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2009年4月

ゾンビ・ストリッパーズ

第四期目に突入したブッシュ政権。戦争は各国で続けられている。だが、兵力は不足状態へと陥り、これを機に軍とW産業は死者を甦らせるゾンビウイルスを開発する。だが、研究所内でウイルスが蔓延し、感染者はゾンビとなって増殖していく。ゾンビを蹴散らすべく乗り込んできた兵士も感染してしまい、その一人が違法ストリップ劇場に逃げ込む。そこの人気ストリッパーのキャット(ジェナ・ジェイムソン)がゾンビに噛まれてからは、劇場がとんでもないことになってしまう。

ゾンビ映画とストリップ系ソフトポルノが融合し、両種の面白さが巧く絡み合っている。そこにアクション描写やちょっとしたコメディーテイストも加味して面白さに磨きをかける。

序盤では兵士たちが銃やマシンガンでゾンビを撃ちまくるというよくありがちなシーンが観られ、これはこれで面白く観られる。その後は、成人男性にとっては嬉しく思えるジェナ・ジェイムソンらのセクシー度満開のショータイムが連続する。ポルノ界のトップに君臨していたジェナのナイスバディーな美裸身を存分に味わえる一方、ストリップ経験のある彼女が魅せるポールダンスは圧巻だ。彼女がゾンビ化してからは、凄まじい能力を身につけ、ハイテクニックなショーを披露し、観る者を驚かせる。観客であるエロ男が彼女に引っ張り出されて個室で恐ろしくて痛々しいセクシーサービスを受けてゾンビ化し、さらにジェナに続いて二人のストリッパーがゾンビ化する。客も彼女たちのセクシーサービスによってだんだんゾンビ化していく。恐怖とパニックにまみれたこの劇場は何故か大繁盛し、ロバート・イングランド扮する悪徳オーナーが荒稼ぎしていく。三人のストリッパーの容姿がゾンビ化してからは、ゾンビ映画ならではのグロテスク描写がさらに強調され、面白さもヒートアップしていく。ラストは、序盤に登場した兵士たちが再登場し、劇場内のゾンビ軍団を銃で蹴散らしていく。

史上最低の映画監督エド・ウッドが脚本を書いて製作したB級ならぬZ級ストリップ・ホラー『死霊の盆踊り』(68)が甦ったかのような作品であるが、面白さは本作の方が遥かに上である。

エロ・グロ・ナンセンスを魅力的に描ききった本作は、低俗な作品であることに間違いはないが、しっかりと楽しめる作品として仕上がっているのが何よりも良い。

【75点】

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狂った野獣

舞台は京都。銀行強盗をミスしたサブ(川谷拓三)とトシ(片桐竜次)が路線バスをジャックする。人質となる様々な乗客の中には、視覚障害が原因でプロドライバーの道を閉ざされてしまった宝石強盗犯の伸(渡瀬恒彦)もいる。バスはパトカーや白バイに追われながらも突っ走る。

深作欣二監督と渡瀬恒彦のタッグで生み出された和製カーアクションの傑作『暴走パニック 大激突』(76)の影響を受けたかのような形で中島貞夫監督が撮り上げた本作は、主演の渡瀬をはじめ、ピラニア軍団ばかりのキャストと派手なカースタントといった共通点が多い。

当時の外国映画ではカーチェイスを売りモノにしたアクション作品が多く量産され、日本でもこれに便乗して本作と『暴走パニック~』を生み出したと捉えられる。

序盤はバス内での密室劇を魅せつける。乗客たちの豊かな個性を浮き彫りにしているのがミソであり、これが面白さを増している。ブチギレする二人の犯人と乗客らが繰り広げるアナーキー、パニックをコミカルな雰囲気を少々交えて描く。特に自己主張して騒ぎまくる若い女、このような状況にも関わらずラジオの競馬中継に熱中する土木作業員、不倫関係にある教師と教え子の母がこれを機に不仲になったりといった様々な人間模様が印象深くて面白い。

後半は、見せ場のカーアクションをしっかりと魅せつける。追ってくるパトカーは横転、クラッシュ、爆破炎上し、バスは養鶏場に突っ込んで車内がチキンまみれになったりする。中島監督のパンチの効いた迫力満点のアクションシーンは、観る者にインパクトを与えられるような描き方となっており、作り方の巧さに関しても思わず舌を巻くほどだ。カーアクションならではのスリルとスピード感も存分に味わえ、まさに痛快だ。

渡瀬恒彦が本作のために大型特殊免許を取得し、自身が握るハンドルでバスを見事に横転させたのである。渡瀬を慕うピラニア軍団の川谷拓三、志賀勝、野口貴史もこの危険なスタントに付き添ったのである。

全国区になる前の笑福亭鶴瓶、要注意歌謡曲としても知られる自身の持ち歌「小便だらけの湖」を熱唱する三上寛といった端役の存在は、今となっては非常に貴重だ。

78分という短い上映時間内に面白さを存分に凝縮させているのでアッと言う間に時間が過ぎてしまう。

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マックス・ペイン

20世紀フォックス社が昨年の『ヒットマン』(07)に続いて再びゲームが原作のガンアクションを世に送り出した。

ニューヨーク市警の未解決事件班は訳ありの汚職刑事が集まっており、そこに所属するマックス・ペイン(マーク・ウォールバーグ)は、愛する妻子を殺害され、苦心しながらその犯人を追い続けている。

