日本映画 さ行

獣人雪男

東宝の特撮映画の第4弾として製作された超問題作。『ゴジラ』に続いて、宝田明と河内桃子がカップル役を演じた。もちろん、監督は東宝特撮映画のカリスマである本多猪四郎で、あの岡本喜八がチーフ助監督を担当!オマケに、特技監督担当の円谷英二は東宝映画専属になって間もない頃だったとのこと!!それゆえに、スゲェ貴重な1本なのである。

遭難しかけたK大山岳部員の飯島は、雪男を神と崇める村に住む娘チカに助けられた。そして、雪男を狙った悪徳興行師たちが部員の後をつけて村に乗り込んできた時、雪男がブチギレて人々を襲撃!

本編開始から約40分後に雪男が姿を現す。まぁ、ルックスは前頭部をハゲ散らかした類人猿って感じ(笑)。当然、雪男の暴れっぷりが見どころ。悪徳興行師の大場らが一儲けするべく、雪男を眠り薬で昏倒させ、檻に監禁してトラックで運搬。その際、雪男の子供が高所から檻に飛び移ってきたため、飯島らが銃殺!怒り心頭の雪男は檻から脱走し、大場らをトラックもろとも崖から突き落とす!!さらに、人間に対する復讐心を胸に秘めた雪男は、飯島のカノジョである道子を拉致する。この雪男…完全に凶暴なモンスターかと思いきや、チョット可愛そうな感じもするよね。

本作は、ソフト化やTV放送(CSなども含む)も非常に困難な封印作品=放送禁止作品として有名。問題のシーンは、チカたちが住む村の描写である。怒り狂った雪男が村を襲撃して炎上させるシーンをはじめ、本編中に“部落”というセリフが二度も登場するため、「差別を助長させるかも⁈」との意見もある。実際、故意に差別を描いているわけではないけどな…。でも、確かに同和問題に関する知識のある者にとっては、この村の特殊性が十分に理解できるハズだ。だからこそ、ヘンなトラブルを避けるために、あえてオクラ入りさせている感じやな。かつて、本作の海賊版VHSが出回ったらしいが、もちろん今となっては入手困難。それだけ、レアな傑作なのである。

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ザ・ゴキブリ

渡哲也がダーティハリー顔負けのアウトロー刑事に扮したポリス・アクション『ゴキブリ刑事』の第二弾。今回も渡扮する鳴神刑事のルックスは、もちろんレイバンのグラサン&角刈り!そう、『大都会』シリーズの黒岩頼介刑事&『西部警察』シリーズの大門圭介刑事の原点!!

鳴神が着任した都市は、十文字会系黒田組、公害企業・東邦化学の志村(南原宏治)、市政審議会の大山(河津清三郎)、右翼の大物である児島(丹波哲郎)が結託し、牛耳っていた。鳴神は街を汚す“ゴキブリ”を駆除するべく独自の荒くれ捜査を開始…。

OPクレジット直前から石原プロお得意の爆破アクションが炸裂。黒田組長(安部徹)の片腕を撃ち落したことでムショ暮らしを送っていた元刑事の山岡(峰岸徹)の出所を出迎えた鳴神は、車を走らせるや組織の刺客から銃撃される。2人が飛び降りた車が敵の車3台にクラッシュしてドッカン!中盤では、ボートに乗った殺し屋が山岡をマシンガン連射で射殺し、鳴神&若手刑事の橋本(沖雅也)もボートに乗り込んでチェイス&ガンファイトを繰り広げ、最後はボートがズドーン!

また、敵の罠にハマった鳴神がピンチ状態から脱出するシーンが今作でも観られる。ゴキブリ化した伊東刑事(青木義朗)の策略によって鳴神は車ごと土砂埋めされてしまうが、銃弾の中から取り出した火薬をハンカチに包み、これを爆破させて見事脱出…どこまでもシブトイ上、ゴキブリの習性を見習って敵から身を潜めるべく薄暗いアパートで暮らす鳴神刑事は、まさにゴキブリ刑事やね~。

計4回の爆破シーンと銃撃、ボート&カーチェイス、血飛沫が飛び散るバイオレンスでスケールは前作をはるかに超越。このスケールのデカさは、『西部警察』シリーズでますますヒートアップすることに…。

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七人の挑戦者

『黒部の太陽』等でお馴染みの熊井啓監督が赤木圭一郎主演作のために脚本を執筆したとのことだが、赤木がゴーカート事故死したことによって二谷英明を主演に迎え、松尾昭典監督が映像化したアクション作品。

