2009年11月11日 (水)

ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵<パブリック・エネミー>No.1と呼ばれた男 Part2ルージュ編

伝説的なフレンチ・ギャング=ジャック・メスリーヌの生涯を描いた二部作の完結編。

今回はフランスに戻ったジャック(ヴァンサン・カッセル)が銀行強盗と脱獄を重ねた相変わらずの社会の敵No.1から壮絶な人生の閉幕までを描く。

第一弾同様にかつてのフレンチ・ギャング映画らしい残忍バイオレンスや銃撃戦、カークラッシュ、パトカー爆破炎上といったアクションシーンが面白い。中でも、元警官の新聞記者をボコボコにするリンチ制裁シーンはかなり痛々しいため、強烈なインパクトを与えてくれる。

ヴァンサン・カッセルは役作りのために体重を20キロも増量させたのである。そんなヴァンサンが服を脱いだときに観られるメタボ腹も印象的だ。

【70点】

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ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵<パブリック・エネミー>No.1と呼ばれた男 Part1ノワール編

フランスの伝説的ギャング=ジャック・メスリーヌの壮絶な生涯を描いた二部構成からなる作品の第一弾。ジャック役は、ヴァンサン・カッセル。監督は『アサルト13 要塞警察』のジャン=フランソワ・リシェ。

本作ではジャック・メスリーヌが犯罪に手を染め、チンピラギャングから社会の敵No.1になるまでを描く。

民家での強盗に始まり、銀行強盗、殺人、脱獄と悪事を働く。妻との間に子供が産まれたことから一度は正業に就いて堅気に戻るが、会社の事情で解雇されてしまってからは再びかつての仲間とともに悪の道に戻ってしまう。しかも、忠告する妻に暴行を喰らわせてまでだ。このような日本の任侠ヤクザ映画テイストも印象的だ。

フランス映画である本作は、かつてのフレンチギャング映画ならではの痛々しい描写がしっかりと味わえるのが好ポイントだ。ジャックがムショで看守から喰らわされるリンチシーンは、70年代女囚映画や松方弘樹の『脱獄・広島殺人囚』、『暴動・島根刑務所』、『強盗放火殺人囚』の“ムショ三部作”を思わせる。とにかく酷な描写に仕上がっている。続く脱獄シーンは観る者を釘付けにさせるほどであり、緊張感がしっかりと伝わってくる。ジャックが脱獄したムショに舞い戻って仲間を解放するという危なっかしく思えるシーンでは、銃撃戦やパトカーの爆破炎上といった見事なアクションが観られる。

ジャックの華やかな女関係も印象深く、ちょっとしたエロスシーンも見所の一つだと言える。

【75点】

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2009年11月 1日 (日)

スペル

今では『スパイダーマン』シリーズでお馴染みとなっているサム・ライミ監督が原点回帰という形で作り上げたホラー作品。

銀行のローンデスクで働くクリスティン(アリソン・ローマン)はアシスタント・マネージャーのポストに就くため、上司ジャックス(デヴィッド・ペイユー)に仕事ができることをアピールする必要に迫られていた。そんな時、ジプシー風の不気味な老婆ガーナッシュ夫人(ローナ・レイヴァー)が来店し、三度目の不動産ローンの延長願いを申し出るが、クリスティンはジャックと相談の上、これを拒否する。その瞬間、ガーナッシュは突然マジギレしてクリスティンに突っ掛かるが、警備員に取り押さえられて退店する。その夜、仕事を終えて駐車場に向かったクリスティンは再びガーナッシュに出くわし、襲撃される。別れ際に夫人から死の呪いをかけられたことからクリスティンの身辺では奇妙な出来事が続々と発生し、恐怖のえじきになってしまう。

本作の面白さは、何と言ってもクリスティンの身に起きる数々の恐怖とガーナッシュ夫人の気味悪さ全開のキャラだ。

とにかくショッキングな描写は観る者の印象に残るような強烈なインパクトで描かれている。印象的なモノを挙げると、クリスティンがガーナッシュにまるで唇を奪われるかのような勢いで喰らいつかれたり、クリスティンの突然の鼻から大量出血。これらの描写は、一度観ると忘れられないほどであり、魅せ方も巧い。他にもグロテスクが追求されたホラー好きにはたまらないネタがじっくりと凝縮されている。また、これらの描写にユーモアが感じられるのもライミ監督ならではの味付けであり、本領を発揮していることがわかる。

