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2010年6月

女体渦巻島

石井輝男監督が16本目に手懸けたサスペンス・アクションで、主演はグラマー女優の美原葉子と後に石井作品の常連となる吉田輝雄。

日本のカサブランカ=対馬の厳原。麻薬密輸団の本拠であるキャバレーに現れた大神(吉田輝雄)は、かつての恋人で今では人身売買と麻薬密売を仕切るクラブのマダムに成り下がっている百合(美原葉子)に出会う。百合が組織のボス陳(天知茂)に麻薬漬けにされたことを知った大神と陳が対決することになるというお話。

中盤以降ではアクションの見せ場がしっかりと用意されている。大神が単独で十人以上はいる組織の連中に立ち向かうシーンが第一の見せ場で、繰り広げられる大銃撃戦はなかなか見応えがあってよろしい!!一対十以上と思いきや、黒革のライダースーツのようなファッションに身を包んだ百合がショットガンをブッ放して応戦!!存在感が強過ぎる百合に負けじと言わんばかりに大神が一人で数名を殴る、蹴る、巴投げまでも魅せつける!!敵たちは一時撤退する。次は天知茂扮する陳がやっと登場し、アジト内で軽く銃撃戦!!そして、ラストスパートに向けて大神と陳の一気撃ちとなるが、お互いに一発の銃弾を外したため、男同士のタイマン殴り合い!!という具合に後半になるにつれてアクション映画としての本領を発揮し、面白くなってくるのが何よりも良い!!

もう一つの見所と言えば、美原葉子の強烈なダンスシーンだ!!コレがとにかくドラッグを扱っている作品なだけにサイケデリックな雰囲気を醸し出しているのでしっかりと注目して頂きたい!!また、このシーンでのギターを弾きながら唄う歌手の独特の動作や表情も笑えるが、何よりも歌の内容(歌詞)が今聴くとブッ飛び気味だから、チョイ笑えてしまうのだ!!

タイトルからはエロスやセクシーに強く期待しがちだが、そのような要素は極めて薄い!!美原葉子のセクシーさも控えめ!!だから、ノワール仕立ての無国籍風アクションを存分に楽しむべきなのだ!!

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女切り裂き狂団 チェーンソー・クィーン <未公開>

クズ作品を量産することで有名(でもないな…)なフレッド・オーレン・レイ監督の残酷エロス・ホラーで、かの有名なクエンティン・タランティーノも本作のビデオを持っているとのこと!!

私立探偵チャンドラーは調査中の家出娘サマンサを発見するが、彼女はストリッパーとして働いている上にザ・ストレンジャーを教祖とするチェーンソーを崇拝するカルト教団の信者となっていた。実は、サマンサは親友をこの教団によって殺されたため、復讐するべく潜入したのであった!!というお話だが、ストーリーなんてあってないようなモノ!!

とにかく全裸女がチェーンソーでおっさんを殺すシーンが最大の見所だが、直接身体を切刻むといったハードコアな残酷描写は観られず、手首がフッ飛んで血が飛び散っているだけだからモノ足りなさと安っぽさバツグン!!しかも、血飛沫の出方も不自然な感じが丸わかり!!テキトーな作り、やっつけ仕事感が観る者に伝わってくるのだから、それはそれでスゴイ!!とにかく、スプラッター、残虐描写なんかに期待せず、女の全裸を楽しめば良いのだ!!他のごく普通のシーンに至っては、まどろっこしいだけだからコレと言って特に言うことナシ!!

全裸女と殺害シーン以外でユニークなポイントと言えば、なんと言っても冒頭のテロップがユニークだ。「チェーンソーは非常に危険です。」に始まり、続いて「映画のマネはしないで下さい。」とここまでは良いだろう。その次に続くのは、「特にセックスの小道具としての使用はおやめ下さい」とのこと!!このブッ飛びテロップには、思わず笑えてしまった…。最後は、「良心にかけて、フレッド・オーレン・レイ」で締め括る。コレを観ていると、彼に良心が無さそうに思えてしまうし、人格すら疑ってしまう。悪趣味最低映画粗製濫造野郎ってことも踏まえた上だが…。

とにかく偏差値30以下のおバカ作品だ!!

