« ビッグ・バグズ・パニック | トップページ | 監獄島 »

紅の拳銃

日活アクションスター“第三の男”と言われたトニーこと赤木圭一郎の実質的な遺作で監督は、牛原陽一。

戦争で右腕を失った元軍人の石岡(垂水悟郎)は、殺し屋養成家で新人を探していた。彼がナイトクラブで中田(赤木圭一郎)という若者をスカウトし、一級の殺し屋に育て上げた。東京の顔役である小寺(芦田伸介)から神戸の中国系マフィアのボス・陳万昌(小沢昭一)を暗殺するよう命じられた石岡は、中田を神戸に送り込もうとする。だが、中田は独断専行をやらかしてしまった。

当時の日活アクションと言えば、小林旭や宍戸錠たちによる西部劇テイストの無国籍アクションが主流であったが、本作は珍しくもハードボイルド・タッチの現代アクションである。

見せ場として砂丘での銃撃戦、ラストの陳万昌の豪邸での大銃撃戦が用意されており、なかなか面白く仕上がっている。拳銃をしっかりと活用したアクションシーンは、ポイントが高いと言っても良いだろう。

本作は、加山雄三主演の『狙撃』(68)と同様にガンマニアにとっては嬉しい作品と言っても良いだろう。その見所と言えば、石岡が中田に銃の構造や扱い方を徹底して指導するシーンだ。ガンマニアなら喰いついて観てしまうこのシーンは、そうでない方でも興味をそそられるだろう。また、このシーンで観られる銃を構える赤木の姿は、実にクールでカッコいい。石岡の指導を要領良く理解し、ガン裁きの腕前を磨き上げた中田が森林でかなり遠目に立っている中年男のくわえ煙草を撃ち落すシーンはまさに好印象であり、忘れ難い名シーンの一つだと言える。

キャストも個性的であり、そのキャラクター描写も魅力的で印象深く、面白さを味わえる。石岡の妹で中田に恋心を抱いてしまう盲目の菊代(笹森礼子)、これまた中田を惚れてしまう陳万昌の情婦・千加子(白木万理)、終盤あたりで意外な形で登場する中田の元恋人・美津(吉行和子)、片言の日本語を話す中国系マフィアの劉徳源(小沢栄太郎)やキム(藤村有弘)の好演は注目すべきだ。

ドラマは中盤以降からご都合主義的になるものの、これも面白さの一つだと言っても良いほどだ。中田に隠された秘密とは何か?、中田の本当の正体は?といったポイントに注目してラストシーンまで楽しんで頂きたい。

赤木が歌うオープニングとラストで流れる主題歌は、「追憶(おもいで)」。渋い歌声が魅力的な名曲と言いたい。

【80点】

紅の拳銃 [DVD] DVD 紅の拳銃 [DVD]

販売元:日活
発売日:2002/09/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« ビッグ・バグズ・パニック | トップページ | 監獄島 »

日本映画 か行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/64198/32423870

この記事へのトラックバック一覧です: 紅の拳銃:

« ビッグ・バグズ・パニック | トップページ | 監獄島 »