ダークな雰囲気を漂わせたクールな映像、顔にもタトゥーが彫り込まれた怪しげな敵、物語の重要な要素である新種のドラッグに羽のタトゥー。これらがアウトローの世界観を形成し、スタイリッシュな魅力を発揮させている。

序盤から中盤までは主人公マックスの活躍をサスペンスの連続とちょっとしたアクションを挟んで描く。そこに羽を持った不気味な悪魔が宙を舞う幻想が観られ、観る者に興味を抱かせる。特にサスペンス描写は、刑事映画らしい仕上がりとなっており、その面白さを汲み取れる。

中盤以降は、本作の狙いであるガンアクションが展開され、クライマックスまで多くの見せ場が用意される。

マックスの身辺で起きる連続殺人事件と妻子殺人の関係が死んだ妻ミシェルの元勤務先にあると睨んだマックスは、大手製薬会社に向かう。ここで第一の見せ場となる大銃撃戦が繰り広げられる。武装した警備員軍団が撃ちまくり、マックスが負けじと応戦する。屋内のスプリンクラーから水が噴き出し、ガラスが勢い良くド派手に粉砕する。とにかくこの壮大なバトルは最高の迫力が感じられ、手に汗を握って楽しめる。

そして、最終決戦はマックスがある事をやらかして臨むが、このある事が観る者をあっと驚かせる。これに共感できないという方もいるかも知れないが、捉えようによってはありとも言えるだろう。クライマックスでは、ド派手な銃撃戦とともに羽を持った悪魔による幻想が融合し、ゲームの持ち味がリアルな映像によって巧く表現され、パワフルで迫力満点の面白さを存分に味わえる。ビルの爆破シーンがしっかりと用意されているのも良い。

本作の特徴として、ゲームで観られる“バレット・タイム”映像を再現させるべく最新のスロー映像専用カメラを駆使して従来のアクション映画とは違ったスローモーションで銃撃戦を描いている。この趣向も大いに認めるが、それよりもテンポ良く描かれた凄まじい描写の方が好印象で面白い。

ジョン・ムーア監督は、エンターテイメント要素を最大限に発揮させたアクション演出に成功し、胸のすくような醍醐味が感じられるような作品に仕上げたのである。

マーク・ウォールバーグが主人公マックスをハードボイルドなイメージで好演し、彼が魅せつけるアクションは最高で実にカッコいい。他に、殺されてしまうヤク中のロシア人美女ナターシャに新ボンドガールで先述した同趣向の『ヒットマン』にも出演していたオルガ・キュリレンコ、元警官でマックスの良き理解者だが途中で意外なキャラクターとして描かれるB.B.にボー・ブリッジス、マックスを容疑者としてマークする内務調査官ブラヴーラにラッパーのクリス・“リュダクリス”・ブリッジス、スキンヘッドに顔面タトゥーの謎の男ルピノにアウマリー・ノラスコ、ナターシャの姉でマックスと敵対していたが途中で応援役としてサポートするモナにミラ・ニクスといった一流のキャストが魅力的なキャラクターを好演している。

エンドロール後にもオマケシーンがあり、最初から最後の最後まで楽しめる一級のエンターテイメント作品だと言いたい。

【80点】

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やくざ残酷秘録 片腕切断

安藤昇率いる安藤企画が擬似ドキュメンタリー的なモンド映画を意識してヤクザの世界に迫った異色のドキュメンタリー。配給は実録ヤクザ映画全盛期の東映であり、ついにホンモノをスクリーンで魅せつけてしまったのである。

冒頭で数名のチンピラたちがカメラに向かって「何撮ってんだよ!!」と怒鳴り散らす報道番組でも稀に観られるようなシーンに始まり、出所する者の出迎えとその祝い、賭場でサイコロ博打に興じながらシャブを打ちまわして兄貴分的な者にバレて軽くボコボコ、エンコ(指)詰め、競馬のノミ行為、タイトル通りの片腕切断、テキ屋の実態、シンナーを吸引するフーテン連中、関東親分衆の会合、トルコ嬢とヒモの関係、凡天太郎が女性の体にタトゥーを彫り込むといった裏社会の実態をモノクロを基本としたパートカラーで映し出される。これらのメニューは、とにかくリアルで生々しい。誰もが踏み込むことのなかった世界をカメラがしっかりと捉えることに成功したのは、製作、企画、構成、ナレーターを担当した元ヤクザの映画スター安藤昇の力があったからこそだと言える。

登場する者も皆ホンモノなのである。中には、現在の指定暴力団組織の一つである団体の当時の会長も顔を出し、インタビューに応じている。また、ある者が相手を斬りにいったときを語る自身の武勇伝も興味深い。他にも街行く若者たちがマイクを向けられて「ヤクザをどう思うか?」や「入ってみたいか?」という質問に応えているシーンが観られる。

