日本映画 た行

太陽の恋人 アグネス・ラム

日本で70年代半ばから80年代初期に大活躍した中国系アメリカ人のモデル、アグネス・ラムの日常や素顔に迫ったドキュメンタリー映画。

ミュージシャンのPVやグラビア・アイドルのイメージ映像がほとんど皆無だった当時は、ドキュメンタリー映画を装ったプロモーション映画がチョコチョコ存在した。
'74年には東宝が『ハロー!フィンガー5』、東映が『フィンガー5の大冒険』を製作。
その翌年にアグネス・チャンのヒット曲を盛り込んだPV風の『アグネスからの贈りもの』を東宝が製作。
そして、コイツに対抗するかのような感じで'76年に東映が『太陽の恋人 アグネス・ラム』を世に放ったのだ!

ちなみに本作は、舘ひろし主演『男組 少年刑務所』&岩城滉一主演『爆発!750cc族』との併映だった(爆)。
ヤンキー&暴走族が題材のアクション映画+人気グラドルのイメージプロモの三本立てって…グラビアを飾るアイドルたちをズリネタにするような中高生のヤンキーを相手にしたラインナップやな(笑)。
彼女の色気に期待を抱いたヤンキーのチャン兄どもがアソコを少しモッコリさせながら劇場へ乗り込んでいったのでは?!というベタな想像ができるよなっ(苦笑)!

なかなかの巨乳、グラマラス・ボディーの彼女がビキニ姿でビーチを突っ走り、海水浴に興じる。
とにかく、元祖グラドルと呼ばれる彼女の魅力を追求しているだけに、ビキニ姿のシーンがトコトン楽しめるぞっ!特に、太陽に照りつけられた彼女の褐色の美肌なんて、超健康的でセクシー!!
さらに、オープンカーで公道をブッ飛ばし、愛犬と戯れ、テニスや乗馬にショッピングを楽しむ。これらのプライベート映像みたいなシーンなんて、当時のファンにはたまらんほど嬉しかったハズ。
中盤で女性インタビュアーが3サイズや「ボーイフレンドいるの?」といった質問を投げかけ、彼女が恥じらう様子なんて、メチャ初々しいっす。

30分足らずだけど、彼女の魅力と適度な色気をグイッと凝縮させた激レア映画。
かなり前に数量限定でDVDがリリースされたが、既に廃盤で入手超困難だからこそ、プレミア度はメチャ高い!

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大幹部 無頼

渡哲也が“人斬り五郎”の異名をとるヤクザ=藤川五郎を演じて人気を博した「無頼」シリーズの第二弾。

ストーリーは前作ラストからの続き。五郎はカタギになるべく、極悪ヤクザに殺された兄貴分の杉山の嫁・夢子、恋人の雪子が暮らす弘前へやってきた。材木屋で働く五郎は、ひょんなことから、かつての仲間である木内と再会。やがて、夢子の病気が悪化し、入院費を工面するべく五郎は木内を頼ってヤクザの世界へ舞い戻るが…。

今回も人斬り五郎が暴れまくり、満身創痍で痛々しい表情を見せる。
まずは、弘前へ到着後、地元ヤクザに嫌がらせを受ける旅回り一座を助けるべくコイツらを痛めつけるのは、まだまだ朝メシ前!
クライマックスの五郎と木内一派の激闘こそ、“無頼アクション”の真骨頂!!
雪子は夢子の危篤に関する電報を五郎宛に何度も送っていた。が、木内は五郎がいないときにゴミ処理していた。当然、五郎は彼女の死に目にあえず、のちに雪子から知らされてショックを受けた。
さらに、五郎の仲間たちも次々と無残に殺された。
これらの出来事によって、五郎のブチギレのヴォルテージはMAXに達し、葬儀場を後にする木内らを襲撃。
ドブ川で泥水にまみれた五郎らが激しくドスで斬っては刺しまくるシーン、近くの学校で女学生らがバレーボールに興じるシーンを交互に描く。
コレこそ、本作の本来のテーマであるヤクザ映画を装った青春アクション映画であることを強調している名シーンだ。
五郎は痛々しい姿で学校のグラウンドに侵入し、苦し紛れにバレーボールのネットを掴んで倒れ込むラストシーンも忘れ難い。

前作同様、五郎を取り巻くキャラの哀れな生き様も容赦なく描き切る。
五郎の旧知の仲である兄貴分・浅見役の二谷英明、序盤で五郎に助けられるもダンサーから娼婦に堕ちた菊絵役の芦川いづみ、前作で五郎が斬った上野組長の舎弟分で菊絵のヒモでもある根本役の田中邦衛、五郎の子分である木内組の若い衆である若林役の岡崎二朗、浅見の妹で若林のカノジョでもある恵子を太田雅子名義の梶芽衣子。豪華なスター陣が、ヤクザ渡世に関わる者の厳しい現実と悲惨さを見事に演じ切っているのだ!

