日本映画 は行

無頼非情

ムードアクションを得意とした江崎実生がメガホンをとった『無頼』シリーズ第三弾。

“人斬り五郎”こと藤川五郎(渡哲也)は渡世の義理を理由に、沢田(葉山良二)を狙った。が、彼の妻・亜紀(扇千景)が心臓病を抱えていることから、五郎は殺しをためらったが、三木本の子分・新開(名和宏)に刺殺された。沢田組が壊滅したのが三木本のイカサマ賭博であることを知った五郎は、三木本の賭場から300万円を強奪するが…。

今回も五郎を取り巻くキャラを豪華スターが演じ、ストーリーに深みを与える。
三木本に嫌気がさして裏切った久保(郷鍈治)を弟分にした五郎はともに建設現場で働き、ホットドッグ屋台にイチャモンをつけるチンピラを蹴散らす。そこで、五郎は孤児だった頃の仲間で、ヤクザ上がりの土木会社の社長・相良(内田良平)と再会。
が、相良の嫁であるクラブ歌手のユリ(藤川リカ)の兄貴はヤクザの古賀(渡辺文雄)で、新開らとともに五郎を狙っていた!
五郎がホットドッグ屋台のオヤジの娘・ケイコ(松原智恵子)に惚れられるのは、定石通りの設定。
さらに、沢田の弟・健二(和田浩治)が兄貴の復讐のために五郎を狙うが、結局は自分の勘違いだったことを知って五郎に加勢する。

もちろん、見せ場のアクションも充実。
五郎が黒ドス片手にキレ味バツグンの格闘アクションを展開。
タイトルバックで渡が歌う「男の流転」が流れる中、五郎は大胆に賭場荒らしを繰り広げるなど、初っ端からカッコいい姿を披露。
後半は大胆な殴り込みで観る者を圧倒させる。
まずは、古賀&新開らに拉致された亜紀の救出&亜紀の身を守るべく殺された久保の復讐劇。
五郎・相良・健二がコイツらと凄惨な大立ち回りを展開するが、クラブで「夜霧の消えたチャコ」を歌い上げるユリの姿と交互に描く。
亜紀の救出に成功した五郎は病床で彼女の最期に立ち合い、相良から健二の訃報を聞いて涙…。
そして、クライマックスは古賀たちを蹴散らすべく五郎は単身で殴り込み!
格闘の際、工場内の棚からペンキ缶が倒れまくり、五郎らはペンキと血にまみれたグッチャグチャに!!

今回も、傷まみれで痛々しい姿の上に汚れまくった五郎の姿から、ヤクザ渡世の厳しさと汚さを映し出したのだ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハレンチ学園

「週刊少年ジャンプ」で連載されるや、その過激なエロネタがPTAからクレームをつけられた永井豪原作の同名人気漫画の実写化。

元気だけどエロい“オヤビン”こと山岸八十八、可愛くて強い“十兵衛”こと柳生みつ子らがクセ者揃いの教師陣とドタバタを展開!

原作でもお馴染みのスカートめくり、パンチラなどの適度なお色気がチラホラ。児島美ゆき扮する十兵衛、うつみ宮土理扮する新任教師の西尾みどり先生は、山岸らにスカートをめくられてパンティ丸出し!一方、藤村や宍戸錠らが扮する教師陣は原作のキャラまんまの衣装でフザケたギャグを繰り出し、笑いを誘う。特に、宍戸錠のウエスタン・スタイルの衣装は、日活無国籍アクション映画でお馴染みだったがゆえに、ピッタリ!!て言うか、錠サンって西部劇好きでも有名で、ウエスタンの衣装をコレクションしてたな…。

本作は日活映画にとって久々のヒット作となったため、3本の続編が製作・公開された。さらに、児島を十兵衛役に再起用してのTVドラマ版がテレ東で放送され、当然の如く“低俗番組”のレッテルを貼られた。それでも、高視聴率をキープした。さすが、エロ番組に積極的なテレ東!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『無頼』より大幹部

藤田五郎の原作「無頼 ある暴力団幹部のドキュメント」を舛田利雄監督が映像化した本作は、日活ニューアクションの先駆け的作品。渡哲也扮する一匹狼的なヤクザ“人斬り五郎”のアンチヒーローぶりを活写。

