外国映画 あ行

怒りの山河

トミー(ピーター・フォンダ)は息子ディランを連れて故郷アーカンソー州の農場へ帰郷し、農家を経営する父ジェフと再会。が、住民たちは悪徳炭鉱会社クラブトリーの乱開発と非人道的な行為に悩まされていた。トミーは悪徳企業に単身で闘いを挑む…。

悪辣なクラブトリーの作業員どもに土地開発大反対を唱えるトミーは、もちろん命を狙われる。車で追って来る連中どもをバイクを駆って巧妙に交わし、車は大横転!クラブトリーに訴訟を起こした弟チャーリー夫妻を飲酒運転による交通事故に偽装して殺害されたトミーの怒りはさらに燃え上がり、夜間に重機車両を爆破!!一方、クラブトリーも強引なやり口で土地開発を進めていくと同時に悪事を積み重ねていく。爆破作業による落石で家を大崩壊させられた一家の大黒柱は会社に乗り込んだ際に射殺され、ジェフたちに有利な判決を下そうとした判事も日課のサイクリング中に2人組の暴漢に刺殺される。やがて、ジェフの家が放火され、馬を救出していたジェフは大ダメージを負って死亡。怒りの炎が頂点に達したトミーは拳銃とボーガンで武装し、クラブトリーの館に殴り込み、連中に弾丸&矢をブチ込んで蹴散らしていく。ド派手なアクションは少ないが、わかりやすい筋書きの復讐劇と正義を貫くべく暴れまわるピーター・フォンダの姿はツーカイそのもの!

ジョナサン・デミが監督と脚本を担当し、B級映画の帝王ロジャー・コーマンがプロデュースした傑作B級アクション。本作のような田舎町を舞台にした復讐劇は、70年代後期にイロイロと作られたのだ!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

黄金のプロジェクター

『ビリー・ホリデイ物語 奇妙な果実』のスタッフ&キャストが再集結して作られたサスペンス・アクションの力作。

政府の秘密機関で働くニックは、娘を麻薬によるショックで失う。娘の命を奪い、多くの人々を犠牲にする麻薬シンジケートへの復讐を誓ったニック(ビリー・ディー・ウィリアムズ)は6人の仲間を募る。元地下組織の闘士で警官、ヤク中の高級娼婦、射撃の名手である教師、1人息子を麻薬で失った前科者の老夫婦、水中爆破の名人…といった面々がコロンビアに集結し、綿密な計画のもと、9人の密輸組織のボスを蹴散らす……というお話。

終盤での車1台の爆破シーン以外はこれと言って派手さはないけど、TV時代劇『必殺』シリーズさながらの殺しのテクニックが最大の見モノ。もっと見せ場を散りばめていれば良かったな…。この程度で2時間弱、長かったなぁ~。

Photo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アメリカン忍者

キャノンフィルムが手懸けた忍者アクション映画で、わが国ではヘラルド・ベスト・アクションシリーズの第一弾として公開された。主演はマイケル・ダディコフで、東映カラテ・アクション映画『ザ・カラテ』三部作で主演を務めた山下タダシが敵キャラの忍者を好演。

幼少期に元日本兵から忍術を教わった新米陸軍兵士ジョーは、黒星忍者軍団を操って米軍兵器を盗み出しては他国へ売り裁くギャング組織と激闘を繰り広げる…というお話。

マイケル・ダディコフが運動神経の良さと華麗なる格闘アクションを披露。襲い来る忍者軍団の攻撃を交わし、かすり傷1つ負わずに蹴散らす。クライマックスはジョーの軍隊仲間が応援ヨロシクと言わんばかりに装甲車やジープで参戦。従来の忍者アクションにミリタリー・アクションのテイストを加えたド派手なアクションはドカンドカンと大盛況!ダディコフ対山下の格闘忍術バトルもじっくりと描かれているぞ!!

後に4本の続編が製作されたが、劇場公開されたのは監督・主演が交代した『レッドコブラ』(90)のみ…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アバランチエクスプレス

監督&製作のマーク・ロブソンと主演のロバート・ショウの遺作となったアクション映画。

ソ連国家安全委員会議長マレンコフ(ロバート・ショウ)は“ウィンター計画”という細菌兵器による戦略の情報を握っており、東側の情報を西側に流していた。彼が亡命するべく乗っているアトランティック急行には、彼を一刻も安全な地に送り届けようとするハリー(リー・マーヴィン)を代表とする西側の諜報部員たちも同行。マレンコフを狙う東側諜報部員との熾烈なバトルが繰り広げられるが…。