小澤啓一は本作で監督デビューを果たし、シリーズ第4~6弾のメガホンもとる。ちなみに、のちに小澤に続く“日活ニューアクション”路線を支える名監督となる澤田幸弘がチーフの助監督を担当。

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東京市街戦

テキヤ系暴力団・平松組&復員兵の健太郎(渡哲也)が不良中国・朝鮮・韓国人集団・青竜会と大バトル…というお話だけど、東映ヤクザ映画の『三代目襲名』、『神戸国際ギャング』、『修羅の群れ』でもそんなシーンが描かれていたよな~。

商売人を守るべく平松組は健太郎を現場監督に据えてマーケットを建設するが、青竜会の連中が卑劣な嫌がらせを仕掛ける。警察は手に負えず、被害者は続出するばかり。クライマックスは、健太郎と組員が一丸となって青竜会と真っ向勝負!青竜会はトラック五台で乗り込み、手榴弾やダイナマイトを放り投げてドッカンドッカン!健太郎はマシンガンをブッ放し、組員は刀や銃でバッタバッタと蹴散らしていく。豪快な爆撃&ブッ殺しアクション…胸のすくような醍醐味をトコトン感じさせます。

テンポがよさ、わかりやすいストーリー、ダイナミックなアクションの三拍子が揃った勧善懲悪モノです!

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探偵事務所23 くたばれ悪党ども

大藪春彦のハードボイルド小説をコメディ色を取り入れて映像化したアクション作品で監督は鈴木清順。

探偵事務所23所長である田島(宍戸錠)が知り合いの熊谷警部(金子信雄)に協力し、田中一郎と身分を偽って銃器取引をめぐって抗争を繰り広げる桜組と大槻興業の壊滅に挑む。

冒頭からなかなかハードな銃撃戦が展開され、クライマックスでも大人数による豪快な銃撃戦が観られる。とにかく最後のアクションシーンは、見応えバツグンだから釘付けになってしまうことだろう…。

他にも、宍戸錠と星ナオミがナイトクラブで歌って踊るミュージカル風のシーン、マシンガンを一気にブッ放したりオープンカーを乗り回す宍戸錠…という具合に個々に印象深いシーンが多々あるのだ!!

探偵事務所23 くたばれ悪党ども [DVD]

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弾痕

加山雄三が『狙撃』に続いてスナイパー役に扮した東宝ニューアクション。監督は黒澤明門下で後に『日本沈没』や『八甲田山』をヒットさせる森谷司郎で、脚本は『狙撃』に続いて日活ニューアクションやTVアクション・ドラマでお馴染みの永原秀一。

加山の役は、滝村憲という米諜報局のスパイで狙撃の腕前は一流のスナイパー。『若大将』シリーズでお馴染みの陽気なイメージとは全く異なる寡黙でニヒルなキャラクターぶりは、『狙撃』同様。眉間に皺を寄せた表情…シブ味が漂って男臭い!!

メインタイトルの直前で観られるヘリに乗った滝村が車を狙撃して崖から落下、快速艇での銃撃、二台の車が爆破して火達磨になった者たちをさらに射殺、殺風景な埋立地でジープに乗った佐藤慶を射殺、クライマックスの滝村メッタ撃ち…と言った見せ場は派手さは感じられないものの、強烈なインパクトで観る者に印象付けるのだ!!

他にも、中国人亡命者役の岸田森が超音波を発する室内で拷問を喰らって鼻の片穴から鼻血がタラ~+ヨダレもダラ~、おまけに汗びっしょりで怪演するシーン、フォーク歌手の高石友也が「死んだ男の残したものは」をフォークギター弾き語り熱唱、麻生雅子扮するTVリポーターによる味噌汁に関する街頭インタビュー…といったシーンも忘れ難い!!

学生と機動隊の衝突といった安保闘争のニュース映像を使用するなど、当時の社会を反映させていることも要注目だ!!

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東京流れ者

川内康範の原作を映像化した歌謡アクションの傑作であると同時に、鈴木清順監督作品の中でも未だにカルト的人気を誇っている。

ヤクザ稼業から足を洗った“不死鳥の哲”こと哲也(渡哲也)が東京を追われてしまってからは、再びヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまい、戦いを余儀なくされる。結局は東京に舞い戻ったものの、親分に裏切られていたことを知るハメに…。よくありがちなお話だ!!