福田(二谷英明)率いるジャズバンド”セブンガイズ”は、人気上昇とともに暴力団でもある芸能会社の秋葉プロから様々な嫌がらせを受ける。福田は3年前に恋人の梨絵(沢たまき)を殺され、自身も右手を銃で撃たれて負傷。福田は秋葉に復讐するべくセブンガイズという立派なバンドを結成したのであった。やがて、セブンガイズと秋葉プロの大決闘が繰り広げられることになるのだが……。

殴る蹴るの格闘アクション、大勢での大乱闘、クライマックスでは拳銃も火を噴く…アクション映画としては当時の日活アクション映画らしく地味ではあるが、勢い良さは感じられるため、観ていて清々しいし、役者たちもイキイキと暴れまわってくれているのが好印象。

もう一つの見所と言えば、セブンガイズによる演奏の数々だ。さらに、客席にいる桂小金治師匠のとぼけた小言も持ち前のコメディー・センスを発揮していてよろしい。

主演の二谷英明は、リーダー的存在を発揮している上に殴る蹴るのアクションもしっかりと頑張っていることから好感が持てる。だが、それ以上に強烈なインパクトを残すのが、小高雄二扮するトランペット担当の村上だ。影のある役柄で、クライマックスのアクションシーンでは見事なガン裁きも披露。ちなみに、本作は和泉雅子のデビュー作でもあるのだ。他にも、葉山良二、吉行和子、沢本忠雄、悪役の神山繁&内田良平、「ジングルベル」を歌う沢たまき…脇を固める演技人の存在も忘れ難い。

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地獄甲子園

「月刊少年ジャンプ」にて連載されていた漫☆画太郎の原作を実写化したスポ根スプラッター・アクション・コメディーで、監督は本作でデビューを飾った山口雄大。

星道高校野球部は甲子園出場が決定したが、予選で対戦する外道高校は野球を殺しができるゲームと捉える殺人集団。星道高は、三年前に外道高の残酷極まりないやり口で散々な目にあった。ある日、転校生の野球十兵衛(坂口拓)がヤンキー相手に凄まじい喧嘩をしているところを校長兼野球部監督が目撃し、野球部にスカウトする。両校が甲子園を目指して壮絶な喧嘩野球を繰り広げるのであった。

本作では、我々が知っている野球…描かれていない!!野球を意識したケンカバトル、殺し合いが描かれるのだ!!それが、本作最大の見せ場なのである!!ワイヤーやCGを駆使し、原作がマンガだけにマンガチックな荒唐無稽ぶり全面に押し出して描かれるのだ!!

また、面白可笑しいギャグも散りばめたり、ユニークなキャラクターの個性もしっかりと浮き彫りにしたり…というように面白い作品を作るための努力や創意工夫がしっかりとなされているのだ!!まぁ、明らかに好き嫌いが分かれるような作風ではあるが、そういったポイントは高く評価したい!!

特筆すべきポイントは、ババァ役の三城晃子が坂口拓を相手に凄まじいアクションを披露するシーンだ!!三条はアクション経験がまったくない年配女性だが、このシーンのために訓練に訓練を積み重ねて撮影に臨んだとのこと!!それだけに隙や不自然さは観ていて感じられなかった…。

アクションとおバカな描写を楽しむ作品!!あくまでも野球を期待しないように!!

 地獄甲子園 <通常版>

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新宿アウトロー ぶっ飛ばせ

藤田敏八監督によるクライム・アクションで、渡哲也&原田芳雄のセリフのやりとりがほんのりユニークなバディ・ムービー。

死神の異名を取る若きヤクザ西神勇次(渡哲也)が出所し、裕福な家で育ちながらもマリファナ密売で稼ぐフーテン野郎の松方直(原田芳雄)に迎えられる。直は、勇次のかつての愛人であった笑子(梶芽衣子)の知人で、新宿を拠点とする暴力団・友愛会に3000万円相当のマリファナと相棒の少年を奪われたため、組織から奪還することを目的で勇次に協力を依頼したのであった。やがて二人は組織の本拠に乗り込むが…。

渡哲也が主人公として暴れまわった従来の日活ニューアクションのヤクザ映画と原田芳雄や梶芽衣子が出演した『野良猫ロック』シリーズが融合したような作風。ジープを走り回す原田芳雄、沖雅也扮する力也率いる暴走族…今観てもこれだけはカッコいい!!