見せ場作りは良いが、盛り上がりに欠けるのが大きな痛手!!第一の見せ場は、スイス領域に入ったときだ!!ウィンター計画首謀者ブニン一味がマシンガンをブッ放して列車を襲撃し、ハリーらもマシンガンで抵抗する大銃撃戦!!ジープの爆破が観られる!!続いて、最大の見せ場である大雪崩シーンだ!!サンゴダール峠で二人組のスキーヤーが爆破装置を起動させると雪崩が起こり、多くの木々をブッ倒しまくり、民家や鉄橋をもブッ壊す!!ディザスター風味のこのシーン、今となってはごくごく普通という感じで、迫力満点のレベルまで到達できていない!!第三の見せ場は、ブニンが送り込んだ反ソ過激派グループのガイガー一味によるテロ攻撃に対抗するシーンで、またもや大銃撃戦が繰り広げられる!!クライマックスは高速艇に乗ったブニン一味をハリーらの魚雷艇で追跡し、海上での大銃撃戦!!最終的に敵の船を爆破させてバトル終了となるが、船の爆破なんかもっと迫力を出せたはず!!チョイとパンチが弱かったようだ…。

アクション大作に仕上がりそうなモノが、ごく普通のB級アクションにしかなれなかったのだ!!

Photo_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アリ ザ・グレーテスト

かの有名な伝説的ボクサー、モハメド・アリの半生を描いた映画、ドキュメンタリーは数多く存在する。近年では、ウィル・スミス主演の『アリ』が有名。しかし、モハメド・アリ自身が主人公を演じた伝記的スポーツドラマ『アリ ザ・グレーテスト』は、国内ではVHSは廃盤となり、未だDVD化されていないため、現在では貴重な“アリ映画”と言えるだろう。

ローマ・オリンピックで金メダルを獲得したカシアス・クレイがプロボクサーとしてヘビー級チャンピオンとなり、数々の名勝負を繰り広げる。マルコムXの影響でイスラム教に改宗し、モハメド・アリと名を改めるが、ベトナム戦争への徴兵を拒んで三年間の実刑判決を喰らい、タイトルまで剥奪されてしまう。その後は、ジョージ・フォアマンとの対戦でKO勝利して世界チャンピオンになるまでを描く。

モハメド・アリという黒人ボクサーが一人の人間として人種差別を真っ向から否定している姿…非常に好印象だ!!ボクシング界のカリスマ的存在として今もなお多くの方々に愛されているアリ。そんなアリが言うからこそ、ますます彼の人柄に惹きつけられ、好意的に思えてしまうのだ!!白人が優位なキリスト教からイスラム教に改宗したこと、「ベトナム人は白人とは違って黒人を差別しないのに兵役に行ったらべトコン連中を殺さなければならない」と言って徴兵を拒み、その代償として世間からは徴兵拒否の非国民という目で見られ、白人たちから銃で狙われ、追放されようとするシーン…忘れ難い。アリが抱いた正しい信念を貫き通す姿は、実に素晴らしい!!そして、この件で無罪判決が下されるシーン…実に清々しい!!

本作は日本人から観ると馴染み深いポイントがある。それは、劇中で挿入されるアリの試合の記録映像で度々使用される楽曲「アリ・ボンバイエ」だ!!この曲、日本ではアントニオ猪木の入場テーマ曲「炎のファイター」の原曲であることは聴けば殆どの方ならわかるはず!!猪木が格闘技世界一決定戦でアリと対決した際、その記念としてアリから贈られた曲をアレンジして出来上がったのが「炎のファイター」だ!!クライマックスでアリがフォアマンをKOする模様をスローで捉えた映像とこの曲が見事にマッチしているのだ!!

一人の人間として、ボクサーとしてのモハメド・アリの魅力を存分に味わえるドラマだ!!

Photo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

悪魔の改造人間

宇宙開発研究所の所長の罠にハマって改造人間にされた男が復讐に挑む…という内容のカナダ産SFホラー・アクション。

崖からトラックが落下して大爆破、パム・グリア扮する改造人間ハンターたちが下水道の中に潜入してバトルを繰り広げたり、クライマックスで改造人間同士の格闘バトル…といった見せ場は楽しめるが、前半で描かれる凶暴化したサルが女を喰い殺すというモンキー・パニックのシーンや70年代ブラックムービーの女帝パム・グリアが剣道をやったり、悪役キャラを発揮させたり…といったシーンの方が印象深い!!