東京=ハードボイルド・アクション、新潟=任侠ヤクザ、長崎=コメディー、再びハードボイルド東京…舞台が変わると同時に作風も変わってしまうというオムニバス風味の構成がユニーク。でも、各々の舞台で共通するのはミュージカルテイストだ!!渡哲也が歌う同名主題歌がしっかりと場面を盛り上げてくれるのだ!!

ストーリーが進展するにつれてアクションも面白さを増していく。新潟でのヤクザ殴りこみ大銃撃戦、長崎でのキャバレーのセットを大胆にブッ壊しながらもドタバタ風味の笑いが味わえる大乱闘アクション、哲が再び東京に舞い戻って繰り広げるアクロバティックな銃撃戦…ユニークな見せ場として仕上がったこれらのアクションシーンは、ケレン味たっぷりで実に面白い!!

照明が生み出す色彩美をはじめとする演出が、作品の世界観により一層の魅惑感とコジャレたスタイリッシュなムードを醸成させている。清順ならではの映像作りに酔いしれてしまう。

デビュー二年後の渡哲也がぶっきらぼうなイメージを発揮させて不死鳥の哲を好演!!清純派のイメージでヒロインを演じた松原智恵子、哲を助けるヤクザとして中盤あたりで登場する二谷英明、執拗に哲を追い回すヤクザを演じた川地民夫…脇を固めるキャストの個性もしっかりと描かれているのもよろしい。それにしても、二谷が登場するシーンで流れる挿入曲「男のエレジー」…二谷の歌声がちょいとアレだが、そこはあまり言わないほうが良い!!

ラストシーンの「流れ者には女はいらねぇんだ…」という渡のキザなセリフがたまらない!!

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逃亡列車

満州に取り残された有坂中尉(石原裕次郎)率いる鉄道部隊は、帰国するべく列車を待っていた。だが、彼らの目前で抗日ゲリラの手によって鉄橋を爆破され、駅を包囲されてしまう。有坂らは抗日ゲリラと激闘を繰り広げながらも廃列車の修理を試み、脱出しようとする。

裕次郎主演の戦争アクションだが、ヒロイン麻美(十朱幸代)との関わりを観ていると裕次郎映画ならではのムード・アクションらしさが感じられるのだ。

戦争ネタということで見応えのある見せ場がしっかりと用意されている。アクションに関しては、技術などが現代に比べて発達していなかった当時のことを考慮すると、よく頑張ったものだと思えるし、見せ場作りに工夫と努力がなされていることがわかる。

中盤とクライマックスで観られる鉄橋爆破は特撮であることがわかるが、かなり上出来な方であると同時になかなか見応えが感じられるような魅せ方をしているので素直によろしいと認められる。

本作で描かれるアクションシーンの中で一番盛り上がるのは、何と言ってもクライマックスの有坂たちと抗日ゲリラ・コマンドとの壮絶な銃撃戦&手榴弾による数々の爆破シーンだ!!とにかくこのクライマックス、見応えは十分であり、数ある裕次郎アクションの中では迫力的に描かれたものだと言っても良いだろう。アクションと同時に列車の修理、麻美による岡二等兵(山内賢)の弾丸摘出手術が交互に描かれる。

伊藤雄之助扮する現地人(実は、後に日本人であることが明かされる)キャラも魅力的だった。それにしても若き中尾彬、若手役者ということもあって地味過ぎ!!

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ドーベルマン刑事

「週刊少年ジャンプ」で連載されていた武論尊&平松伸二の同名人気漫画を深作欣二監督&千葉真一主演で実写化したアクション作品。

沖縄は石垣島の刑事・加納錠治(千葉真一)は、殺害された地元の家出娘の遺骨を引き取るべく上京。だが、彼は芸能界の陰謀めいた汚点に巻き込まれてしまう。

本作は、漫画になる前の主人公・加納のプロローグ篇として製作されたものものであり、したがって原作のイメージとは随分違った作風に仕上がった。千葉扮する加納は、ある事件でロープを装着してビルの外窓を蹴破って人質を救出し、犯人を逮捕する。この一件で皆から“ターザン刑事”と呼ばれるが、“ドーベルマン刑事”と呼ばれたのはただ一度だけ。これなら最初からオリジナル脚本で『ターザン刑事』にしておいた方が良かったのではと思えるほどだ。他にも加納は黒豚を連れ回していたりととにかく原作ファンからすれば激しいツッコミを入れたくなるような変なオリジナリティー要素が観られる。原作とは別物と割り切って観れば面白く思えるだろう。