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燃える雲

渡哲也、高橋英樹、二谷英明、宍戸錠の日活四大スター競演のスカイ・アクション。監督は野村孝。ちなみに脚色担当の藤井鷹史は、後にニューアクションを担う長谷部安春監督で本名名義で空中撮影も担当している。

ジェット機が飛行中に故障し、これを操縦する朝比奈は管制塔の指示を無視して強行着陸したことが原因でライセンスを剥奪されてしまう。ある日、建築現場のミキサー車ドライバーとして働いていた朝比奈は、宗方(二谷英明)に見込まれて航空検察官となった。早速、空港での射殺事件が起きる。この事件の背後には、所属ダンサーを娼婦として南ベトナムへ売り飛ばしている元暴力団関係者が経営する芸能事務所「エンゼル・プロ」が関わっていることがわかった。

渡、高橋、二谷、ジョー以外のキャストも魅力的だ。女検察官の冴子に十朱幸代、敵ボス林に大滝秀治、朝比奈のかつての良き理解者・福田機長に池部良、林が仕向けた中国人殺し屋の張に内田良平!!また、キャスティングに関しては刑事ドラマ好きもニヤリとさせる。まずは、主演の渡と同僚の秋山役の庄司永建は、『西部警察』の大門と二宮係長、二谷と大滝は、『特捜最前線』の神代と船村という具合に!!だが、二谷と大滝の絡みが劇中で一切観られないのがちょいと……。

航空検察官=空の刑事ということでストーリー展開も刑事ドラマそのもの。劇中では取り調べシーンも観られる。

アクション映画らしいシーンと言えば、序盤で観られる建築現場の食堂での殴って蹴って大乱闘とクライマックスの朝比奈と貝塚(高橋英樹)各々がジェット機を操縦し、林を乗せた黒田が操縦するジェット機を追跡するシーンぐらいだ。特に最後の見せ場は緊張感を漂わせてスリリングに描かれていて良いが、途中で渡、高橋、ジョーが無線をマイク代わりに童謡「赤とんぼ」を歌うシーンは、今観るとちょいと可笑しい!!感動を誘うシーンであることに違いはないが、なにしろ男臭いルックスで低音の三人が歌っているので……。でも、貴重なシーンであることに間違いない!!

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六三制愚連隊

和田浩治主演の青春アクション『愚連隊』シリーズ第一弾で監督は、西河克己。

日系アメリカン二世のヘンリー・岡山(和田浩二)は死んだ親父の昔の恋人に遺産10万ドルを渡すために来日し、聖トーマス学院高校というボンボン学校に編入する。この学校で知り合った学生たちはマリファナに手を染めており、これを彼らに売りさばいたのは、ヘンリーの腹違いの兄貴である文夫(小高雄二)だった……。ヘンリーは、文夫の兄貴分であるジョージ(内田良平)らに挑む。

和田浩治扮する主人公は日系アメリカン二世、日本の知り合いに遺産金を渡すために来日、途中で知り合う女性は清水まゆみ扮するマリ、守屋浩と平尾昌晃が歌う……この設定は、後に公開された和田主演の西部劇風青春アクション『俺の故郷は大西部<ウエスタン>』に受け継がれるのである。

後半になるにつれてアクション映画としての面白さが発揮されていく。その最大の見せ場は、ジョージらに拉致されたマリと文夫の情婦・美枝(稲垣美穂子)を救出するべくヘリコプターに乗って追跡するシーンだ。船から車にすり替えたジョージらをヘリで追い、ヘリから銃撃するシーンは、洋画のアクションっぽい感じで描かれており、ヘリが上陸してからは銃撃戦が展開される。最後は謎めいた絵描きの神崎(岡田眞澄)は、実は麻薬取締官で彼らが駆けつけて一件落着!!

それにしても、ヘンリーは、高校二年生の身分でオープンカーを乗り回し、拳銃をブッ放し、おまけにヘリの操縦までやってのけるときたもんだから、スゴイ!!こんな思わずツッコミたくなるような荒唐無稽な設定こそ、日活アクションだと実感できるのだ!!それに比べると劇中に登場する高校生たちのマリファナ吸引なんて、今となっては珍しいことでもなんでもない。でも、当時としては衝撃的だったはずだと思う。

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銀座旋風児 <ギンザマイトガイ>

服飾デザイナー二階堂卓也の活躍を描いた小林旭主演のサスペンス・アクション『銀座旋風児』シリーズ第一弾。監督は野口博志で原作は『月光仮面』等で著名な川内康範。

二階堂(小林旭)は、中国人の王(芦田伸介)がキャバレー“モナコ”の建築資金を得るためにダイヤを売り捌いていることを知り、情報屋の政(宍戸錠)からネタを掴んで香港へ。そこで王の命を狙う明子(浅丘ルリ子)に出会う。明子は、戦中に父を王の仕掛けた罠によって殺害されたのだった。二階堂は明子を自身の助手として男装させて二人で帰国し、王一味と闘う。