改造人間の造形は、名匠スタン・ウィンストンが担当したとのことだが、B級作品ということもあってか、力を入れずに作ってしまった感が…。

タランティーノ監督の憧れであるパム・グリアの活躍を堪能するだけでも観る価値はアリかも?!

| | コメント (1) | トラックバック (0)

イタリアン・コネクション

セルジオ・マルティーノ監督によるイタリア製ポリス・アクション。

やむを得ずに凶悪犯を射殺したスゴ腕刑事カネパロ(リュック・メランダ)が世間からはもちろんのこと、警察当局からも糾弾されるハメに…。結局、カネパロは刑事を辞職し、一匹狼となってマフィアを追いつめていくと同時に警察内部を告発する…というお話。

70年代に量産されたイタリア製ポリス・アクションは、『ダーティハリー』の世界的ヒットに影響を受けたモノが多い。そこに、『警視の告白』や『黒い警察』の影響をプラスしたのが本作なのである。

とにかく見せ場を随所に散りばめ、退屈させたり飽きさせたりしないような演出はよろしい。

序盤で列車内を舞台に護送中の囚人二人がマシンガンをブッ放して警官を射殺。囚人二人は森の中に逃走し、警官隊が警察犬を引き連れて探索。そこで再び銃撃戦が展開され、主人公カネパロによって射殺。初っ端からこのようなアクションで楽しませてくれるのだ!!

でも、アクションの見所はなんと言っても三度のカーチェイスだ!!まずは、銀行強盗をやらかして女性客二名を人質にとったマフィア連中の車と二台のパトカーとのカーチェイスで、マフィア側の車は勢い良く横転した上に木にクラッシュという強烈なインパクトで魅せつけてくれる。まぁ、その前に連中の一人が手榴弾を投げて停車中の車の爆破シーンが観られるのも良い!!二度目は、組織にドライバーとして雇われたカネパロが運転する車とパトカーとのカーチェイスで、空き地で大量のダンボール箱を燃やしているところにカネパロの車が突っ込み、この様子を正面からスローモーションで捉えた映像はダイナミックで良し!!最終的にはこの車が警察署内に入り込み、そこでチョイと銃撃戦を展開して終了!!三度目はクライマックスで、カネパロの車と敵の車がチェイス&ぶつけ合いをやりまくり、最後は敵の車が急斜面の崖をゴロゴロと転げ落ちて終わり!!

ビリヤード場でキューを武器に暴れまわったり、街の娼婦を仕切る男をボコボコにしたりといったカネパロの手荒さ…一匹狼のアウトローらしい!!

Photo_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

狼たちの影 (VHS邦題『電子の復讐者』)

70年代のパニック映画常連役者としても知られるジョージ・ケネディが主演のサスペンス・アクション。

NATO基地に務めるコンピューター技師ジョン(ジョージ・ケネディ)の家族が、同志の解放を要求するテロリストグループに惨殺される。復讐を誓ったジョンは、職場のコンピューターを駆使して連中を割り出し、追いつめようと奮闘する。

ジョージ・ケネディが巨漢なだけに彼の走る動作なんかを観ていると“重い”の一言が浮かんでやまない。だが、この巨体を活かしたパワフルさがじっくりと伝わってくるのが良い!!中盤を過ぎたあたりで敵連中の一人との格闘シーンが観られるが、このシーンこそジョージの強さが味わえるのだ!!スコップで殴られても逆にスコップの先端部が折れてしまってジョージはビクともしない。ジョージがコイツにチェーンを投げつけて巧く首に巻きつけてグルグル回し、あとはボコボコと鉄拳を連打させる…とにかくジョージが身体を張って頑張ったアクションシーンであった!!

最後の見せ場は買い物客を人質にしたスーパーマーケット篭城事件で、ジョージが車ごと店に突っ込んで大銃撃戦を繰り広げる。巨漢による動作の鈍さ+中年+単独という明らかに不利なジョージであるが、何故か見事なガン裁きで数名の敵を撃ち殺すのだ!!残る敵一人を息の根が途絶えたにも関わらず弾丸を撃ち込み、復讐は大成功!!コレでジョージの胸のつっかえも取れてスッとしただろう…と思って観ていると、ジョージは膝からガックリと崩れ落ちる。そんな姿からは愛する家族を失った上に犯罪を重ねてしまった中年男の悲哀感がじっくりと伝わってきた…。

Photo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エグゼクティブ・ターゲット (未公開)

ラマーというテロリストに妻を人質にされ、スゴ腕のドライビング・テクニックを利用して銀行強盗と大統領(ロイ・シャイダー)拉致を強要された前科持ちカー・スタントマン、ニック(マイケル・マドセン)の奮闘を描いたスーパー・カー・アクション。

とにかく序盤からハイテンションなカーチェイス、クラッシュ、爆破、銃撃が観られるのだ!!主人公ニックが乗り込んでいた護送車が横転し、脱走したニックがハンドルを握って暴走してからは数台のパトカーが宙を舞ってそのままクラッシュ&爆破…という感じで初っ端から見応えバツグンのアクションをしばらく堪能できるのだ!!