見所はやはり千葉の体を張ったアクションだ。先述した“ターザン刑事参上描写”にお得意の空手格闘アクション、44マグナムぶっ放しの銃撃戦が観られる。派手さは感じられないものの面白さは感じられ、バイオレンスアクションの雰囲気を醸し出しているので深作監督らしさを少しでも感じられる。

脇役たちの存在感も忘れられない。まずは、スター候補として売り出し中の歌手・美樹(ジャネット八田)は、元ソープ嬢でシャブ中という設定が強烈でシャブを欲しがる姿はインパクトが強い。次に美樹をバックアップする元ヤクザのマネージャー・英盛(松方弘樹)は敵キャラらしさが丸出しであり、最後に加納と対決する。この二人の存在が大きく、ストーリーを面白く昇華させている。他にも関西ストリップ興行の関係者・木下(川谷拓三)と加納にベタ惚れするストリッパーの小袖(松田英子)が変なヒモと情夫の関係でコメディー要因としてしっかりと笑わせてくれたりとキャラクター描写は抜群で他のキャラに関しても皆が印象的で忘れられない。

ちなみに原作は80年に黒沢年雄でTVドラマ化(タイトル『爆走!ドーベルマン刑事』)され、96年に竹内力でVシネマ化され、三度に渡って実写化された。

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東京残酷警察

アメリカ資本で製作された日本映画“TOKYO SHOCK”シリーズの第二弾。監督は、シリーズ第一弾『片腕マシンガール』(08)で特殊メイク、造形を担当した西村喜廣。

舞台は近未来の東京。自らの肉体を改造した新種の殺人ミュータント“エンジニア”たちが残酷極まりない無差別殺人事件を多発させていた。これに対抗するべく警察は民営化され、“東京警察株式会社”となって最強武装化し、エンジニア対策を強化させる。女性刑事ルカ(しいなえいひ)は先陣を切ってエンジニアたちに立ち向かう。

本作はスプラッター系ホラーであるが、様々なジャンルの面白さが取り入れられている。スプラッター以外にもモンスター系ホラーの要素も取り入れられ、“警察”というタイトルに相応しい刑事アクションの要素もごくわずかではあるが観られる。他にも時代劇アクション、コメディーテイスト、エロスとごった煮状態となっている。中でも特筆すべきポイントは、劇中で何度も映し出されるCM映像だ。これがコメディーとしての面白可笑しさを発揮しており、誠にバカらしい内容であるが笑わせてくれて強烈なインパクトを与えてくれる。「警官募集」、「ストップ・ザ・腹切り」、「リストカット専用カッター」(夜回り先生の水谷修がこれを観てどう思うのかが気になってしまった)等の劇中CMを監督しているのは井口昇や山口雄大といったこれまた凄いお二方である。娯楽に徹した魅せ方は、素直に良いと言える。

本作の特色は、とにかく殆どのシーンが血みどろの大流血絵巻だ。血飛沫が飛び散りまくり、これでもかと言わんばかりにドクドクと血が溢れ出まくる。残酷極まりない悪趣味丸出しのグロテスク描写がとことん連打されているのである。暴走しすぎてブッ飛びまくった映像は狂気に満ち溢れすぎており、バカになり過ぎているため荒唐無稽の限度を超越している。この衝撃と驚愕の連発は、本当に凄すぎるとしか言いようがない。それでもこれらの描写がテンポを良くさせており、斬新な映像へと仕立て上げていると言えるのである。スプラッター度は既に100%を越えているのでこの手の作品のコアなファンにとっては嬉しく思えるはずだ。

ここまで描くことができたのは、やはりアメリカ出資のおかげだと言い切れる。現在の日本映画界では間違いなく作ることができないということは、わかり切っていることだ。本作のような作品がアメリカを頼らずに製作することができたとしたら、60年代や70年代にプログラムピクチャー体制で量産されたような情熱的で面白い娯楽映画が再び普及され、日本映画界が本当に活性化されるだろう。

主演のしいなえいひ(椎名英姫)は、本作で三年ぶりに完全復活したのである。板尾創路、菅田俊、堀部圭亮、坂口拓といった脇を固めるメンツも異色だ。

エログロナンセンスの三拍子が揃った低俗で過激すぎる内容の本作は、R指定を通り越して20歳未満禁止のX指定になっていることにも納得だ。B級娯楽映画の面白さを遺憾なく発揮している点を高く評価したい。

【85点】

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