« 『映画秘宝』5月号に寄稿 | トップページ | ストレンジャーズ/戦慄の訪問者 »

五人の賞金稼ぎ

貧しい人々のために医療院を開設し、病人を診察している医師兼賞金稼ぎの錣市兵衛(若山富三郎)は、野州黒羽領の若い百姓から領主の大関佐渡守(小池朝雄)による悪政に百姓たちが苦しんでいるため、一揆に力を貸して欲しいと依頼された。市兵衛は、女忍者の陽炎(真山知子)、居合術の達人・弥太郎(大木実)、手裏剣の達人・隼人(北村英三)、淋病持ちの九内(潮健児)を引き連れて村に赴き、悪代官一味との攻防を繰り広げる。

『賞金稼ぎ』三部作の第二弾である本作は、シリーズ最高傑作の呼び声が高い異色の時代劇アクションである。監督は、集団劇を得意とする工藤栄一。彼ならではの持ち味と従来の時代劇作品では観られなかったマカロニウエスタン風の荒唐無稽なハードアクションを追求した見せ場が眼目である。

前半で大掛かりな見せ場が用意される。百姓たちが立てた砦に市兵衛らが手回し式マシンガンを設置し、攻めかかって来る大勢の領主部隊をこれでバタバタと撃ち倒す。その後、このマシンガンを奪うべく領主の家老・主水(中谷一郎)がラッパ隊という三人組(伊吹吾郎扮する片目が潰れた音平をリーダーに福本清三扮する小笠、宍戸大全扮する源造)を雇う。暗い夜の竹薮で市兵衛らがラッパ隊と戦うシーンが第二の見せ場となる。クライマックスの最後の見せ場は、圧巻の一言に尽きる。領主側が市兵衛らに対抗するべく大砲を用意し、最終決戦の火蓋が切って落とされる。撃ち放たれた砲弾が辺りを次々と爆破炎上させ、砦の一部がダイナミックに崩れ落ちるという豪快なアクション演出が観る者を圧倒させる。市兵衛らも負けじとマシンガンで応戦し、凄まじい攻防戦が描かれる。迫力満点のアクションシーンが連続される中、九内の持病を活かせた下ネタ系ギャグが描かれ、笑わせてくれる。余裕を持った演出が妙味だと言える。最後は、市兵衛が刀で敵を次々とぶった斬りにする。若山ならではのパワフルな殺陣もしっかりと描かれている点も良い。

漫画チックでケレン味たっぷりの本作は、後に若山が主演する『子連れ狼』シリーズの予兆すら感じられる。

|

« 『映画秘宝』5月号に寄稿 | トップページ | ストレンジャーズ/戦慄の訪問者 »

日本映画 か行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/64198/28907303

この記事へのトラックバック一覧です: 五人の賞金稼ぎ:

« 『映画秘宝』5月号に寄稿 | トップページ | ストレンジャーズ/戦慄の訪問者 »