アクションが終わるとこの手のB級娯楽映画に相応しいストリッパーのバスト曝け出しセクシーサービスがちゃっかりと味わえるのだ!!

アクション以外はまどろっこしくて少々退屈させられるが、大統領拉致シーンで再びカーアクションのスゴ味が大爆発!!上空を飛ぶ警察ヘリ二機が敵に向けてマシンガンを乱射して応戦するが、敵のマシンガン攻撃によって二機とも大爆破!!うち一機はパトカーのボンネットに落下して炎二倍増しの大爆破!!このアクションシーンの締め括りとなるパトカー軍団の大爆破シーンは、最高潮を達したと言い切って良し!!

クライマックスは、ラマーの地下アジト(エリア55という名の軍事施設)で壮絶な銃撃戦が繰り広げられ、これまた最高!!

80年代後期からB級のイメージが定着したロイ・シャイダーは、この頃から大統領役がすっかりと板に着いてしまった感がある。また、タランティーノ作品の常連役者マドセンは後半のグラサンにブラックレザージャケット姿が超クール!!スーパーモデル出身のアンジー・エバーハートの魅惑的な悪女役もインパクト大!!

本作、劇場公開される予定でチラシまで作られていたが、結局はビデオスルーとなってしまったのだ!!ド迫力なアクションが徹底して描かれていたのだから、小規模公開くらいなら良かったかも…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

男一匹ガキ大将

「週刊少年ジャンプ」に掲載されていた本宮ひろ志原作の人気マンガを勝プロダクションと東宝が実写映画化した青春アクション。

開巻から第一の見せ場が用意される。主人公である西海高校の戸川万吉(酒井修)がたった一人で同校のライバル・権太とその手下たちを相手に大バトルを繰り広げるケンカ・アクションが観られる。

その後、脱獄囚二人組が工場から盗んだダイナマイトを持って漁村に逃げ込み、万吉と仲良くなった足の不自由な女・友子を人質に小屋に立て篭もる事件が発生し、万吉はたった一人で友子の救出に向う。このシーンでは、ダイナマイトを使った爆破シーンが観られるのだ!!だが、本作が爆破アクションを押し出した作品でないのは判り切ったこと。派手に燃え上がることなく、煙が吹き荒れるだけ。そして、万吉が二人組を蹴散らしている最中、友子に奇跡が!!そう、歩けるようになったのだ!!『アルプスの少女ハイジ』の名シーン「クララが立った…」のように!!友子が地面に落ちている火の付いたダイナマイトの爆発を防ぐべく立ち上がり、踏んづけて火を消したのである。これが第二の見せ場である。

第三の見せ場は、この事件をきっかけに英雄となった万吉が、合気道の達人でもあるクソ坊主(笠智衆)と対決するシーンだ。スローモーションで豪快さを醸し出した投げ飛ばされるシーンも印象深くて面白いが、何よりもこのクソ坊主の存在が良い!!

その後、東京からやってきた銀次とのバトルが観られたりとこの調子でラストを迎えるのかと思いきや、中盤以降で可笑しな方向へと向ってしまう。それは、万吉が乞食軍団に出くわすシーンなのである。乞食軍団は、「ウヒャヒャヒャ…」と薄気味悪い笑い声で両手を前に差し出して万吉を囲んで寄ってたかるのだ。コレがまさにゾンビ映画のワンシーンのようで面白いのだ!!こんな珍味が味わえるとは予想外だったのだ!!乞食大将の坊谷津役に製作担当でもある勝新太郎、ナンバー2的存在の源氏役に津川雅彦とビッグスターが演じているのだ!!

その後は、しっかりと軌道修正してクライマックスを迎える。とにかく、印象的な見せ場を随所に散りばめているという工夫と努力は、大いに認めてよろしい。

ちなみに、原作者の本宮ひろ志や後のロッキード事件で児玉誉士夫邸にセスナごと突っ込んで玉砕した日活ロマンポルノ役者の前野霜一郎も出演している。

| | コメント (0) | トラックバック (0)