水野一家の世話になっている藤川五郎(渡哲也)は、対立する愚連隊上がりの上野組に弟分の鈴木(藤竜也)&藤川(浜田光夫)とムショ時代の先輩・杉山(待田京介)を殺されたことから、単身で殴り込みをかける…というお話。

ストーリーは五郎と彼を慕う雪子(松原智恵子)をメインに展開。個々のストーリーを織り成す豪華な演技人はナイスなスパイス。敵対する上野組長(青木義朗)は冷酷さと非情さを併せ持てば、代貸のドス健(深江章喜)は男気を発揮。また、川地民夫扮する上野組々員・藤川勇の弟は五郎の弟分である猛夫!そんな2人の対決シーンこそ異色の兄弟ゲンカ!!

黒い革ジャンに身を包んだ五郎がドスを片手に大立ち回り。大雨ドシャ降りの中、無数のチンピラを相手に斬って刺して殴る蹴る!足を刺されてピンチに陥っても闘い続ける武闘派ヤクザ五郎は、クライマックスでは上野組を潰しにかかる勢いでナンバー1上野を真っ先に刺し、続いてドス健を刺殺。この知らせを聞いた組員が続々と流れ込んで大乱闘!!凄まじいバトルが繰り広げられる一方、ナイトクラブのステージでは青江三奈が「上海帰りのリル」を歌唱。アクションを盛り上げる曲ではないけど、このミスマッチが好印象。

実録テイストのヤクザ映画と言えば東映のイメージが強烈だけど、日活の『無頼』シリーズの方が随分と早かったみたい…。まぁ、生々しさやドギツいシーン、エネルギッシュな作風は東映の作品群の方がウワテやね~(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

人喰海女

新東宝が誇る元祖グラマー女優の三原葉子が初主演を果たしたセクシー・サスペンス。監督の小野田嘉幹は本名の正彦から改名し、本作にて再デビューしたのであった。彼の実弟である東宝スターの平田昭彦もごくわずかながら出演している。

村で一番の美貌と肉体を兼ね備えたサダ(三原葉子)は、村の海女たちの憧れでもある。そんな彼女は、東京の青線で身体を売り、犯罪にも手を染めていたのだ!!彼氏である五郎(宇津井健)との結婚を控えた彼女は、過去を隠すために網元を狙ってやってきた悪漢(丹波哲郎)に身体を差し出してしまった…。

冒頭、砂浜で女同士による泥レス風つかみ合いバトルが観られる!!キャット・ファイトのように衣服を剥ぎ取って裸体を露にすることは一切ないが、馬乗りになって相手の顔面を平手で引っ叩いたりする様子…現代の総合格闘技を思わせる興味深いシーンの一つでもある。コレが現代ならもっとセクシーかつエロティックな描写に仕上がっていただろう…。

三原葉子をはじめ、三ツ矢歌子、万里昌代ら女優陣が着こなす海女衣装の透けて見える乳首…チョイとエロい!!まぁ、今となってはこの程度なんかは甘チャンだが、当時の男性観客はコレだけで悶々したのだろう…。それにしても随所で観られるスケスケ乳首…印象深くて忘れ難い!!

太股とヒップがガッシリとした宇津井健の暴れっぷり、丹波哲郎の悪役…二人の好演もよろしい!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

博徒百人 任侠道

高橋英樹主演、野村孝監督による任侠アクションの第二弾。ストーリー、役名等は前作とは一切繋がりはないが、高橋歌唱の主題歌「博徒一代」と脇を固める宍戸錠、藤竜也、嵐寛寿郎、安部徹は同じ。前作の小林旭、二谷英明、和泉雅子は登場しないが、代わって南田洋子、梶芽衣子、葉山良二、水島道太郎、中丸忠雄と相変わらず豪華キャストなのが魅力。