また、ハンカチやハエを使った不気味なムード作りの秀逸さ、クリスティンの彼氏で大学教授クレイ(ジャスティン・ロング)やクリスティンをサポートする霊能力者ラム(ディリープ・ラオ)らの存在感の大きさが面白さを引き立てている。中でもクリスティンとクレイの恋人同士の強い信頼と絆はとても味わい深く、劇中でのショッキングや恐怖を和らげ、ちょっとした安心感を与えてくれる。

サム・ライミ監督の久々のホラー作品は、とにかく面白さを存分に楽しませてくれる!!

【85点】

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2009年9月 6日 (日)

幸せはシャンソニア劇場から

不況真っ只中の1936年、パリ。長年に渡って人々に愛されてきた下町のミュージックホール、“シャンソニア劇場”が経営不振から突然閉鎖することになり、裏方として働いていたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は当然の如く失職し、酒に溺れる日々を送ることになる。挙句の果てには保護者失格として息子ジョジョ(マクサンス・ぺラン)とも引き離されてしまう。愛息子を取り戻すべくピゴワルはかつての仲間たちとともに劇場再建に乗り出すが・・・・・・。

本作の面白いポイントと言えば、やはりミュージカルテイストを取り入れていることであり、登場人物たちの歌声やボードビリアンによるネタ魅せであり、ノスタルジックな楽曲や笑いが味わい深い。中でも美女ドゥース(ノラ・アルネゼデール)の歌声は秀逸であり、最も魅力的だ。ラストはミュージカルの面白さが最大に発揮され、ラストシーンに相応しい華やかな出来栄えだ。様々な歌やダンスがゴキゲンな気分にさせてくれること間違いなしだ。

ピゴワルとジョジョの父子の絆、ドゥースとミルー(クロヴィス・コルニアック)による恋愛関係といった描写もドラマに深みを与えていて印象深い。また、不況や様々な困難に負けじと劇場復活のために頑張る人々の姿も良い。

個人的には、本格的なミュージカル映画として作られていたら、もっと良かったことだろう。

【70点】

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2009年9月 2日 (水)

サブウェイ123 激突

70年代を代表する傑作サスペンスとして今もなお語り継がれている『サブウェイ・パニック』(74)を舞台を現代に変えてリメイク。監督は、大作系娯楽アクションのヒットメーカーであるトニー・スコット。主演は、デンゼル・ワシントンとジョン・トラヴォルタというハリウッドが誇る二大スターのW主演ときたもんだから凄い作品、面白いに違いないと観る前から大きな期待を抱かせてくれる。

ニューヨーク。ぺラム駅1時23分発の電車を四人組の男がジャックした。グループのリーダーであるライダーと名乗る男(ジョン・トラヴォルタ)が一車両だけを切り離して乗客を人質にし、運行司令室に無線で連絡する。この無線を受けた指令係勤務の職員ガーバー(デンゼル・ワシントン)が交渉役に指名され、59分以内に身代金1000万ドルを用意するようにと市長に伝えさせる。ガーバーとライダーの無線を通じての頭脳戦は、ヒートアップしていくが・・・・・・。

本作の面白さと言えば、何と言ってもガーバーとライダーの無線での“口撃”であり、この頭脳戦、駆け引きの模様を緊迫感を張り詰めさせて臨場感たっぷりに描き出している。これが観る者をハラハラドキドキさせてくれるのである。また、“何故ガーバーが交渉相手に指名されたのか?”やガーバーが抱えている秘密といった謎が用意されており、観る者を作品の世界へとグイグイ引き込ませ、この先の展開を気に掛けさせる。このような感じでサスペンスとしての面白さは十分に味わえるのだ。

また、アクション映画の要素も取り入れられているが、基本的にはサスペンスに重点を置いているため、ド派手なモノは用意されていない。身代金を運搬する市警のパトカーがタクシーとクラッシュしたり突然追突されて激しく横転してしまうというちょっとしたカークラッシュや終盤でのライダー以外の三人の犯人と制服警官軍団による銃撃戦ぐらいであるが、それでも面白さを引き出すための役には立っているので良しとする。

上映時間は、105分と二時間もない。ハリウッド大作を気軽に楽しみたいという方にオススメしたい。デンゼルとトラヴォルタの演技合戦、面白味のあるサスペンスを味わおう!!

