者と化し、ホーボーと称されて社会ののけ者にされていた。彼らは列車のタダ乗りをして全土を移動していた。だが、彼らは19号列車だけは乗らないようにしていた。なぜなら、そこの車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)は無賃乗車は絶対に許さず、見つけるとすぐにハンマーで殴り殺すという冷酷極まりない男だからである。ホーボーの中に“北国の帝王”と称されるAナンバーワン(リー・マーヴィン)がこの列車のタダ乗りに真っ向から挑戦する。

男性向け映画の巨匠ロバート・アルドリッチとリー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナインという男臭くて武骨な二大スターによる骨太な娯楽アクション映画の傑作だ。

見所はやはりAナンバーワンとシャックの激突だ。はじめのうちは二人の闘いも大した描き方はされないが、ストーリーが進展するにつれて除々にヒートアップし、クライマックスで決死のバトルが繰り広げられる。Aナンバーワンが材木と斧、シャックがハンマーとチェーンという具合に両者が武器を駆使して意地をぶつけ合って闘う姿に目を見張らされ、ハラハラドキドキさせてくれる。この初老のオヤジのバトルをここまでエキサイティングに描いた点は、今観ても珍しく思える。面白く仕上がった点は、二人の役者に男臭さという魅力とインパクトが強い存在感があるからこそだと言っても良いだろう。

男同士の対決をメインに描く一方でAナンバーワンと生意気な若者シガレット(キース・キャラダイン)の友情めいた描写も観られ、これがまた男性向け映画に相応しい。元々は仲が悪かった二人。シガレットは持ち前の達者な口調と若者ならではの生意気さが印象的だ。自分こそが19号列車を制覇し、ナンバーワンになるとほざいてAナンバーワンと共に行動する。この模様をロードムービー風に描いている。そんなシガレットもいざというときにはほとんど何もできず、本当に口だけの男なのである。最終的には、Aナンバーワンから現実を見させるべく目を覚まさせてやるという感じで列車から放り落とされてしまう。劇中では役立たずだったシガレットは、映画を面白くさせるためには結構役立ったのである。

ちなみに本作は、元々はサム・ペキンパーが企画していたが、プロデューサーとのいざこざが原因で降板してしまったのである。ペキンパーが撮っていれば、ラストの見せ場は強烈なバイオレンスを徹底的に追求した凄まじい仕上がりになっていただろう。

【80点】

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