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2012年7月

マッドストーン

『マッドマックス』の大ヒットを受け、邦題に“マッド”を使用して亜流モノ扱いとして公開された本作は、『マッドマックス』が世に送り出される5年前に作られたオーストラリア製バイク・アクション映画。要するに、60年代後期から70年代前期にアメリカで乱造されたバイカー映画をオーストラリアで作ったものである。

公害反対を訴える政治家がシドニーの公園で演説中に何者かに射殺される。犯人は付近に居合わせた暴走族連中に見られたと思い込み、族メンバーを次々と殺害し始める。調査を開始した警察側は、若手刑事ストーン(ケン・ショーター)を暴走族メンバーに仕立てて潜入捜査を始めるが……。

派手なアクションやスピーディーなバイク走行が味わえないのが非常に残念であり、結果的には地味で面白味のないB級アクション映画に仕上がった本作。

印象深いシーンと言えば、道路に貼られた針金に引っかかって転倒したバイカーの頭部チョンパ、男女が全裸になって海に入って戯れるシーン、バイクのエンジンをかけた瞬間にバイク置き場が大爆破炎上するシーンぐらい。対抗するグループとの抗争劇やクライマックスのアクションシーンといった肝心なシーンがイマイチ盛り上がりに欠けるのがかなりの痛手。

上映時間は103分だが、この程度なら80分ない方が良いぐらい。監督・脚本・製作を手懸け、アンダーテイカー役で出演も果たしたサンディ・ハーバットのフィルモグラフィーと言えば本作ぐらいであり、どうやら本作の不発をきっかけに自然消滅してしまったようだ…。

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痴漢ドワーフ

ポルノとバイオレンス・ホラーが融合したスウェーデンとアメリカの合作で、監督はヴィダル・ラスキとか言うお方。

作家ピーターと妻メリーが不気味なボロアパートに引っ越してくる。このアパートは、実は若い女を拉致し、シャブ漬けにして売春させる恐怖の館でもあった。実行犯は、二人に部屋を案内した女主人とその息子である小人症のオラフ。ピーターが仕事で外出中に、メリーが以前から屋根裏から妙な音が聞こえて気になって仕方がないということで屋根裏を調べた結果、女主人にバレてしまい、売春窟である一室に監禁され、シャブを注射されてしまう。ピーターは愛妻を救出できるのか?!

とにかくデンマークの小人役者トルベン扮する低身長者オラフの存在がキョーレツ。小人症の不具者だからという差別的意ではないが、ルックスは気持ち悪い上に、やっていることが最低過ぎるから、ついつい罵倒したくなるようなヤツだ!でも、おもちゃで遊ぶのが大好きという子供っぽいところがあるのがチョイ可愛らしい。コイツの母親も最悪!真昼間から女友達と酒を喰らい、オラフのピアノ演奏で歌いまくっているグータラババァ。そんな二人の存在が、陰湿かつ不快な作風にマッチしており、見事な悪役ぶりを演じきっている。

ポルノ映画としての見所は、客がシャブ漬け女とセックスするシーンだが、シャブの影響でうつろな表情の女を相手にヤリまくるシーンに性的快楽や興奮なんか求める気にもならない。やたらと腰をふりまくる男を観ていると、クスクスと笑えてしまったほど!

本作は、ポルノ映画としても、バイオレンスホラーとしても悪趣味最低映画の一級品だな…。



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夜をひらく 女の市場

小林旭主演『女の警察』シリーズのスピンオフ的な作品で、監督は江崎実生。

銀座のホステス引き抜き屋である槌田昭(小林旭)は、悪党である黒河(内田良平)が経営するクラブシャトウが経営難であることを理由に入り込み、ホステスを大量に引き抜く。それは、槌田の養父の百瀬(加藤嘉)が新たなるクラブを開店させるためであった。キレた黒河は槌田の内縁の妻である梅子(山本陽子)を轢き殺し、ブチギレした槌田は黒河らに闘いを挑む……というお話。