石津一家の代貸となった梶岡清太郎(高橋英樹)は、賭場にて石津の縄張りを乗っ取ろうと企む三木本と笹井の罠にハメられ、三木本を負傷させ、一年の所払いを喰らって旅に出る。石津親分(水島道太郎)は連合会を辞退したが、再選の席で三木本らに恥をかかされた挙句、その子分どもに殺されてしまう。その後も石津組には嫌がらせが続き、清太郎が戻ってきてからも唯一の稼ぎ場所である石切場が放火されたりとエスカレートするばかり。清太郎は親分衆が集う花会に単身で乗り込み、三木本と笹井に復讐する。

前作同様、クライマックスの殴り込みが最高に面白い。敵も役名は違うが安部徹たち。このシーンにて高橋、藤竜也、宍戸錠、梶芽衣子の四大スターが揃うのも前作同様だが、唯一の女性登場が目先を変えたところ。また、前作では敵キャラだった宍戸錠が今作では見方側なのだ!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

博徒百人

主演の高橋英樹をはじめ、小林旭、宍戸錠、藤竜也、二谷英明、嵐寛寿郎、和泉雅子、山本陽子…と豪華スターが勢揃いした日活任侠アクションで、監督は野村孝。

九州の大親分・村井(嵐寛寿郎)は、縄張りを江頭(佐々木孝丸)と郷田(安部徹)に分け与えた。強欲な郷田は江頭の縄張りを乗っ取ろうとする。江頭の息子・悟(高橋英樹)が下関へ加賀組と阿部組の喧嘩仲裁に出向いているとき、郷田は江頭を殺害。これを知った悟は、父の仇を討つことを誓う…。

クライマックスは、郷田が開催する総長賭博の賭場に悟が単身で乗り込む。そこで小林旭、藤竜也、二谷英明と四大スターが勢揃い。悟がドスで襲い掛かる郷田子分を刺しまくる。中でも、深江章喜の首筋を斬りつけたときに流れる鮮血はこのシーン中では一番インパクトが強い。悟が郷田を追いかけ、外に飛び出すが、そこに待ち受けるのが宍戸錠扮する“匕首の政”。政との一対一の対決を制した悟は郷田を刺す。とにかくこのクライマックス、面白さは最高!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

爆破3秒前

外国のスパイ映画が流行った頃、日本映画でもそれを意識した作品が製作された。日活では石原裕次郎の『夜のバラを消せ』が製作され、裕次郎のライバルでもあった小林旭も負けじと挑戦した。大藪春彦の原作「破壊指令No.1」を井田探監督が映像化したハードボイルド・アクションである。

内務局諜報部の破壊工作員・矢吹(小林旭)は、戦時中に日本軍が某国から略奪した宝石を横領した犯人である高島を追跡するという任務を命じられる。高島のボディガードとして矢吹のかつての同僚・山脇(高橋英樹)が雇われていたのであった。矢吹は、この宝石を狙う国際宝石密輸シンジケートに宝石の在処を知らせて高島側と争わせ、そのパニックに乗じて宝石を爆破させることを目論むが…。

見所は、何と言っても小林旭がバツグンの運動神経を発揮させて危険なスタントに挑むという身体を張ったアクションの数々だ!!特にビルからビルへ飛び移るシーンは、まさにツーカイであり、脱帽モノだ!!他にもロープを伝って滑り降りるシーンなど、アキラの軽やかなアクションがとにかく好印象だ!!アキラと高橋英樹による殴る蹴るの格闘シーンも男の闘いを感じさせる!!

後半になると地雷による爆破が連続し、マシンガンの威勢の良い銃声と飛び交う無数の銃弾という具合の大銃撃戦、アキラが手榴弾を投げ込んで廃屋を爆破させたり…といった見応え十分のアクション演出が存分に味わえるのだ!!

敵キャラの葉山良二や名和宏、妖艶を武器にアキラに迫る應蘭芳、高橋英樹扮する山脇の彼女役の高石かつ枝ら脇役陣も好演!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

二人の銀座

日活スターの和泉雅子&山内賢が歌って大ヒットした「二人の銀座」を鍛冶昇監督が映像化。主演は、もちろん和泉&山内のW主演!!