渡哲也がビリヤード場から連れ出した三下ヤクザをやたらと殴りまわして痛めつけた上、さらに指数本をひん曲げてしまうシーン…残虐バイオレンスとしての痛々しさが味わえて印象深い!!そして、クライマックスの勇次&直VS友愛会の銃撃戦もそれなりに見応えがあってアクション映画として十分楽しめる出来栄えだ!!

さそりの異名を取る友愛会の用心棒的存在である刑事崩れのヤクザに成田三樹夫が扮し、クールな雰囲気で冷酷さを感じさせる悪役を好演!!そして、地井武男が最後の最後にヘリ操縦士としてセリフなしで登場して間もなく殺されてしまう本当のチョイ役で出演!!

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桜の代紋

若山富三郎主演のバイオレンス系ポリス・アクションで、若山は製作、原作も担当。監督は三隅研次で、本作が最後の現代劇担当となった。

暴力団も一目置くほどの究極のアウトロー刑事・奥村(若山富三郎)が警察内部の腐敗を暴くと同時に巨大暴力団・西神会を手荒なやり口で壊滅させるまでを描く。

同じく若山主演で勝プロ製作『子連れ狼』シリーズ同様、本作でも血生臭さと強烈なバイオレンスがインパクトを与えてくれる!!ナイフで腹を刺されたり、ドスで首を斬りつけれたりしたときに観られる血が勢いよく飛び出すシーンは、勝プロダクションの真骨頂と言っても良いだろう!!また、拉致された妻(松尾嘉代)を奪還するべく辞職も覚悟で西神会に乗り込んだ奥村が喰らうリンチ制裁は、ヤクザ連中のやり口、奥村の傷まみれの顔から観てもかなりドギツくて痛々しいのだ!!

奥村が西神会の若頭で警官を殺害した杉山(石橋蓮司)の口を割らせるためにも徹底的にいたぶるシーンも忘れ難い!!杉山が口を大きく開けて居眠りをすれば奥村が口の中にお茶を流し込んだり、お互いに柔道着を着込んで署内の道場で豪快に投げ飛ばしたり、蹴りを喰らわせたり…とにかく印象深過ぎて忘れられないシーンが盛りだくさんなのだ!!

共演者も今となってはかなり魅力的!!奥村の後輩刑事・加藤に扮するのは今となっては役者のイメージなんかはとっくの昔に忘れ去られて司会者としてのイメージが定着している関口宏!!中盤で殺されてしまうが、奥村とは正反対の真面目な刑事を好演!!西神会の会長を大滝秀治が扮し、最終的には奥村が撃ち放つ拳銃でメッタ撃ちにされて血をドクドク流して死亡!!他にも奥村の上司である捜査四課々長に須賀不二男、県警本部長に内田朝雄と悪役のイメージが強い役者が警察関係者に扮しているところもユニークだ!!

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続・女の警察

小林旭主演のセクシー・アクション『女の警察』シリーズ第二弾。監督は前作に引き続き江崎実生。

ホステスたちをヤクザなヒモから守る暁興業の人事兼保安部長の篝(小林旭)が死んだかつての恋人の姉が経営するクラブ”アロン”を悪辣な手口で乗っ取ろうとする暴力団の阿久根組を相手に大暴れする…というお話。

前作で印象深く描かれたアキラと女のベッドシーンにおけるまとわりつくようなセクシー描写も堪能できるものの、前作に比べるとやや控えめ。その分、今回はアクションがしっかりと描かれているのがナイス・ポイントだ!!

冒頭でアキラと弟分ジョー役の郷鍈治がひと暴れ。終盤ではこのタッグに加えて藤竜也扮するトップ屋を加え、トリプルプレイでヤクザたちとバトルを繰り広げるが、郷は焼け死んでしまう。最後はアキラと藤竜也が郷の仇を取ると言わんばかりに数名のヤクザを蹴散らしてメデタシ!!

青江三奈が今回も主題歌と劇中の挿入歌を聴かせてくれるのだ!!