『女の警察』シリーズや同じくアキラ主演の同趣向の作品『ネオン警察』シリーズ同様、本作でもセクシーな描写が見所の一つ。中でも、槌田が手なずけた黒河側の主任ウェイターの郁夫(川地民夫)がクラブのママさん宅に無理矢理押し入るやビンタを数発食らわし、押し倒してその女体を弄び、さらにはライターで太股あたりを火あぶりするシーンは、後の日活ロマンポルノのSM作品を予兆しているかのようにも思える。レズシーンも観られるが、これに関しても同じことが言える。

郁夫が黒河の手下三人組に暴行を食らい、腕を折られるという痛々しさが伝わる残酷バイオレンス、クライマックスのアキラの格闘アクションといった見せ場は、派手さはないものの、観る者を楽しませるシーンをしっかりと用意しているため良いと言える。

『女の警察』シリーズや『ネオン警察』シリーズ同様に青江三奈の歌唱シーン(「池袋の夜」)、アキラが持ち前の美声を発揮させて歌うシーン(「峠のわが家」)も要注目だ!

さらには、藤田紀子(当時は藤田憲子)や中山千夏といった脇を固める女優陣も興味深い。

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七人の挑戦者

『黒部の太陽』等でお馴染みの熊井啓監督が赤木圭一郎主演作のために脚本を執筆したとのことだが、赤木がゴーカート事故死したことによって二谷英明を主演に迎え、松尾昭典監督が映像化したアクション作品。

福田(二谷英明)率いるジャズバンド”セブンガイズ”は、人気上昇とともに暴力団でもある芸能会社の秋葉プロから様々な嫌がらせを受ける。福田は3年前に恋人の梨絵(沢たまき)を殺され、自身も右手を銃で撃たれて負傷。福田は秋葉に復讐するべくセブンガイズという立派なバンドを結成したのであった。やがて、セブンガイズと秋葉プロの大決闘が繰り広げられることになるのだが……。

殴る蹴るの格闘アクション、大勢での大乱闘、クライマックスでは拳銃も火を噴く…アクション映画としては当時の日活アクション映画らしく地味ではあるが、勢い良さは感じられるため、観ていて清々しいし、役者たちもイキイキと暴れまわってくれているのが好印象。

もう一つの見所と言えば、セブンガイズによる演奏の数々だ。さらに、客席にいる桂小金治師匠のとぼけた小言も持ち前のコメディー・センスを発揮していてよろしい。

主演の二谷英明は、リーダー的存在を発揮している上に殴る蹴るのアクションもしっかりと頑張っていることから好感が持てる。だが、それ以上に強烈なインパクトを残すのが、小高雄二扮するトランペット担当の村上だ。影のある役柄で、クライマックスのアクションシーンでは見事なガン裁きも披露。ちなみに、本作は和泉雅子のデビュー作でもあるのだ。他にも、葉山良二、吉行和子、沢本忠雄、悪役の神山繁&内田良平、「ジングルベル」を歌う沢たまき…脇を固める演技人の存在も忘れ難い。

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獣人ゴリラ男

フェルナンド・メンデス監督がプロレス映画『偉大なる野獣』の影響を受けて製作したモンスター系ホラー映画。

レスラーの遺体を盗んではゴリラの脳髄を移植し、最強無敵の新人類を創造することに執念を燃やす科学者を元レスラーのロブレス警部が追い、彼の親友である新人レスラーのギレルモを囮にして捜査する。だが、ギレルモは科学者の手によって試合中に死亡。さらに、科学者はギレルモの遺体を安置室から持ち出し、最強のゴリラ男として改造するのであった……。

メキシコでは後にルチャ映画というプロレスラーが活躍するアクション映画を多く作り出すことになるが、本作はその原点でもある。劇中でもプロレスのシーンが多いため、プロレスや格闘技ファンなら楽しめること間違いなし。さらには、刑事たちが活躍するサスペンス、終盤ではゴリラ男の出没によって人々が逃げ回るといったモンスター・パニック作品ならではの描写、ゴリラ男の怪力ぶり、スキンヘッドから毛が頭部や胸部、腕にチラホラと生えてくるという変身形態で観る者を楽しませてくれる。

レスラーたちが道場で練習するシーンで、妙なイントネーションの日本語をベラベラと喋り捲る柔道家たちの存在は、観る者をクスっと笑わせてくれる。メチャ面白い作品とは言い難いが、印象深いシーンが多いことだけは確かだ!

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