特筆すべきシーンは、片腕切断とエンコ(指)詰めだ。片腕切断だけは唯一の擬似である。それでも地面に落ちた手首の指先がピクピクと動く様子の接写は、強烈なインパクトで忘れられないほどだ。問題なのは、エンコ(指)詰めだ。このシーンは、もともとは擬似で撮られることとなっていたが、やる者が勢い余って本当に相手の指をすっ飛ばしてしまったのである。この恐ろしいエピソードが作品を伝説化させてしまったとも捉えることができる。背筋が凍てつくような衝撃的で痛々しいシーンではあるものの、痛くてギャーギャー騒いだり唸ったりしないのが少し不思議に思える。詰め方もヤクザ映画ならではのドスで勢いよく切断ではなく、ノミと金槌を使用している点がこれまたリアルだ。

ヤクザ社会や残酷描写に興味のある方にはオススメできるが、そうでない方は観なくても良いだろう。

【45点】

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ストレンジャーズ/戦慄の訪問者

2005年に実際に起きた未だに解明されていない事件を基に作られたショッキング系サスペンス・ホラーで監督は、新人ブライアン・ベルティノ。

友人の結婚披露宴を抜け出したクリスティン(リヴ・タイラー)とジェームズ(スコット・スピードマン)は、別荘で良いムードに浸っていた。午前四時にも関わらず、誰かがドアをノックする。ドアを開けると髪の長い女が「タマラはいますか?」と尋ね、「そんな子はいない」と言ってドアを閉める。その後、ジェームズは煙草を買いに行き、クリスティンが一人になったところ再び誰かがドアををノックする。だが、その音はだんだんと激しさを増し、クリスティンは恐怖感を抱く。ジェームズが家に戻ってからは、二人は恐怖の餌食にさらされてしまう。

実話が基で家に何者かが侵入してくるという題材は『THEM ゼム』(06)でも描かれ、よく似た内容の作品は結構あるのでうんざりさせられてしまう。そこに『ファニーゲームU.S.A』(07)のような不条理な要素を加味して描かれる。

この手の作品ならではの音による恐怖感の醸成や緊迫した雰囲気はしっかりと感じられ、ホラー映画としての面白さは味わえるので良しとするが、このような魅せ方もありきたりで新味がない。もっと趣向を凝らせた魅せ方にしたりといった工夫を施して欲しかったが、監督が新人ということを考えるとこの程度の出来栄えでも十分かと思えるが、そこはもっと頑張って欲しかった。結果的には悪くはないが、ホラー映画ファンにとっては少し物足りないだろう。

上映時間は85分と短めで全体的に他愛もないB級ホラー作品という感じの本作は、既に続編の製作も決定している。続編がこれを上回る仕上がりになることを期待したい。

【70点】

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五人の賞金稼ぎ

貧しい人々のために医療院を開設し、病人を診察している医師兼賞金稼ぎの錣市兵衛(若山富三郎)は、野州黒羽領の若い百姓から領主の大関佐渡守(小池朝雄)による悪政に百姓たちが苦しんでいるため、一揆に力を貸して欲しいと依頼された。市兵衛は、女忍者の陽炎(真山知子)、居合術の達人・弥太郎(大木実)、手裏剣の達人・隼人(北村英三)、淋病持ちの九内(潮健児)を引き連れて村に赴き、悪代官一味との攻防を繰り広げる。

『賞金稼ぎ』三部作の第二弾である本作は、シリーズ最高傑作の呼び声が高い異色の時代劇アクションである。監督は、集団劇を得意とする工藤栄一。彼ならではの持ち味と従来の時代劇作品では観られなかったマカロニウエスタン風の荒唐無稽なハードアクションを追求した見せ場が眼目である。

前半で大掛かりな見せ場が用意される。百姓たちが立てた砦に市兵衛らが手回し式マシンガンを設置し、攻めかかって来る大勢の領主部隊をこれでバタバタと撃ち倒す。その後、このマシンガンを奪うべく領主の家老・主水(中谷一郎)がラッパ隊という三人組(伊吹吾郎扮する片目が潰れた音平をリーダーに福本清三扮する小笠、宍戸大全扮する源造)を雇う。暗い夜の竹薮で市兵衛らがラッパ隊と戦うシーンが第二の見せ場となる。クライマックスの最後の見せ場は、圧巻の一言に尽きる。領主側が市兵衛らに対抗するべく大砲を用意し、最終決戦の火蓋が切って落とされる。撃ち放たれた砲弾が辺りを次々と爆破炎上させ、砦の一部がダイナミックに崩れ落ちるという豪快なアクション演出が観る者を圧倒させる。市兵衛らも負けじとマシンガンで応戦し、凄まじい攻防戦が描かれる。迫力満点のアクションシーンが連続される中、九内の持病を活かせた下ネタ系ギャグが描かれ、笑わせてくれる。余裕を持った演出が妙味だと言える。最後は、市兵衛が刀で敵を次々とぶった斬りにする。若山ならではのパワフルな殺陣もしっかりと描かれている点も良い。

漫画チックでケレン味たっぷりの本作は、後に若山が主演する『子連れ狼』シリーズの予兆すら感じられる。

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