【70点】

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2009年8月25日 (火)

30デイズ・ナイト

この世に多く存在するヴァンパイア系ホラー作品。先般公開された『トワイライト 初恋』と後に公開が控えている二本の続編は、従来のこの手の作品とは全く異なる作風で新種のヴァンパイア映画として記憶に新しい。そんな中、またもや異質のヴァンパイア映画が生み出された。原作は、スティーヴ・ナイルズによるグラフィック・ノベルの人気シリーズでこれを監督としても名高いサム・ライミがプロデュースし、『トワイライト』シリーズ第三弾を手懸けることが決定しているデヴィッド・スレイドが監督を務めた。

アラスカ州の小さな街バロウ。ここは、冬になると太陽が24時間昇らない極夜(白夜の反対)が訪れる。ヴァンパイアたちは、30日間にも及ぶ極夜シーズンを狙って街に出没し、人々を襲撃しては生血で欲望を満たす。保安官エバン(ジョシュ・バーネット)が街と生き延びた仲間を守るべくヴァンパイアたちと壮絶なバトルを繰り広げる。

ヴァンパイア映画と言えば暗い夜のシーンでお馴染みだが、本作では一日中太陽が昇らない、それが30日間続くという同じ暗いシーンでもこの一風変わった設定がユニークだ。おまけに外は雪がチラチラ、挙句の果てには吹雪が吹き荒れるのだからかなりキツい状況。トドメとしてヴァンパイアたちの仕業で街中が停電し、電話も不通になってしまうという最悪事態となってしまう。このような工夫を施した設定が劇中で描かれるホラー、サスペンス、サバイバル劇を面白くさせるのである。

また、登場するヴァンパイアたちも定石通りにならないように工夫が施されている。観た目はごく普通の人間に尖った牙、鋭い爪という感じ。これがまた凄まじい身体能力、怪力、そして残酷さと凶暴さを持っており、ヴァンパイアの要素にゾンビの要素をプラスしたような感じである。ヴァンパイアが魅せつける血生臭い恐ろしさが第一の見せ場となるが、スプラッター系のようにグロテスクを追求しすぎたりせず、魅せるべきところは魅せてそれなりに抑えるという感じだから丁度良い描き方だと言える。

淡々としたタッチでストーリーは展開され、ヴァンパイアによる襲撃シーン等で相応しいBGMを使用し、全体的に緊迫感を張り詰めさせたりという具合はサスペンス・ホラーならではの雰囲気が味わえる。また、アクションシーンはヴァンパイアたちを銃で撃退したりといった近年のゾンビ映画っぽい感じの描き方となっている。これを斬新な映像で魅せつけ、テンポ良く勢いのあるシーンとして仕上げている。

とにかく本作や『トワイライト』シリーズのようにヴァンパイア作品は趣向を凝らせば新しいモノが出来上がるのである。今後も従来のモノとは違った風変わり系ヴァンパイア作品が生み出されていくことだろう。

【60点】

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2009年8月 7日 (金)

G.I.ジョー

人気アクション・フィギュアから生まれたTVアニメ『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』に基づいて実写映画化されたアクション作品。

癌治療薬としてNATOが開発した緑色の化学物質ナノマイトは、金属をも溶かしてしまうとてつもない性質を持っている。これを凶悪なテロリスト集団コブラに強奪されてしまう。コブラの悪行が世界各地を襲撃している中、アメリカ政府が最後の切り札として世界中の精鋭を集めた国際機密G.I.ジョーを送り込む。特殊なハイパースーツを身に付け、様々なガジェットを駆使してコブラと激しいバトルを繰り広げる。