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前科 ドス嵐

渡哲也の日活ニューアクション『前科』シリーズ第二弾で監督は前作に引き続き小澤啓一。

四年の刑期を終えて出所した松永竜次(渡哲也)は所払いとなって博徒の長老である千石(中村竹弥)宅に居候する。だが、竜次は安西(青木義朗)と高浜(深江章喜)の抗争に巻き込まれた挙句に千石や昔の友人である唐島(佐藤允)までもが安西の悪辣なやり口によって殺されてしまう。竜次は単独で安西に挑むが……。

続編といってもストーリーや設定は前作とはまったく異なる。渡哲也扮する主人公の名前は竜次でも苗字は大原から松永に変更され、軽いノリは観られず終始“無頼”なキャラで一貫。

ヒロインもお馴染みの松原智恵子から麻生れい子に変更!!東宝出身の佐藤允や森光子、奈良岡朋子というキャスティングが異色を感じさせる。主な悪役は前作同様に青木義朗と今井健二。また、宍戸錠が特別出演という形でOPクレジット前にあっさりと殺されてしまう。

クライマックスは竜次が青木義朗扮する安西にたった一人で殴り込み、血で血を争う凄惨な殺し合いを繰り広げる!!竜次、安西と配下の連中がドスを片手に斬りつけ、刺しかかり、流血する。

主題歌は前作に引き続き渡哲也歌唱「俺は前科者」!!

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前科 仮釈放<かりしゃく>

渡哲也の『無頼』シリーズに続く新なるシリーズ。監督は小澤啓一でヒロインはお馴染みの松原智恵子。

傷害致死事件で七年の実刑を喰らった大屋根組のヤクザ・大原竜次(渡哲也)が入獄から四年後に仮釈放でシャバに戻ってくる。だが、親分は既に殺され、組織は幹部の井村(内田稔)が仕切っていた。実は、井村が敵であるはずの新竜会幹部・大柴(青木義朗)と結託して組長を殺害したことを知った竜次は、次第に怒りを露にして復讐に挑む。

『紅の流れ星』以来となる渡の軽ノリなキャラは要注目モノ。眉間に皺を寄せた鋭い眼光からは男の怒りを感じさせ、敵対するヤツには凄んでみたり…といったところは『無頼』シリーズや後の同趣向の作品でもお馴染み。杉浦五郎(『紅の流れ星』)+藤川“人斬り”五郎(『無頼』シリーズ)=大原竜次なのである。

随所に観られる殴る蹴るの格闘、ドスを片手に大いに暴れまわる…といつたバイオレンス・アクションが観られる。中でも、竜次と今井健二扮する親分を殺した小山が繰り広げる雨が降る中での泥水にまみれた死闘は大きな見せ場の一つだと言える。

竜次を慕うチンピラに沖雅也(クレジットは“新人”表記)、負傷した足を引きずって歩く竜次の兄貴分に大木実、竜次の昔馴染みのスケに杉本エマ…脇を固める役者たちのキャラクターも好印象だ!!

OPクレジットとラストで流れる渡哲也歌唱の主題歌「俺は前科者」は、『無頼』シリーズ第四弾から第六弾の主題歌「無頼 人斬り五郎」同様にレコードはリリースされておらず、聴けるのは映画本編だけ!!両曲とも明らかに要注意歌謡なのだ!!

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学生<セイガク>やくざ

実録ヤクザ路線真っ只中の東映によるヤンキー+任侠にカラテ・アクションを少々という感じのアクション映画。

まずは、主演の渡瀬恒彦のルックスがインパクト大!!学ランに山高帽、片手にステッキ…思わず「なんじゃそれ?!」とツッコミを入れたくなってしまうほどだ!!オマケに、学ランの下はさらに空手着だ!!まぁ、今どきこんなヤンキー学生は見かけないが、当時でもこんなヤンキーって見かけなかったことだろう…と思うのだ。でも、これだけでも面白可笑しさを堪能できるので良しだ!!

見せ場のアクションも前半、中盤、後半にしっかりと振り分けて描いており、飽きさせない作りとなっている。中盤過ぎでは警官たちも加勢してバトルはヒートアップする。労働者による暴動で有名な釜ケ崎(あいりん地区)が舞台ということもあって、この見せ場は釜ケ崎の特色を活かせたバトル・アクションとも捉えることができるのだ!!

クライマックスは、渡瀬と菅原文太が壮絶な殴り込みを繰り広げる。本作では脇役で出番も少ない文太も最後は良いところをしっかりと見せつけてくれる!実際に空手二段の渡瀬による格闘アクションも凄まじい。目潰しを喰らわせた上に大流血させるというバイオレンス度も高まり、最高潮に達したのだ!!当時、『仁義なき戦い』シリーズ等で既にスーツ姿の現代ヤクザのイメージが強かった文太が久々に着流し姿の侠客を演じ、これに驚かれた方もいたのでは…?!

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