“銀座旋風児”と持てはやされ、大勢の女たちにモテまくる二階堂。帰国の際、飛行機から姿を現すと女たちがワーキャー騒ぎ、マスコミたちも駆けつけるし……。そんな彼も時には“銀座退屈男”と皮肉られてみたり……。

マイトガイアキラの殴る、蹴る、投げ飛ばす、撃つという単純なアクションが見モノ。芦田伸介扮する悪のボス王は、実は堀田という名の日本人で国民の強制献納品であるダイヤを奪っていた国賊であることが中盤で明らかとなる。王も序盤から中盤まではカタコトの日本語だったが、それ以降は自然体の日本語で話しているのがやや可笑しい。モナコ開店のときに二階堂が司会者になりすまし、大勢の客がいる中でこれらの事実を大胆に暴露してしまい、ここでクライマックスに相応しいアクションが展開される。二階堂と敵たちが店内で大暴れの大乱闘!!しかも銃をブッ放すわ、ビール瓶が飛んできて照明具ブッ壊すわ、テーブルを引っくり返すわと……。

中盤では、アキラが唄う同名主題歌の映画オリジナル版も聴ける!!

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用心棒稼業

宍戸錠&二谷英明の痛快アクション・コメディー『稼業』シリーズ第二弾。監督は舛田利雄。

悪人をガードする保険屋稼業ジョー(宍戸錠)と素行不良でクビ寸前の生命保険調査員の藤木(二谷英明)が熱海のキャバレー“ラスベガス”の権利書を巡って平塚組とラスベガスのオーナー権藤(金子信雄)の争いを丸く治めようと面白可笑しく暴れまわるというお話。

ジョーと二谷のバディムービーならではの掛け合いとコミカルなアクションが面白い。第一の見せ場は雨宮養鶏場での平塚一味とのバトルで、ジョーと藤木が殴る、蹴るはもちろん、銃も撃ちまくる。アクションの中に鶏がポロ~ンと産卵したり、ジョーの一撃で天井に吊るされた卵入りのカゴが落っこち、敵の顔面が卵まみれといった拳銃が生み出した曲芸的ギャグがちょいと面白い。次の見せ場は、バディムービーならではの仲間割れであり、ジョーと藤木がお互いにパンチとキックを繰り出して大喧嘩!!この格闘アクション(そんないいモノでもないが)にもコミカルさを追求しており、ドツキ漫才コントと言いたくなるほど。クライマックスは、ラスベガスでの大銃撃戦であり、ダンサーたちもこのバトルに加勢!!音楽に合わせて各々が楽器を武器にして平塚組の連中を攻撃。中には、ブラを取ったりと色仕掛けで惑わさせる女たちも!!ドタバタ風アクション・コメディー最大の面白さを発揮したのである。

他には、序盤でジョーと藤木がダンサー送迎バスに乗り込み、藤木のトランペット演奏でジョーとダンサーたちが同名主題歌を唄うシーンやラスベガス内でのミュージカルも印象深い。

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青春大統領

貿易振興会の峰岡は、ヴァカンスを愉しんでいるシドニーから帰国。臨床実験で有害データが明らかとなった新薬ソルピチンが輸送船の積荷から消え、同時に学生時代の友人である大村物産のオーナー大村(二谷英明)も姿を消した。峰岡は大村の恋人で自身の後輩でもあった京子(浅丘ルリ子)と再会。京子は、人気四人組ユニットジャニーズのマネージャーということで六人で事件の真相に乗り出す…というお話。

江崎実生監督、裕次郎&ジャニーズ主演の日活製歌謡(“火曜”ではない!!)サスペンス・アクション。アクションよりもレッスンやリハーサルに取り組むジャニーズの姿の方が印象深い。中でも中盤以降で観られるボクサー姿でのミュージカルシーンが歌謡映画としての最大の見所。裕次郎も負けじと主題歌「愛のうた」に続いて劇中にて「粉雪の子守唄」をギター弾き語りで歌う!!

アクションに関しては、ソルピチンが積まれたトラックの運転席に乗り込んだ峰岡が二人の敵を殴り、続いて一人で数名を殴る蹴る。これに続いてトラックが爆破!!製作には石原プロが関わっているため、この爆破アクションには納得!!出来栄えは、後年の石原プロ製作TVドラマに比べると迫力はかなり薄い。後半で観られるアクションは、敵に捕らわれてリンチを喰らった傷ついた裕次郎とヘルプにやってきたジャニーズが敵を相手に大暴れ!!しかも、ドタバタコメディー風に描かれ、これに相応しいBGMがコミカルさを醸し出している。

シドニーや大村の故郷・金沢の風景活写も味わい深くて良いが、後半がいささかダレてしまったのがちょいと……。

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