監督は『ハムナプトラ』シリーズのスティーブン・ソマーズ。製作スタッフは同じく人気のおもちゃの実写化である『トランスフォーマー』シリーズのチームである。

開巻直後に凄まじい爆撃戦が展開され、ここで観る者を存分に楽しませてくれる。とにかくド派手で迫力満点の一言に尽きる。その後も中盤あたりではパリの市街地を舞台に壮絶なカーチェイスが繰り広げられる。このシーンはアクションの最大の見せ場でもあり、とにかくスピーディーに描かれていてテンポはすこぶる良い。車は横転、クラッシュ、さらには爆破も観られる。トドメとしてエッフェル塔の倒壊シーンに突入し、これがまた観る者を驚愕させ、スケールの大きさを倍増させる。他にも本作でハリウッド映画進出を果たした韓流スターのイ・ビョンホン扮する白ずくめの忍者っぽい敵ストーム・シャドーとのキレ味抜群のソードアクションやVFXを駆使した刺激的かつ荒唐無稽なハード・アクションが思う存分に楽しめる。見応えはかなり最高であり、これだけでも観る価値は大アリだと断言できる。

キャストも良い味を出している。G.Iジョー側は、主人公デューク役のチャンニング・テイタム、女戦士スカーレット役のレイチェル・ニコルズ、デュークの相棒的存在リップ役のマーロン・ウェイアンズが得意のコメディー要素を活かしてコミカルに演じ、司令官ホーク役のデニス・クエイドが渋いイメージで演じた。コブラ側は、先述したイ・ビョンホン、セクシーかつクールなイメージで女性悪役バロネスをシエナ・ミラーが演じ、登場人物の中でも一番美味しくて印象深いと言える。

人気のおもちゃの映画化と言えば、最近第二弾が公開された『トランスフォーマー』シリーズが有名だが、古くはドルフ・ラングレンの『マスターズ 超空の覇者』もそうであった。アメコミの実写映画化が多く製作される中、今後はこの手のトイムービーというものが多く製作されることだろう。

【75点】

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2009年7月13日 (月)

シェイマス

70年代を代表するアクションスター、バート・レイノルズが一匹狼の中年私立探偵をタフガイのイメージを存分に発揮させて演じたハードボイルド系サスペンスアクションの傑作。

パパスという男が妻とともに二人組の武装犯に焼殺された翌日、私立探偵マッコイ(バート・レイノルズ)のもとに大資本家ヒューム(ロン・ウェイアンド)から焼殺犯人とパパスの手元から奪われたダイアモンドの捜索を依頼される。マッコイは調査を進めていくうちに武器密輸に絡む巨大な陰謀が明らかになってくるのだが・・・・・・。

監督はバズ・キューリックでド派手な演出はないもののサスペンスと地味なアクションを織り交えてハードボイルド作品として仕上げた。見せ場のアクションシーンをもっと強化していれば見応えのあるアクション作品として仕上がっていたと思えるが、そこはレイノルズのキャラクターの活かし方で巧くカバーできていた。

見所は、やはりレイノルズの活躍ぶりだ。男臭いレイノルズが敵をボコボコに殴って蹴りを喰らわせる。また、中盤あたりで観られる見せ場では追っ手から逃れるために突っ走り、弾丸を避け、少し高さのある建物からジャンプしたりといった明朗快活ぶりが好印象であると同時に本作で描かれるアクションシーンの中ではかなりテンポが良くて面白さをしっかりと味わえる。終盤あたりではちょっとしたカーアクションも観られ、スピーディーなカーアクション映画に比べるとパワーダウンしているがなかなか面白く描かれているので良いと思える。

レイノルズがビリヤードの玉突き台を寝床にしていたり服を着たままで風呂に入っていたりという風変わりな一面が伺える点も面白可笑しくて印象深い。

【60点】

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2009年6月19日 (金)

人生に乾杯!

ヨーロッパの小国ハンガリー発のクライム・コメディーである本作は、単なる地味な小品ではない。長編初挑戦のガーボル・ロホニ監督がなかなか面白いドラマとして仕上げてくれたのである。

81歳のエミル(エミル・ケレシュ)と70歳のへディ(テリ・フェルディ)の老夫婦は年金だけでは生活ができず、おまけに借金の取立てに追われる日々を過ごしていた。ある日、二人の出会いのきっかけであったへディの大切なダイヤ製イヤリングまでもが借金のカタに取られてしまう。エミルは愛車チャイカに乗って単独で郵便局強盗をやらかす。一方、へディは警察側に協力していたもののエミルと合流してからは二人で強盗事件を重ねて逃避行を繰り出す。