大学生の健一(山内賢)が公衆電話にて「二人の銀座」の楽譜を拾い、友人たちと組んでいるバンド「ヤング&フレッシュ」でこれを自分たちの曲としてジャズ喫茶にて演奏し、やがて銀座で流行。だが、落とし主であるマコ(和泉雅子)は健一に楽譜を返して欲しいと強く言い寄るが、健一の情熱に負けてしまい、次第に二人は親しくなる。そして、二人はこの曲の本来の作曲者であるマコの姉の元カレを探し出す…というお話。

とにかく演奏シーンが盛りだくさんであり、これだけでも存分にゴキゲンな気分にさせてくれるのだ!!「二人の銀座」だけでも様々なヴァージョンが聴ける!!当然、CDやレコードでは聴けない貴重なレア音源だ!!これだけでも本作を鑑賞する価値は大ありなのだ!!他にも、尾藤イサオやジャッキー吉川とブルーコメッツといったアーティストたちが劇中で歌う姿も貴重だ!!

クライマックスにてジャズフェスティバルに出場したヤング&フレッシュにマコが加わって歌とダンスを披露するシーンの盛り上がりは、最高潮に達していた…。

「二人の銀座」を聴いたりカラオケでよく歌う方、GS(グループ・サウンズ)ファンなら必見の青春歌謡作品だ!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

広島仁義 人質奪回作戦

東映実録路線も終盤に差し掛かった頃に製作された作品。牧口雄二監督のヤクザ映画は、本作のみなのである。

関東同志会の広島進出を撃退した各暴力団組織。この事件で殺人罪に問われ八年の刑に服した大西組幹部の神野(松方弘樹)は出所後、組織を維持しようとする義兄の北条(小林旭)、柏木(地井武男)率いる旭グループの総会屋となった沖本(室田日出男)と手を組んで新たなるスタートを切り出した。だが、資金源である大手企業の東京汽船の裏金利ルートをめぐって激しく対立することとなり、肉親同士の血で血を洗うバトルへと発展する。

『仁義なき戦い』シリーズで定着したと言っても過言ではない広島ヤクザ、酒井哲によるナレーション、スチール処理からは実録路線らしさを醸し出している。だが、随所に観られる神野と妻の涼子(中島ゆたか)のメロドラマ風味の描写が異色感を増大させ、実録路線ならではのギラギラとした情熱、殺伐としたムードを抑制させているようにも思える。

柏木の車に仕掛けられた時限爆弾による爆破、総会屋たちの株主総会大乱闘、当時の外国アクション映画の流行りでもあったカーアクションを少し取り入れたこと、神野がショットガンを武器にたった一人で竹森(夏八木勲)たちに立ち向かうが撃ちのめされて壮絶な死を遂げるクライマックスといった印象に残るような見せ場作りは、なかなかよろしい。

ちなみに松方弘樹は、本作の一年前に作られた総会屋ネタがメインの異色ヤクザ映画『暴力金脈』で主役として一匹狼総会屋を演じ、大いに暴れ回った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

二人の世界

石原裕次郎の同名ヒット曲をモチーフにした日活ムードアクション。監督は松尾昭典で主演は当然の如く裕次郎!!

無実の罪を着せられた男・北条修一(石原裕次郎)がヴァルガという名のフィリピン人になりすまして時効直前に帰国。目的は、誰の手も借りずに自身の手で真犯人を暴くためであった。

裕次郎アクションと言えば、毎度の様に殴る蹴るといった明朗快活なアクションが炸裂する。麻雀をやって遊んでいる榎木兵衛らを襲撃するシーンにはじまり、中盤でのソープランド店内で繰り広げる裕次郎と二谷英明扮する週刊誌記者の川瀬との男同士のタイマン勝負、クライマックスの高級クラブ内で敵連中をたった一人で蹴散らすという裕次郎の豪快な暴れっぷりが味わえる。特にクライマックスでは、拳銃で狙う敵を裕次郎がナイフ投げで撃退したりと、銃撃したりと殴る蹴る以外の攻撃を披露しているのが魅力の一つだとも言える。

OPクレジットとラストで観られる裕次郎とヒロイン玲子を演じた浅丘ルリ子の主題歌に合わせてのダンスもムードアクションに相応しい!!

二人の世界 [DVD]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