老夫婦による強盗劇、逃走劇をメインに描きながら高齢者に冷たいハンガリー社会を浮き彫りにし、シニカルとユーモラスを交えて批判して世間に訴えかけている。これが本作の重要なポイントだ。二人が強盗を重ねていくうちに世間の高齢者たちは二人の行動に共感を覚え、模倣犯までもが続出してしまう。また、被害に遭った者も二人を良い方向に捉えてしまう。社会的弱者である高齢者たちが二人の行動に勇気づけられて立ち上がる姿勢は心を揺さぶられ、清々しく思えるが、やっていることが立派な犯罪だと思うとやはり共感はできない。TVレポーターが市民にインタビューする中で「高齢者全員が悪者に見える」という高齢者に対する冷たさを感じさせる意見と「子供たちを外出させるのが不安」という強盗犯罪を否定する意見が映し出され、観る者を複雑な気持ちにさせる。

二人の犯行手口はユニークであり、この着想は面白い。高齢者ということなのか拳銃を手にしていてもド派手にブッ放したり攻撃的で汚らしい口調で脅したりせず、“紳士的”にやってのけるだ。我々が高齢者に対して抱いている優しいイメージが感じられる。強盗をネタにしたクライムドラマは多々存在するが、本作で観られる手口は明らかにありきたりのものとは全く違っており、まさに新味だと言える。

二人を追跡する警察側の描写も優秀であり、これが刑事ドラマさながらの面白さを堪能できる。だからといって手に汗握るようなド派手な追跡劇やアクションの見せ場はほとんど描かれない。それでも刑事ドラマ、ポリスアクションでよく観られるような描写がチラホラと映し出されているので本作が手の込んだ作品であることに納得できる。

ラストではこれまた面白いドンデン返しが待ち受けている。“高齢者版ボニーとクライド”とも言えるエミルとへディはどうなるのか?本家のように蜂の巣にされてしまうのか?それとも、人生に乾杯できるのか?

【70点】

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2009年4月24日 (金)

ゾンビ・ストリッパーズ

第四期目に突入したブッシュ政権。戦争は各国で続けられている。だが、兵力は不足状態へと陥り、これを機に軍とW産業は死者を甦らせるゾンビウイルスを開発する。だが、研究所内でウイルスが蔓延し、感染者はゾンビとなって増殖していく。ゾンビを蹴散らすべく乗り込んできた兵士も感染してしまい、その一人が違法ストリップ劇場に逃げ込む。そこの人気ストリッパーのキャット(ジェナ・ジェイムソン)がゾンビに噛まれてからは、劇場がとんでもないことになってしまう。

ゾンビ映画とストリップ系ソフトポルノが融合し、両種の面白さが巧く絡み合っている。そこにアクション描写やちょっとしたコメディーテイストも加味して面白さに磨きをかける。

序盤では兵士たちが銃やマシンガンでゾンビを撃ちまくるというよくありがちなシーンが観られ、これはこれで面白く観られる。その後は、成人男性にとっては嬉しく思えるジェナ・ジェイムソンらのセクシー度満開のショータイムが連続する。ポルノ界のトップに君臨していたジェナのナイスバディーな美裸身を存分に味わえる一方、ストリップ経験のある彼女が魅せるポールダンスは圧巻だ。彼女がゾンビ化してからは、凄まじい能力を身につけ、ハイテクニックなショーを披露し、観る者を驚かせる。観客であるエロ男が彼女に引っ張り出されて個室で恐ろしくて痛々しいセクシーサービスを受けてゾンビ化し、さらにジェナに続いて二人のストリッパーがゾンビ化する。客も彼女たちのセクシーサービスによってだんだんゾンビ化していく。恐怖とパニックにまみれたこの劇場は何故か大繁盛し、ロバート・イングランド扮する悪徳オーナーが荒稼ぎしていく。三人のストリッパーの容姿がゾンビ化してからは、ゾンビ映画ならではのグロテスク描写がさらに強調され、面白さもヒートアップしていく。ラストは、序盤に登場した兵士たちが再登場し、劇場内のゾンビ軍団を銃で蹴散らしていく。

史上最低の映画監督エド・ウッドが脚本を書いて製作したB級ならぬZ級ストリップ・ホラー『死霊の盆踊り』(68)が甦ったかのような作品であるが、面白さは本作の方が遥かに上である。

エロ・グロ・ナンセンスを魅力的に描ききった本作は、低俗な作品であることに間違いはないが、しっかりと楽しめる作品として仕上がっているのが何よりも良い。

【75点】

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